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住宅ローンコラム

フラット35の審査基準と落ちる人の傾向・落ちた理由と対処法を初心者にも分かりやすく解説

フラット35の審査基準
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この記事の監修者
監修者
じんFP事務所 代表
祖父江 仁美さん

名城大学法学部卒業後、日本生命保険相互会社→保険代理店で営業職を経験。

相談者から「企業から確定拠出年金の手紙が届いたけど、どの銘柄にチェックすればいいかわからない」と相談を受け、何もアドバイスができなかった経験から企業型確定拠出年金について学び、中小法人に向けて企業型確定拠出年金の導入や社員向けに投資教育を行う。

2020年7月 「日経xwoman公式アンバサダー」就任 日経BP社

2021年11月 「お金の使い方・貯め方教えて下さい」出版 主婦の友社

WEBサイト:https://jin-fp-official.com/

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自営業者や転職間もない方など、住宅ローン審査で不利な方が利用を打診されることが多いのがフラット35です。

フラット35は住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して扱っている住宅ローンで、銀行は販売代理店の役割となります。

となると、フラット35はどの銀行に申し込んでも審査基準は同じなのでしょうか?

また、比較的通りやすいと言われるフラット35ですが、それでも審査に落ちる方は一定数います。

こうした方は何が理由で落とされているのでしょうか。

今回は、気になるフラット35の審査基準を初心者にも分かりやすく解説していきます。

この記事の結論
  • フラット35は返済期間中の金利が固定されるため、経済情勢の変動による返済額の増加を避けられる
  • 金利状況によっては、変動金利より高金利になる可能性がある
  • 民間の住宅ローン審査に落ちてしまった方も、フラット35の審査に通過する可能性はある
  • フラット35の審査通過には、安定した収入が必要
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保証人 事前審査
不要 最短当日
繰上返済手数料 本審査
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  •  【フラット35】業界最低水準の低金利(スタンダードタイプの場合)※ARUHI 調べ
  • 引き渡しまでの資金・頭金0の借入も対応
\頭金0円でも利用可能/

フラット35の仕組み

フラット35は民間の住宅ローンと異なり、住宅金融支援機構と民間の銀行などの金融機関が提携して販売する全期間固定金利の住宅ローンとなります。

全期間固定金利なので利息が膨らむ心配がないことや、将来的な金利上昇の影響が少ないことから、民間の住宅ローンと比べて借りやすい傾向にあります。

フラット35には保証型(金融機関が住宅融資保険を設定して融資)と、買取型(金融機関が融資した債権を機構が買い取る)の2種類がありますが、保障型の取扱いは2024年現在ほぼ無く、買取型が一般的です。

フラット35の審査基準は2つの条件に分かれる

フラット35の審査基準は、以下の2条件をクリアできるかどうかで合否が決まります。

  • 申込者自身の基準
  • 住宅の基準(技術基準)

ここからは、上記2つの条件の基準を細かい項目に分けて紹介していきます。

フラット35の審査基準1】申込者自身の基準

申し込み時の年齢

まず挙げられるのが、申込者の年齢上限です。

基本的にフラット35は、申し込み時の年齢が満70歳未満であることを条件としていることが多いです。

ただ、借入から完済までに平均15年~16年かかることを考えると 、少なくても申込時点で60代前半であることが一つのポイントとなるでしょう。

年収と返済額のバランス

単純に申込者の年収が高いと、返済能力が高いということになり審査で有利です。

ただ、高収入が優遇されるのは余裕を持って返済が出来るからであって、高収入でも返済額が高額だと余裕がないので、審査通過は厳しくなります。

一方で、年収が平均以下でも返済額が少額なら、返済に余裕があるので審査に通りやすくなります。

単純な収入額より、返済額とのバランスをフラット35の審査では見られるのです。

収入と返済額の割合は、以下が目安となります。

年収 年間合計返済額(目安)
400万円未満 年収の30%以下
400万円以上 年収の35%以下

ただ、上記の数値はあくまで目安であって、年収の30%~35%までなら確実に審査が通るというわけではありません。

上また上記の数値を超える場合に、フラット35の審査で通過できる可能性は低く、数値を越えなくても年齢や職業などの条件によっては、審査が通らない場合があります。

借入額に関する条件

フラット35の借入額の最大設定は、物件価格の100%までとなっており、自己資金ゼロでも借り入れができます。

しかし、一般的には、物件価格の10~20%程度を目安とする頭金を用意する方が多いです。

この制度は、主に一般住宅を対象にした長期固定金利型住宅ローンですので、自己資金が少なくても安心して借り入れができます。

しかし、全額借り入れの場合、返済能力の問題から審査が厳しく見られます。

併せて、借入額が多いほど、返済の負担が大きくなるため、自己資金を多く持つことで、借入額を抑えるのが無難です。

申込時年齢と借入期間のバランス

住宅ローンの返済期間は長期に渡ります。返済期間が長くなれば、年齢が上がり、病気や介護、死亡のリスクが高まります。

そうなれば返済が途絶えてしまうので、申込時年齢が高齢かつ返済期間を長めに設定すると審査に通りにくくなります。

フラット35は、公式には最長借入期間を以下のように求めることを推奨しています。

◎最長借入期間:80歳ー申し込み時の年齢(1年未満切り上げ)※算出年数が35年を上回る場合は、35年が最長借入期間

ただ、これも最低限の条件という意味合いが強いので、実際の審査ではより厳しくバランスを見られる可能性が高いです。

一般的に高齢者と言われ始める65歳には完済できるように設定しておくと無難です。

フラット35の審査基準2】住宅(担保物件)の基準

技術基準を満たしているか

フラット35の審査では、住宅の評価も結果を大きく左右します。

まずクリアしないといけないのが、住宅の技術基準です。

技術基準とはその名のとおり、耐震性・耐久性などに求められる最低限の基準のことです。

フラット35を提供している住宅金融支援機構は、一戸建ての記述基準を評価する際に、以下の項目をチェックするとしています。

適合が必要な評価基準 求められる内容
最長返済期間 リ・ユース住宅なら25年以下、リ・ユースプラス住宅なら35年以下
規模・耐震性・劣化状況・耐久性 求められる最低基準を満たしている
接道状況 一般の交通の用に供する道に2m以上接している
住宅規模 一戸あたりの床面積が40㎡以上280㎡以下
住宅規格 原則として2以上の居住室(食事室を含む)、炊事室、便所、浴室がある住宅で、店舗等との併用住宅でない

また、耐震性の評価は一戸建ての構造によって求められる基準が変わります。

工法 求められる基準の内容
在来木造工法・枠組壁工法(2×4) 評価値を全てかけた(×)時に値が1以上となる

  1. 建物の形(整形、不整形の評価)
  2. 壁の配置(壁のバランスの評価)
  3. 筋かい等の有無(壁の強度の評価)
  4. 壁の割合(必要壁量に対する充足率の評価)
RC(壁式) 床面積に応じた壁量が確保されている
RC(ラーメン) 一般の交通の用に供する道に2m以上接している
工場生産住宅(プレハブ住宅)・設計登録住宅 公的機関における構造評定が基準を満たしている
鉄骨造 「耐震改修促進法のための既存鉄骨造建築物の耐震診断」によって安全性を確認されている
丸太組構法 建設省告示(昭和61年第895号)または国土交通省告示(平成14年第411号)に適合している

その他、以下のような項目も技術基準を評価する際にチェックされます。

  • 地面から基礎の上端または地面から土台下端までの高さが40cm以上である
  • 換気上有効な位置に2ヶ所以上の小屋裏換気口が設けられている
  • 換気口の有効面積が、原則、天井面積の1/300である
  • 外壁の床下部には4m以下ごとに有効面積300㎠以上の換気孔が設けられている、または壁の全周にわたって壁の長さ1m当たり有効面積75㎠以上の換気孔が設けられている
  • 土台、外壁の雨がかりとなる柱等、浴室・台所の柱・床組等に防腐・防蟻措置が施されている

最低限の規模(床面積)を満たしているか

住宅の面積が狭すぎると、担保物件として十分な評価を受けることができません。

住宅金融支援機構は必要最低限の床面積を以下のように定めています。

  • 一戸建て:70m2以上
  • マンション:30m2以上

床面積の求め方は不動産会社によって微妙に異なるケースも少なくないので、事前にチェックしておきましょう。

フラット35の審査基準はどの金融機関も同じ?

フラット35の審査は、どの銀行窓口から申し込んだとしても住宅金融支援機構によっておこなわれます。

そのため、審査基準には違いがないという意見が一般的です。

ただ、この見方にはいくつか注意点があります。

事前審査は各銀行が担当することが多い

フラット35の審査は事前審査と本審査の2段階でおこなわれます。

本審査は漏れなく住宅金融支援機構がおこないますが、事前審査は窓口となっている銀行が担当することが多いです。

各行の事前審査の基準は公表されていませんが、全く同じ基準とは考えにくく、難易度に多少の差は存在すると考えられます。

取り扱っているラインナップは金融機関によって異なる

フラット35にはいくつか種類があり、ラインナップは金融機関によって異なります。

例えば住宅ローン専門機関※のARUHIでは、以下のように豊富なフラット35を用意しています。

  • ARUHI スーパーフラット
  • ARUHI フラット35
  • ARUHI フラット35/ARUHI スーパーフラット(リフォーム一体型)
  • ARUHI フラットα
  • ARUHI フラットつなぎ

自分にあった商品を選べば通過率は上がりますし、逆に合わないタイプに申し込むと落ちやすくなってしまいます。

このことを考えると、間接的ではありますが、申し込み先によって審査難易度の違いはあると言えます。

※累積融資実行件数及び金額 2023年7月 株式会社日本能率協会総合研究所調べ

フラット35の審査の流れ

フラット35の審査は、以下の10ステップで進めるのが一般的です。

  1. 事前審査
  2. 借入・団信加入の申込
  3. 本審査
  4. 設計審査の申請・合格
  5. 着工
  6. 中間現場審査の申請・合格
  7. 竣工
  8. 竣工現場審査の申請・合格
  9. 適合証明書の交付
  10. 契約の締結

本審査の 審査結果が出るまでは1~2週間程度かかりますが、その間に技術基準の審査が入ってくるので、その様子次第では更に時間がかかる可能性もあります。

審査に通過した後、竣工現場審査もパスしたら適合証明書が交付されます。

必要事項を記載し、提出したら契約となりますが、併行して以下の作業も進めていきます。

  • 資金の受け取り
  • 登記
  • 抵当権の設定
  • 火災保険への加入

全ての手続きが完了したら、入居となります。

フラット35の審査に必要な書類

フラット35の審査申込に必要な書類は、以下の4種類です。

  • ローンの申込書
  • 所得の証明書類
  • 建設費の確認書類
  • 土地所有の確認書類

具体的には、以下の書類が当てはまります。

種類 具体的な書類の内容
ローンの申込書
  • 【フラット35】長期固定金利型住宅ローン(機構買取型)借り入れ申込書
  • 今回の住宅取得以外の借入内容に関する申出書(兼 既融資完済に関する念書)
所得の証明書類(借入申し込み年度の前年および前々年の公的収入証明書)
  • 特別徴収税額の通知書、住民税納税通知書、住民税課税証明書等の公的収入証明書【給与所得のみ】
  • 納税証明書および確定申告書の写し等【給与所得のみ以外】
建設費の確認書類 建物の工事請負契約書の写し※土地取得費も借り入れる場合は土地の売買契約書の写し等
土地所有の確認書類 登記事項証明書

フラット35の審査申込に必要な書類は、以下の4種類です。

  • ローンの申込書
  • 所得の証明書類
  • 建設費の確認書類
  • 土地所有の確認書類

具体的には、以下の書類が当てはまります。

種類 具体的な書類の内容
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  • 【フラット35】長期固定金利型住宅ローン(機構買取型)借り入れ申込書
  • 今回の住宅取得以外の借入内容に関する申出書(兼 既融資完済に関する念書)
所得の証明書類(借入申し込み年度の前年および前々年の公的収入証明書)
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  • 納税証明書および確定申告書の写し等【給与所得のみ以外】
建設費の確認書類 建物の工事請負契約書の写し※土地取得費も借り入れる場合は土地の売買契約書の写し等
土地所有の確認書類 登記事項証明書

フラット35の審査に落ちる人の傾向と対処法

フラット35は通常の住宅ローンよりも借りやすいと言われていますが、それでも審査に落ちる方は存在します。

ここからは、フラット35の審査に落ちる人の傾向と対処法を解説していきます。

過去に遅延・滞納の履歴がある

前に借りていた住宅ローンや、クレジットカード、携帯電話の機種代の分割払いなどで、期限に間に合わず滞納した経験があるとフラット35の審査に落ちやすくなります。

滞納の情報は個人情報機関に登録され、フラット35の審査時に開示されて参考にされます。

最近では奨学金の延滞などもチェックされるので、日頃から期限に注意しましょう。

自分でも気づかない延滞が残っていたというケースも少なくないので、申し込み目に開示請求しておくことをおすすめします。

総返済負担率がオーバーしている

前述の年収と返済額の基準を満たしておらず、フラット35の審査に落ちるケースは多いです。

また、クレジットカードのキャッシング枠が組み込まれていて、知らぬ間に負担率の基準を超えているケースも少なくありません。

使っていないクレジットカードはキャッシング枠を0にするか、解約しておくことをおすすめします。

借金や自己破産の経験がある

借金や債務整理が信用情報履歴に残っている場合、審査通過はかなり難しくなります。

事故情報が信用情報に残っている状態をブラックリストと言いますが、ブラックリスト入りの期間は金融事故の重大性に比例しています。

事故情報 JICCの登録期間 CICの登録期間 JBAの登録期間
支払いの延滞に関する情報 最大5年以内 5年を超えない期間 5年を超えない期間
  • 債権回収
  • 債務整理
  • 保証履行
  • 強制解約
  • 破産申立
  • 債務譲渡など
5年を超えない期間(債権譲渡に関しては、発生から1年を超えない期間) 決定から10年を超えない期間
不渡り情報 発生から6ヶ月を超えない期間(取引停止処分の場合は処分日から5年を超えない期間)
クレカやローンへの申込情報 照会日から6ヶ月間 照会日から6ヶ月間 照会日から6ヶ月間
クレジット情報 契約期間中~終了後5年以内 契約期間中~終了後5年以内 契約期間中~終了後5年以内
利用記録 利用日より6ヶ月間 利用日より6ヶ月間 利用日より6ヶ月間

自分の信用情報を開示して、事故情報が残っている方は削除されるまで待つことをおすすめします。

フラット35の審査に関する質問

ここでは、金融機関でフラット35を申し込む前に知っておきたいことや、解決しておきたい疑問について解説して行きます。

フラット35を提供している金融機関ごとに審査基準は異なる?

フラット35の基本的な審査基準は日本政策金融公庫により定められていますが、それぞれの金融機関によって多少の違いはあります。

これは、各金融機関が独自のリスク管理基準を設けているためです。

例えば、金利や返済計画だけでなく、収入や雇用形態、借入額、信用情報等を評価する際の重視点が異なる場合があります。

したがって、自身の経済状況や借入希望額によって、審査に通りやすい金融機関が変わる可能性もあるため、事前に調査し複数の金融機関に相談しましょう。

フラット35は自営業(フリーランス)でも申し込める?

フラット35は、自営業者やフリーランスの方でも申し込めます。

ただし、申し込みを行うには、安定した収入があることが求められます。

雇用者に比べて収入が不安定な自営業者やフリーランスの方は、審査が厳しくなることもあります。

また、事業の内容や規模、収入の安定性等、具体的なビジネス状況を詳細に審査されることが多いです。

したがって、申し込みを行う前に、税務署から発行される確定申告書や青色申告決算書など、収入を証明する書類を準備しておきましょう。

フラット35の審査期間はどれくらいかかる?

フラット35の審査期間は金融機関によって異なりますが、一般的には1週間から2週間程度となっています。

ただし、それはあくまで目安であり、個々のケースによってはそれ以上の時間がかかることもあります。

特に、審査に必要な書類が揃っていない場合や、特殊な事情がある場合などは審査が長引くこともあります。

また、金融機関の混雑具合によっても審査期間は変動するため、早めの申し込みと、必要な書類を準備しておきましょう。

フラット35の利用が向いている人ってどんな人?

フラット35の利用が向いている人は、安定した収入を有し、長期間にわたって同じ金利で返済を続けられる方におすすめです。

加えて、新築の一般住宅を購入することを検討している人にも適しています。

自身のライフスタイルや、将来のライフプランに応じて、返済計画をしっかりと立てることができる人にとって、フラット35は大変魅力的な住宅ローンと言えます。

しかし、収入が不安定な方や、借入額の大きなローンを必要とする方には、フラット35の審査は厳しいので、自身の状況にあった住宅ローンを利用しましょう。

フラット35の審査を受ける時は考えられるリスクを取り除いておこう

フラット35の審査に落ちる理由は、上記の他にも様々考えられます。

審査基準は公表されていないからこそ、リスクになり得る事項は早急に改善したほうが良いです。

例えば以前にトラブルのあった銀行窓口からフラット35に申し込む場合、事前審査の段階で顧客ブラックリストと照合されて落とされるという可能性も十分あり得ます。

住宅ローン審査に落ちると、再び通るまで結構な時間がかかります。

1度目の申込で融資を受けることを目指し、考えられるリスクは出来るだけ改善していきましょう。

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