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任意売却の場合でも税金はかかる?発生する税金の種類と節税・控除する方法

【更新日】2023-12-11
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任意売却時の税金
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ローンの残っている家を売却する方法が任意売却です。

この方法を使うことで、現在のローン残債を帳消しにすることができます。

しかし、そこで気になるのが任意売却後の税金についてです。

任意売却は売主の状況を考慮してはくれますが、税金をしっかり納めない限りは売却も正式なものとして認められません。

今回は、任意売却をするとどんな税金がかかるのか、課税を軽減・控除する方法はあるのかについて徹底解説していきます。

任意売却とは?手続きの流れとメリット・デメリットをわかりやすく解説

任意売却で利益が出ると譲渡所得税がかかる

任意売却でも、ケースによっては譲渡所得税という税金が発生します。

譲渡所得税とは、売却代金が購入費用(購入にかかわる各費用も含む)を上回った時、その差額に対してかかる税金のことです。

譲渡所得税は、以下の計算式で求めることができます。

譲渡所得税=税率×{譲渡価格-(取得費+売却費用) }

取得費は、不動産の購入代金+取得に要した費用の合計から減価償却費を差し引いたものと、譲渡収入価額(買主から受け取った額)の5%のうち、大きい額が採用されます。

次に売却費用に関してですが、こちらには売却時の仲介手数料や登録免許税も含みます。

取得費には、以下のような費用を計上することができます。

取得費にできる費用一覧
  • 設計変更費用
  • 増改築リフォーム費用
  • 仲介手数料
  • 不動産取得税
  • 免許登録税や登記手数料
  • 契約書の印紙代
  • ローン事務手数料
  • ローン保証事務手数料
  • 固定資産税・都市計画税の精算金
  • 抵当権設定の免許登録税や登記手数料
  • 建物に付属する設備費
  • 建築費や工事にかかった諸費用
  • ローン借入日~所有開始までにかかったローン金利
  • ローン借入日~所有開始までにかかったローン保証料
  • ローン借入日~所有開始までにかかった団体信用生命保険料

取得費をできるだけ多く計上することで、税金の発生を減らすことができます。

不動産売却でかかる税金はいくら?費用の計算方法から節税・控除のポイントまで分かりやすく解説

譲渡所得税の税率

譲渡所得税の税率は、任意売却した物件を所有して何年経っているかによって異なります。

ちなみに、この所有期間は取得した日から売却した年の1月1日までで計算をするので、注意しましょう。

税率は所有5年以内(短期譲渡所得)か5年超(長期譲渡所得)かによって、以下のような違いがあります。

【短期譲渡所得】 【長期譲渡所得】
所得税 30% 15%
住民税 15% 5%

上の通り、任意売却の時期が遅れるほど税金の支払いはお得になります。

ただ、だからといって任意売却の時期を遅らせて、差し押さえを受けるようになると元も子もないので注意しましょう。

譲渡所得税が発生したとしても、売却損のほうが売却益よりお得ということは絶対にありません。任意売却をお得に終わらせるには、とにかく高く売ることを考えていきましょう。

任意売却にかかる税金を軽減・控除する方法

任意売却でも、通常の不動産売却と同じように税金が発生していきます。

ただ、譲渡所得税に関しては、税金をお得にする方法というのが多数用意されています。

任意売却でもこうした控除を利用することは十分できるのです。

ここからは、任意売却で税金が発生した時に減税・控除をする方法を紹介していきます。

所有期間10年超の任意売却物件には軽減税率特例が適用される

税率が短期所有と長期所有で変わるというのは前述の通りですが、所有期間が更に10年を超えると、軽減税率の特例が適用されます。

この特例では、税金の計算を以下のように定めています。

  • 6,000万円以下の部分:年14%(所得税:10% 住民税:4%)
  • 6,000万円を超える部分:年20%(所得税15% 住民税:5%)

例えば、所有期間10年超の物件の売却益が7,000万円の場合、税金は以下のように計算されます。

6,000万円×14%+1,000万円×20%= 8,400,000‬+2, 000,000=1040万円

最大3,000万円の特例控除を活用する

任意売却物件は、その多くが居住用として利用していた物件だと思います。

この場合は、最大3,000万円のマイホーム特例が利用できる可能性があります。

ただ、この控除を活用する際は、以下の条件を満たしている必要があります。

  • 長年住んでいた家を売るか、住まなくなってから3年悔過するまでに引き渡すこと※
  • 親子・親族間の取引ではないこと
  • 引き渡し前の2年間で同じ特例を受けていないこと
  • 他の特例を受けていないこと

この条件をキチンと満たしているかどうか、しっかりチェックしていきましょう。

税金を滞納している状態でも任意売却は可能?

話は変わりますが、任意売却をしたらケースによって税金が発生します。

それとは別に、既に他の税金を課されており、そちらを支払えない、滞納している状況の可能性もあるでしょう。

任意売却は、こうした方が課税を逃れる最終手段としても注目されています。

家を売ってまとまったお金を返済に充てることで、現在の状況が改善される可能性は十分あります。

ただ、状況によっては任意売却が認められないケースもあります。

例えば、滞納額が高額すぎるケースです。

家を売っても全く完済に届かない場合、家を失い、かつ借金が雪だるま式にかさんでいくという状況は逆にリスクが高いです。

また、役所からの連絡を無視し続けている場合にも、任意売却の許可は取れない可能性があります。

役所や裁判所は任意売却の決済権を持っているので、丁寧に対応しましょう。

任意売却で税金がかからない3つのケース

もし譲渡所得税が発生してしまったとしても、条件を満たしていれば税金の支払いが不要になる可能性もあります。

ここからは、任意売却で税金がかからなくなる3つのケースを紹介します。

税金の支払いが著しく困難

任意売却後に残った負債が超高額で、これに加えて税金を課しても確実に納税できる見込みがない場合は、売却益が出たとしても課税を見送られる可能性があります。

競売を避けるために任意売却をした場合

前述の通り、すでに高額すぎる負債を負っているのに、任意売却をして家を手放すことは役所も良く見ません。

しかし、中には競売をどうしても避けたいということで、泣く泣く任意売却という手段を取った場合もあります。

このように、競売などの“強制換価手続き”を避けるために任意売却の選択肢しかなく、それが理由で任意売却を許可された場合は税金がかかりません。

任意売却で得た利益を全てローン返済にあてた場合

任意売却で得た利益に税金がかかるのは、高額な臨時収入を得ることを制限するためです。

しかし、任意売却をする方の多くは、住宅ローン返済に加えて、譲渡所得税が発生した際に納付するためのお金の捻出を目的としています。

もし、任意売却で得た利益が全てこうした負債の返済に充てられるのであれば、税金は発生しません。

任意売却の税金が発生しない・安く済むケースは意外に多い

ここまで紹介した通り、任意売却では必ず税金が発生する訳ではなく、税金が発生しても軽減税率や特例控除を使えたり、免除になったりするケースは意外と多いです。

ただ、自分が上記の控除条件に当てはまっていたとしても、自動で控除がおこなわれる訳ではありません。

自分でどんな時に税金がかからないのか、安くなるのかを知り、積極的に不動産業者などに働きかけていくことが求められます。

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