マンションの老朽化問題とは?寿命が来たらどうなる?廃墟になる前に解決する方法
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日本へマンションが本格的に普及してから50年前後経っています。
初期に建てられたマンションは取り壊しも進んでいますが、2000代に建設ラッシュで建てられた高層マンションも、いずれ老朽化のリスクが発生します。
今回は、マンションが老朽化したと考えられるのは築何年からなのか、どんな問題が発生するのか、何をすれば解決できるのかを分かりやすく解説していきます。
マンションの老朽化や寿命は相対的なもの?本当の末路はまだ確認されていない
厳密に言うと、マンションの老朽化や寿命にはこれといった年数の定義はありません。
税制上の年数や各不動産会社が設定する年数はありますが、安心して住めなくなるまでの年数を寿命と定めると各人の感じ方や管理の行き届き具合によって変わってくるので、〇年までという基準はないのです。
法定耐用年数ではマンションの寿命は最大47年
税金を算出するために設定されている法定耐用年数は、鉄筋コンクリートが最大47年とされています。
ただこれは税制上の基準であり、今でもバブル期のラッシュで建てられた築40年~50年のマンションは現役で利用されています。
建築学では、定期的にリフォームをすれば100年以上もマンションを利用できるとされており、本来の寿命は47年よりも長いと推定されています。
マンション建築が本格的に始まったのが1970年代なので、本当の寿命が来ているマンションというのはまだないといってよいでしょう。
老朽化したマンションで起こりうる問題
設備の劣化・故障
マンションそのものの寿命より早く来るのが、設備の劣化や故障です。
一般的には、設備が劣化したマンションを、老朽化したマンションとするケースが多いです。
コンクリートは劣化するとひびが割れ、これが保温性の低下や雨漏りにつながるのです。
その他、配管の老朽化によって、中身が詰まってしまうケースも良くあります。
このような老朽化現象が起きた場合、修繕の必要が出てきます。
管理費・修繕費が増大する
管理費・修繕費は数年ごとに見直され、上昇されていきます。
住民の生活を守るためにもこうした費用の負担増を検討しなければいけませんが、支払いが増えることで入居者はどんどん離れていってしまいます。
また、出ていく人だけでなく、入ってくる入居希望者もどんどん減っていってしまします。
空室率増加によりスラム化・廃墟化
設備の劣化・故障は比較的早めに起こりますが、修繕費を徴収しようと負担を上げると入居希望者が減っていき、空室率が増加していきます。
普通のマンションはオーナー1人で管理できるものではなく、入居者がいて初めて管理が行き届きます。
空室率が30%を超えると管理費・修繕費の徴収が十分にできず、マンションの廃墟化が進んでいきます。
こうした状態になる前に、マンションの出口戦略を決める必要があります。
資産価値の減少
目に見えた老朽化が見られなくても、マンションの資産価値は築年数の経過によって減少していきます。
これも詰まるところ、老朽化と表現することができます。
特に築年数が30年を経過したマンションは、力をいれて管理をしなければ価値・需要を維持することはできません。
老朽化したマンションの建て替えはハードルが高い
老朽化したマンションの問題は、建て替えれば全て解決できると考える方も多いでしょう。
ただ、実際に建て替えが出来ているマンションというのはかなり少なく、配管設備等が老朽化していても気軽に実施できる訳ではありません。
建て替え件数が増えない理由は、主に以下の2つです。
- 住民から高額な費用の徴収が必要
- 住民の5分の4以上の賛成が必要
実際、年間でも建て替えは全国で数百例しか確認できず、棟数に対してかなり少ない数字になっています。
建て替えのハードルが高いため、旧耐震基準のマンションもそのままになっているケースが多く、大地震が今後くれば大きなリスクの可能性があります。
老朽化したマンションの問題を解決する方法
解体して更地を売却・活用する
建物の管理が難しくなったタイミングで、取り壊してしまうのも一つの手です。
建物部分を取り壊すと更地が残りますが、土地は年数経過による劣化の影響を受けないので、売却や活用が比較的やりやすくなります。
土地の用途は周辺環境やタイミングによって変わるので、しっかり見極める必要があります。
ただ、取り壊しには住民80%以上の合意がなければいけません。
老朽化したマンションを建て替える
容積率に余裕のある場合、老朽化したマンションを建て替えるという判断も出来ます。
資金面に余裕があれば、古くなったマンションを高層マンションに建て替えるのも不可能ではありません
ただ、これまで蓄積された修繕積立金だけではマンション建て替えを出来ないことも多く、別途で費用を徴収しなければいけません。
住民の80%が合意をして、かつ建て替え費用を別途で支払ってくれなければいけないのでハードルは高く、おこなわれた例はあまり多くありません。
老朽化したマンションを売却する際の注意点
老朽化したマンションの管理に困った時、最もコストがかからず利益を得られるのが売却です。
売却代金を得られますし、管理も新しい持ち主に任せることができます。
ただ、老朽化したマンションは本当に売れるのか疑問に思う方も多いでしょう。
ここからは、老朽化したマンションを売却する際の注意点を解説します。
→築40年超の古いマンションを売る方法!売却時の注意点・売れない場合の対処法
老朽化したマンションは売却しにくい
老朽化したマンションは見た目の悪さから人気がないだけでなく、修繕にかかるコストが増加するので普通のマンションよりも売却しにくいです。
購入希望者にただの老朽化したマンションと思われれば売れる可能性は低いままです。
老朽化したマンションなりにどんな強みがあるのか、振り返って考えた上でPRしていくことが大切です。
人気の地域なら老朽化マンションでも売れる可能性が高い
ただ前述の通り、老朽化したマンションでも現役で利用されているものは多いです。
こうしたマンションの共通の特徴は、地価が高くて人気のエリアに建ててあることです。
都心の新築マンションは非常に高額ですが、中古マンションなら手に入りやすいので需要があるのです。
逆に人手の少ない郊外の老朽化マンションなら、買い手が付くのはかなり困難です。
高齢者をターゲットに売るのも一つの手
古いマンションには和室が付いている場合もありますが、和室需要は年々下がっています。
ただ、高齢者には畳の人気は根強いので、彼らに向けて売っていく手もあります。
若いころ郊外に建てた一戸建てを老夫婦で使いきるのは困難なので、都市部の丁度よいマンションに移り住みたいという方も大勢います。
彼らを狙うことで、成約率を上げることができます。
不動産会社へ直接買取に出す
不動産会社では老朽化したマンションの買取を積極的におこなっています。
不動産会社は不動産がなければビジネスが出来ませんが、国土が限られている上、マンション普及の初期段階に良い立地は取られてしまっているので、業者にとっても良い立地の老朽化マンションを手に入れて、リノベーションをして再販するメリットは多くあるのです。
仲介売却で売れないマンションは、買取に出してみるのも一つの手です。
老朽化マンションの売却を成功させるコツ
明らかな欠陥を修繕する
同じ老朽化マンションでも、老朽化が外から見て一目で分かるのと、そうでないのでは成約率に大きな違いがあります。
目に見えて劣化している部分を修繕することで、第一印象が大幅にアップし、成約率も上がります。
ハウスクリーニングをおこなう
見た目が老朽化しているマンションでも、よく見てみると欠陥ではなく汚れだったというケースは多々あります。
高額の修繕費を支払う前に、まずはハウスクリーニングを依頼してみましょう。
水回りなど気になる部分を依頼するだけでかなり印象は変わりますし、安上がりですよ。
老朽化したマンションを得意とする不動産会社に依頼
不動産会社にはそれぞれ得意・不得意があります。
老朽化マンションの買取をある業者に断られても、その業者が単に新築マンションの取り扱いしかしていないだけかもしれません。
全ての不動産会社が同じ物件を取り扱うと大手の独占状態になってしまうので、中小は大手の取り扱わない物件を積極的に扱っていることが多いのです。
老朽化マンションは、こうした業者に相談してみることをおすすめします。