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根抵当権(ねていとうけん)とは?抵当権との違いと抹消の方法・不動産売却時の注意点をわかりやすく解説

【更新日】2023-11-13
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根抵当権とは
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住宅ローンを借りる際に設定される抵当権という言葉は耳馴染みがあるかと 思いますが、根抵当権(ねていとうけん)という言葉は聞いたことのない方も多いかと思います。

両者は似て非なる部分も多く、違いを理解しておく必要があります。

今回は、意外と知られていない根抵当権について分かりやすく解説していきます。

抵当権とは?難しそうな仕組み・内容を初心者にも分かりやすく解説

根抵当権と抵当権の違い

根抵当権と抵当権の違い

一般的に知られる抵当権は住宅ローンなどを借りる際に土地や建物へ設定される権利のことです。

抵当権は住宅ローンの返済が滞った際に担保物件を差し押さえられることを規定したものですが、根抵当権は性質が少し異なります。

根抵当権は、不動産の担保価値を算出後、極度額を定めて、その範囲で何度でもお金の借入・返済ができるというものです。

つまり、3,000万円の根抵当権なら、その範囲内で何度も借入・返済をおこなうことができ、極度額が0になれば根抵当権は消失します。

3,000万円の借入時に抵当権を設定した場合、完済時に抵当権は抹消可能になります。

ただ、根抵当権の場合は3,000万円の枠内で例えば1,000万円借入を完済しても抹消することはできません。

根抵当権を設定する主なケース

根抵当権を設定するケースは、そこまで多くはありません。

今回はその中でも、多く見られるケースを紹介します。

事業資金を受ける際に法人所有の不動産に設定するケース

事業資金を銀行から借り入れる際に、企業所有の不動産に対して根抵当権を設定するケースも少なくありません。

借入の都度、登記をする必要がなくなって効率が良いためです。

リバースモーゲージを利用するケース

リバースモーゲージとは、自己保有の不動産を担保にして金融機関からお金を前借りし、亡くなったタイミングで不動産を売却し一括返済する制度です。

リバースモーゲージでは何度も融資や返済を繰り返すケースが多いので、決められた極度額内で何度も貸し借りが出来る根抵当権を設定するのが一般的です。

抵当権付き物件は売却できる?抵当権を外すタイミング・取引時の注意点

個人の住宅ローン借入は抵当権設定が一般的

個人が住宅ローンを借りる際は、抵当権を設定するケースが一般的です。

根抵当権を設定することはほとんどないと思ってもらって良いでしょう。

ただ、注文住宅の建築条件によって頻繁な融資・借入が必要になる場合などは、根抵当権を設定することもあります。

不動産売却における抵当権抹消登記のタイミング・流れ・費用相場を徹底解説

根抵当権のメリット

設定登記費用を節約できる

不動産を担保にした借入を頻繁におこなう場合は、根抵当権を設定しないと、抵当権を何度も設定することになり、その度に登記費用を支払う羽目になります。

根抵当権は頻繁に借入をおこなう場合も最初の1回の登記で良いので、費用の節約になります。

登録免許税や司法書士への報酬はトータルで平均10万円以上になるので、頻繁に借入をする方は根抵当権にすることでかなりの節約となります。

手続きの手間・コストが抑えられる

抵当権の場合、設定登記と抹消登記は都度おこなう必要があります。

根抵当権の場合、一回の登記で複数の借入が可能となります。

根抵当権のデメリット

限度額が制限されている

根抵当権の場合は借入限度額が設定されており、融資額を柔軟に決めることができません。

用途に応じて、根抵当権を利用するかどうかは検討が必要です。

抹消が複雑

根抵当権は元本の完済後も自動的に抹消されないため、抹消手続きが必要になります。

根抵当権の抹消手続きは、抵当権と比較して複雑になりがちです。

譲渡ができない

根抵当権は原則、他人に譲渡することができません。

そのため、設定した本人が処理をしなければいけません。

根抵当権は簡単に抹消できない?

前述の通り、根抵当権は1度目の借入を完済したからといって抹消することが出来ません。

根抵当権を設定する場合、不動産の評価額に応じて決まった極度額が登記されます。

登記簿を見てもいくら借りているか分からないので、根抵当権の仕組みを理解していない方が傍から見ると、なぜ抹消できないのか分からないことがあります。

ただ実際は借金を丸ごと完済した段階で、当事者間の合意によって抹消することができます。

この際、抵当権の抹消と同じく土地・建物1こ当たり1000円の免許登録税と、1万円ほどの司法書士報酬を支払う必要があります。

根抵当権の付いた不動産売却の流れ

【Step1】不動産にかかる根抵当権の残債をチェック

まずは、現在設定されている根抵当権の残債を確認します。

不動産取引時は残債を完済しておく必要があるので、売却代金を使って完済可能か確認しましょう。

【Step2】売却の方針を決定する

根抵当権の残債をチェックした後、売却したい不動産の現在の査定価格を調べて比較します。

査定価格が残債を上回る場合は、アンダーローンと言って売却が可能な状態です。

オーバーローンの場合は、自己資金と合わせて残債を完済するか、任意売却を依頼するといった対応が必要になります。

【Step3】根抵当権抹消の交渉

査定価格と残債が分かったら、次に金融機関と抹消について交渉をします。

状況によっては根抵当権の抹消に金融機関が応じないケースもあるため、不動産会社と相談をした上で対策を練る必要があります。

【Step4】元本確定

元本確定とは、ある時点で存在する債権のみを担保とし、以降発生する債権を担保から除外することです。

元本確定後は、担保権も代位弁済者に移転します。これにより、設定者の協力なしに担保権の移転が可能になります。

【Step4】不動産の売却

債権者との合意後、購入希望者が現れたら売買契約を進めていきます。

この場合の売買の流れは、通常の不動産売買と特に変わりません。

【Step5】抹消登記

売却に伴い、根抵当権の抹消登記を法務局に申請します。

【Step6】決済・引き渡し

代金の決済と、不動産の引渡しをおこない、売買が完了となります。

根抵当権の付いた不動産売却の注意点

根抵当権の付いた不動産の売却は、抵当権の場合と同じく売り出しは可能でも、抹消しないと引き渡しできないという決まりがあります。

根抵当権を抹消する際は、借金を完済した上で根抵当権者の承諾を得る必要があります。

違約金が発生する可能性がある

前述の通り、不動産売却によって根抵当権を一気に抹消するのは銀行の利益にはなりません。

そのため、抵当権抹消を断られるケースもあります。

抵当権抹消には抵当権者の許可が必要なので、こうなった場合は売買契約を結べていても引き渡しが出来ません。

それでも許可してもらおうと思ったら、高額な違約金・手数料を支払わなければいけないケースが発生することもあります。

違約金込みで利益がマイナスになるケースも少なくないので、十分注意しましょう。

残高が大きく余っている場合は抹消に応じてくれにくい

根抵当権は複数回の借入・返済をおこなうことを想定したものですが、その分トータルの返済期間が長期になり、利息込みの返済額も大きくなるケースが多いです。

言い換えれば同じ金額でも長い時間をかけて返済してもらうほうが利息は大きくなる(儲けが増える)ので、金融機関としては長期で利用してほしいのです。

これを不動産売却などで得たまとまった代金で一括返済する場合、期間は想定よりも短くなってしまいます。

これを嫌がって、金融機関が根抵当権の抹消に応じないケースもあるので注意が必要です。

根抵当権が抹消できない時は専門家に相談を

根抵当権は抵当権よりも仕組みが複雑で、時に抹消時には手間がかかります。

抹消が上手くいかない場合は、まず司法書士など専門家を頼るようにしましょう。

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