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土地売却で発生する税金はいくら?税金の計算方法や節税方法について解説

【更新日】2023-11-24
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土地売却税金
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土地を売却する際には、所得税などの税金がかかってしまいます。

もともと土地を売りに出す動機としては、所有していることによる税負担を減らしたいという理由が多いです。

それなのに、売却時も税金がかかってしまうと元も子もありません。

この記事では、土地の売却にかかる各種税金の説明と、その負担を軽減する方法を紹介していきます。

現在土地売却を検討している方は、参考にして賢い節税を行ってください。

※土地査定・売却の詳しい内容は、こちらで解説しています!

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土地売却にかかる税金は大きく分けて5種類!

所有する土地を売却すると、売主は以下の税金を所定の期日までに納税しなければなりません。

土地売却で発生する税金 納税時期
印紙税 売買契約締結時
登録免許税 土地を買主に引き渡すとき
譲渡所得税(所得税・復興特別所得税) 確定申告提出後(2月半ばから3月半ば)
住民税 土地売却を行った翌年6月以降
消費税 仲介手数料、司法書士報酬、銀行手数料などを支払い時に発生

土地売却を行って発生するこれら税金は、納税額はもちろんのこと、納税する時期も異なります。

特に所得税・復興特別所得税、住民税は、土地売却を終えてから納税を行うので、納税のし忘れに気を付けなければなりません。

ここからは、土地売却を行って発生する税金の特徴や税率について解説して行きます。

印紙税

印紙税は、書類や契約書にかかる税金で、土地の売買契約書を作成した際に支払う必要があります。

土地売買の際の印紙税は、契約書の金額や内容に応じて変動します。

契約金額 税額 軽減税率適用時の税額
1万円未満 非課税 非課税
1万円超・10万円以下 200円 200円
10万円超・50万円以下 400円 200円
50万円超・100万円以下 1000円 500円
100万円超・500万円以下 2000円 1000円
500万円超・1,000万円以下 10,000円 5,000円
1,000万円超・5,000万円以下 20,000円 10,000円
5,000万円超・1億円以下 60,000円 30,000円
1億円超・5億円以下 100,000円 60,000円
5億円超・10億円以下 200,000円 160,000円

参照:国税庁|印紙税額の一覧表より

税額は、契約書に記載された取引価格や内容をもとに計算され、税務署で定められた税率や税額表に基づいて決定されます。

土地売却で印紙税を納める際は、土地購入を希望される買主との契約が成立したタイミングで支払いを済ませます。

また、売買契約書上に貼付した印紙は、印鑑を押して消印しなければなりません。

なお、該当する金額の印紙(小切手)を、正式なもの(買主が保管)と保存用(売主が保管)の2枚に貼り付けるので、費用は上の表の2倍となります。

保存用をコピーすれば印紙税が半額に

売買契約書は買主(土地の権利者)が持つ分には重要ですが、売主にとっては以前の所有地なのでそこまで重要ではありません。

そのため、提出分に印紙を貼り、保存用をコピーで済ませることもできます。

こうすることで、納付額を半分におさえることが可能です。

ただ、契約後にトラブルに見舞われた際は、両者の契約書を照らし合わせて正しい契約内容を見直します。

この際、売主側がコピーだと証明力が落ちるので注意しましょう。

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登録免許税

登録免許税は、土地の所有者が変わるときや、土地についている抵当権を抹消するときなど、不動産の利権関係を明らかにする登記を行うときに課税される税金です。

登録免許税が発生するものは多々ありますが、土地売却を行う上で当税金が売主に直接関係してくるものは、土地についている抵当権の抹消登記を行う時です。

原則として、土地売却を含め、不動産売却を行うには、抵当権の抹消が必須となっています。

抵当権の抹消は、住宅ローンの完済を持って行えます。

また抵当権を抹消時にかかる登録免許税は、不動産1件につき1,000円の費用が掛かります。

土地のみであれば、登録免許税は1,000円になります。

なお、登記書類の作成は複雑で、多くの場合が司法書士に依頼して抵当権の抹消登記を行います。

書類作成を依頼した場合、司法書士への依頼報酬と消費税の2点が別途発生します。

なので、登録免許税は、司法書士に依頼報酬に税金を含めた状態で支払いを済ませ、その後、依頼を受けた司法書士の方が登録免許税を納付してくれます。

また、土地売却を行ったことで土地所有の権利が移転したことを示す登記手続きは、土地を購入した買主が行うので、売主が移転登記を行う必要はありません。

譲渡所得税

譲渡所得税は、土地の売却によって得られた利益、すなわち譲渡所得に対して課される税金です。

譲渡所得税には、所得税と住民税、そして復興特別所得税の3つの税金が含まれています。

譲渡所得税の税率は、土地購入から売却するまでの所有期間で割り当てられる税率が変わります。

税区分 不動産の所有期間 所得税※ 住民税
短期譲渡所得 5年未満 30.63% 9%
長期譲渡所得 5年以上 15.315% 5%

※所得税に復興特別所得税2.1%を上乗せ

特に土地の所有期間が5年未満で売却を行って高利益を生み出せば、多額の税金を納める羽目になります。

また土地の所有期間が10年以上の場合は、以下の税率で譲渡所得税を計算します。

税区分 不動産の所有期間 課税譲渡所得 所得税※ 住民税
長期譲渡所得 10年以上 6,000万円以下 10.21% 4%
6,000万円以上 15.315% 5%

※所得税に復興特別所得税2.1%を上乗せ

なお、所有期間は土地の取得日から引き渡し年の1月1日までとなるので、2014年12月1日に取得した土地を2019年12月31日に引き渡した場合は5年+30日ではなく4年1ヶ月となり、減税できないので注意しましょう。

不動産売却は短期譲渡のほうがお得?長期譲渡税との税率の違いを解説

また、譲渡所得税が発生した場合、引き渡し年の良く2月16日から3月15日までに確定申告をする必要があります。

確定申告はほとんどの社会人が未経験ゆえ、記入方法を知らないという方が多いです。

確定申告の記入方法については、こちらの記事にて、記入方法を詳しくわかりやすく解説しています。

不動産売却の確定申告は必要?申告の流れ・必要書類の書き方を完全ガイド【決定版】

住民税は確定申告提出後の翌6月から支払う

前述した譲渡所得税には、住民税も含まれています。

住民税の納税については、確定申告を提出した年の6月以降に税金を納めていく流れになります。

住民税の納税通知については、納付が開始する1ヶ月前の5月ごろに最寄りの自治体から住民税納付書が自宅に送付されます。

通知書は、確定申告を提出して、納税額が確定した段階で送付されるので、具体的な送付日時は人によって変わります。

また住民税の納付は、4期に分けて行われますが、住民税の納付第1期に当たる6月に一括で納めてしまっても問題ありません。

消費税

一般的に土地売却を行っても消費税はかかりません。

しかし、仲介売却や抵当権の抹消依頼に対する報酬、住宅ローンの繰り上げ返済など、土地売買に関係するサービスを利用すれば消費税が発生します。

ここで発生する消費税は、現行のものが適用され、2023年現在は先の物に対して10%の消費税が掛けられます。

中でも注意すべきは、仲介手数料です。

仲介手数料とは、土地を仲介売却で売却したときに発生する成功報酬です。

その仲介手数料は、売却価格に応じて上限が設けられています。

売却価格(税抜) 仲介手数料の上限
200万円以下 取引物件価格(税抜)×5%+消費税
200万円超~400万円以下 取引物件価格(税抜)×4%+2万円+消費税
400万円超 取引物件価格(税抜)×3%+6万円+消費税

仲介手数料は、不動産会社によって異なりますが、多くの会社が上記リスト中の上限額を手数料として徴収しています。

消費税は、土地売買に直接関係はしてきませんが、売買に関係するサービスを利用すれば必ずかかります。

土地売却後に残る手取り金を計算するときは、消費税分も含めて算出しましょう。

山林を売却する際には山林所得税が別途かかる

土地売却でかかる税金は基本的にその種類に関わらず同じですが、山地・山林を売る場合は別途山林所得税という税金がかかります。

山林所得税は、以下の計算式で求められます。

{(山林所得金額)×0.2×税率}×5

山林所得金額とは、売却価格から諸費用(管理費・伐採費など)を差し引いた額です。

山林所得税の税率は、この山林所得金額を5で割って計算(5分5乗方式)します。

山林所得金額÷5 税率
195万円以下 5%
195万円超330万円以下 10%
330万円超695万円以下 20%
695万円超900万円以下 23%
900万円超1,800万円以下 33%
1,800万円超4,000万円以下 40%
4,000万円超 45%

森林所得税は特別控除で節税できる

森林所得税には特別控除が使えるので、上記の計算額がそのまま課されるわけではありません。

控除額は、山林所得金額に応じて決まっています。

山林所得金額÷5 控除額
195万円以下 0円
195万円超330万円以下 97,500円
330万円超695万円以下 427,500円
695万円超900万円以下 636,000円
900万円超1,800万円以下 1,536,000円
1,800万円超4,000万円以下 2,796,000円
4,000万円超 4,796,000円

では、山林所得金額が5,000万円で売れたケースを例にシミュレーションしてみましょう。

この場合、税率は5,000万÷5で1,000万=税率33%、控除額は1,536,000円となります。

{(5,000万-1,536,000)×0.2×33%}×5=15,993,120円

上記が、山林所得税の課税額です。

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墓地には税金がかからない!その理由は?

土地の中でも特殊なのが墓地、つまりお墓として利用されている土地です。

墓地を売却する場合、売主に対して税金がかかりません。

なぜなら、墓地は固定資産ではなく、祭祀資産という特殊な位置づけになるため、固定資産税や相続税などがかかることはありません。

ただ、墓地は寺院・霊園と永代利用するという契約を結んでいるので、勝手に売却をすることはできません。

寺院・霊園と話しあい所有権を購入した上で、墓じまい(更地化)をして普通の土地扱いに変更すれば自由に売ることができます。

ただ、墓じまいをすれば祭祀資産から固定資産扱いになるので、普通の土地と同じく税金が課されるようになります。

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土地売却における譲渡所得税の計算方法

所有する土地を売却して利益を得れば、譲渡所得税を翌年の確定申告の時に納税します。

その時に納税する譲渡所得税は、譲渡所得から控除を差し引いた金額に適用された税率を掛け合わせることで算出できます。

譲渡所得税の求め方

譲渡所得税={譲渡所得-控除額}×税率

ここからは、譲渡所得税を求め方について解説します。

譲渡所得の計算式

譲渡所得税を算出するためには、譲渡所得を算出しなければなりません。

譲渡所得は、売却代金から、土地売却にかかった譲渡費用と土地購入にかかった取得費を引いて算出します。

これを式に起こすと、以下のようになります。

譲渡所得の計算式

譲渡所得=売却代金-{譲渡費用+取得費用}

また譲渡所得を求めるために計上する譲渡費用と取得費用の内訳は、以下のようになります。

後述するものを計上すれば、譲渡所得税の税額を減額できる可能性があります。

費用 譲渡費用(売却にかかった費用) 取得費用(購入にかかった費用)
対象物 仲介手数料
印紙税
立ち退き料
取壊し費用
建物の損失額
違約金
名義書換料等
土地や建物を購入時に納めた登録免許税(贈与、相続または遺贈による取得も対象)
不動産取得税
特別土地保有税(取得分)
印紙税
立退料
造成費用
測量費
訴訟費用建物の購入代金
取壊しの費用

参照:国税庁|譲渡費用となるものより

参照:国税庁|取得費となるものより

また相続した土地の取得費用に関する書類が見当たらない場合は、概算取得費として5.0%を売却代金にかけて計算します。

概算取得費を用いた譲渡所得の計算方法

譲渡所得=売却代金×概算取得費(5.0%)

譲渡所得税の税率は土地所有期間によって決定する

土地の譲渡所得を、先の計算式を用いて算出したら、譲渡所得に税率をかけて税額を算出します。

この時に使用する税率は、売却する土地の所有期間によって税率が決定します。

例えば、土地の所有期間が5年以下であれば短期譲渡所得税、5年以上であれば、長期譲渡所得に分類されます。

税区分 不動産の所有期間 所得税※ 住民税
短期譲渡所得 5年未満 30.63% 9%
長期譲渡所得 5年以上 15.315% 5%

※所得税に復興特別所得税2.1%を上乗せ

ここで注意しておきたいが税率が決定する所有期間の計算方法です。

所有期間の長さは、土地を取得した日から売却した年の1月1日までの年数を基に計算します。

例えば、取得日が2018年で2022年12月31日以前に土地を売却してしまうと所有期間が4年間とみなされ、短期譲渡所得税で計算されます。

しかし、2023年1月1日以降に土地を売却すれば、所有期間が5年間とみなされ、長期譲渡所得税で税額が計算されます。

なお、相続した土地の所有期間は、被相続人から引き継ぐことができます。

そのため、被相続人から相続した土地の所有期間が5年以上であれば、長期譲渡所得として計算されます。

譲渡所得税は控除を利用することで非課税・減税にできる

譲渡所得税は、譲渡所得に短期譲渡所得税・長期譲渡所得税のいずれかの税率を掛け合わせることで算出できます。

しかし、売主が所定の条件を満たしている場合は、税制優遇措置として設けられている特別控除の利用ができます。

例えば、譲渡所得が控除額を下回れば、算出される譲渡所得税の税額がゼロ、あるいはマイナス値になるので非課税に、一方、譲渡所得が控除額を上回る場合は納税額の負担軽減が図れます。

なお、特別控除を利用するには、確定申告の提出と控除ごとに設けられている条件を満たす必要があります。

土地売却を行ったときに利用できる控除については、「土地売却で使える5つの特例・控除を解説!最大5,000万円の節税が可能」にて解説しています。

土地を1,000万円で売ったら税金はいくらかかる?シミュレーション結果を紹介

土地を売った際にかかる税金はいくらくらいなのでしょうか?

実際に、住宅地を1,000万円で売った場合の課税額をシミュレーションしてみましょう!

なお、土地の引き渡しは2018年8月に行われたものとします。

【売った土地の概要】

  • 土地のタイプ:住宅地
  • 引き渡し時期:2018年8月
  • 売却価格:1,000万円
  • 取得費:2,000万円
  • 売主のスペック:会社員(個人)
  • 年収:400万円

こちらの土地を売った際にかかる税金は、以下の通りです。

  • 印紙税:10,000円
  • 復興特別所得税:1,789円
  • 免許登録税:15万円
  • 譲渡所得税:0円
  • 合計:16万1,789円

これに加えて、仲介売却の場合は業者へ仲介手数料を支払います。

1,000万円×3%+6万円=36万円

土地売却でかかる税金と仲介手数料を合計すると、52万1,789円となります。

更に、土地の測量費用や司法書士への報酬など、さまざまな費用がかかるので、この場合の費用を総額すると60万円弱といったところでしょうか。

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ここからは、土地売却にかかる税金をより詳しく紹介していきます。

土地売却で使える5つの特例・控除を解説!最大5,000万円の節税が可能

土地の売却では、以下5つの特例・控除を利用できます。

特例・控除 利用できるケース
長期譲渡所得の1000万円特別控除 2011年・2012年に取得した土地を売却する場合
5,000万円の特別控除の特例 公共事業のために土地を売却する場合
2,000万円の特別控除の特例 特定土地区画整理事業のために土地を売却する場合
1,500万円の特別控除の特例 特定住宅地造成事業のために土地を売却する場合
800万円の特別控除の特例 農地保有の合理化のために土地を売却する場合

ここからは、それぞれの控除・特例の内容をくわしく見ていきます。

長期譲渡所得の1000万円特別控除

2011年1月1日から2012年12月31日までに取得した土地を売却・譲渡した場合、譲渡所得を1000万円控除できます。

ただ、この特例は親族から相続した土地を売却する場合などには適用できないので注意しましょう。

5,000万円の特別控除の特例

※収用など、公共事業が理由で土地を売却した場合、譲渡所得を5,000万円控除できます。

※収用:国家が公共利用のために買い取って利用すること。

この特例は収用された土地すべてに使えるのではなく、さらに細かい条件が設定されています。

  • 売却した日が国の公示を受けてから6ヶ月以内
  • 売却した人が最初に買い取りの申し出を受けている(6ヶ月以内に相続した場合を除く)
  • 固定資産としての土地を売却した場合

また、土地の収用を受けたときは複数の特例を利用できますが、以下の特例を受けた場合、5,000万円控除は利用できません。

  • 収用等の場合の代替資産の特例
  • 収用等の場合の交換処分の特例
  • 優良住宅地の形成のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例

2,000万円の特別控除の特例

土地の区画整理事業、住宅街区整理事業、第一種市街地再開発事業などの整理・開発で土地を売却した場合、譲渡所得から2,000万円を控除できます。

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ただ、この特例を利用するためには、施行された区画面積が30ha以上でないといけません。

また、以下の特例をすでに受けている場合は、この特例を合わせて受けることはできません。

  • 居住用財産・事業用資産の買い替えや交換の特例
  • 大規模な住宅地等造成事業の施行区域内にある土地等の造成のための交換等の場合の譲渡所得の課税の特例
  • 認定事業用地適正化計画の事業用地の区域内にある土地等の交換等の場合の譲渡所得の課税の特例
  • 土地の長期譲渡所得の1000万円特例控除

1,500万円の特別控除の特例

住宅地の造成事業などで土地を売却した場合、以下の条件のうち1つに当てはまれば譲渡所得税を1,500万円控除できます。

  • 地方公共団体などがおこなう住宅の建設や宅地の増税のために売却した
  • 収用などの事業をおこなう者に収用の対償地にあてるために売却した
  • 民間の宅地増税事業・住宅建設事業のために売却した
  • 公有地拡大のため、法律に則って買い取られた

この特例は控除額が1,500万円と低く、他に不動産を一緒に売却した場合も総額の譲渡所得税から上限1,500万円しか控除できません。

他にも使える特例控除があるなら、控除額を見比べてより良いほうを選ぶようにしましょう。

800万円の特別控除の特例

農用区域内の農地を法律に則って認定農業者などに譲渡した場合は譲渡所得から800万円を控除できます。

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また、近年2022年問題の懸念があることもあり、近々控除額が1,200万円に繰り上がる可能性が高いです。

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相続した土地を売却する際の特例

相続した土地を売却する際には、次の特例を利用できます。

  • 取得費加算の特例
  • 相続空き家3000万円特別控除

それぞれの特例は併用ができないので注意しましょう。

以下にそれぞれの特例を紹介します。

相続税の取得費加算の特例

取得費加算の特例は、譲渡所得を計算する際の取得費で、土地にかかった相続性の一部を加算できる特例です。

相続税納税者が相続をしてから3年10か月以内に土地を売却する際に利用できます。

適用要件としては、次の要件があります。

  • 相続や遺贈によって財産を取得した者であること
  • 財産を取得した者に相続税が課されていること
  • 相続開始から3年10か月以内に土地を売却すること

相続税額の一部を譲渡所得から差し引けるため、譲渡所得税を減額できます。

相続した空き家を売却する際の3000万円特別控除

被相続人が一人で住んでいた土地を相続してから3年以内に売却する際に、最大3000万円の控除が受けられます。

相続から売却までに居住や貸付用に土地が使われていないことが条件の一つです。

被相続人から相続した家屋を取り壊した土地の売却であることや、売却価格が1億円以下であることなどが提供要件として挙げられます。

譲渡所得から控除額3000万円を差し引けるので、物件によっては非課税にすることも可能です。

法人が土地売却を行ったときにかかる税金

土地売却を行う方が個人だけじゃなく、法人や個人事業主の方が土地売却を行うケースもあります。

例えば、法人が土地売却を行えば、以下のような税金が課されます。

法人が土地売却を行ったときに発生する税金 税金の概要
法人所得税 土地売却により生じる利益(売却価格と取得価格や関連費用の差)は、法人の所得として計上されます。
これに対して法人所得税が課税されます。
税率は法人の規模や年間の収益に応じて変動する場合があります。
住民税(法人事業税) 土地の売却益に対しても、地方公共団体が課税する法人事業税が発生します。
税率や計算方法は自治体によって異なる場合があり、所在地に応じて適切に計算する必要があります。
不動産取得税 この税金は土地の購入時に主にかかるものですが、特定の条件下では売却時にも関連が出てくることがあります。
例えば、土地の用途変更などが行われた場合には再評価がなされ、差額に対して税金が発生することが考えられます。
固定資産税 売却年度内での保有期間に応じて、固定資産税が課税されます。土地の所在地、面積、用途などに基づいて評価され、毎年一定の税率で税金が計算されます。

法人が土地売却を行ったときに発生する税金の中で、最も注意すべきは、会社利益に当たる法人所得です。

日本の企業も安定収入を得るためにメイン事業と別途で不動産事業をおこなう会社は多いですが、土地売却に失敗して営業が傾くようなリスクがあれば法人による売却を不動産会社が仲介することはほぼありません。

もし土地売却が失敗したら所有者(法人の場合は代表取締役)に責任が被ることはありますが、社員に対して課税されるようなことはありません。

こうした優遇・特例措置があるので、個人よりもむしろ法人のほうが税金はお得になることが多いです。

法人が建物を売る場合は消費税がかかる

土地売却でかかる税金は上記の通りですが、これが戸建てやマンションなどの建物になると、法人が売る場合は消費税がかかります。

ただ、消費税は法人に必ず課されるわけではなく、2期前の事業年度に課税売上高が1000万円を超過した時にのみ課税されます。

法人が不動産売却をした際にかかる税金は、こちらにまとめています。参考にしてください!

法人の不動産売却でかかる税金は個人とどこが違う?課税・納税の仕組みとポイント

古家付きの土地は税負担が重い!更地化のタイミングに注意

土地を所有していると、自動的に税負担がかかってしまいます。

この中に固定資産税、都市計画税があります。

固定資産税とは、土地だけでなく物件などの資産に関する税、都市計画税は道路計画などの公共事業に利用される税です。

この固定資産税は、土地に物件が立っていることで6分の1ほど軽減されています。

また、都市計画税は3分の1軽減されます。

それ故、築年数が経過し、物件価値のなくなった古家をむやみに更地にすると、税負担が増えるので非常に危険です。

取り壊しは話し合い計画的に

古家付きの土地を売りに出す際は、一般的に物件取り壊しを前提として購入されます。

現在は建築技術が向上したこともあり、リフォームをしっかりすれば築年数が経った家でも需要があります。

しかし、新居を建てる人にとっては、更地にしてくれた方がありがたいでしょう。

土地を売るなら整地にするのがおすすめ!更地との違いは?費用はいくらかかる?

買い手にとっては、早目に更地にしてくれた方がよいですが、早期に更地にしてしまうと、近いうちに売買契約が決まらない限り、税が倍増してしまいます。

また、取り壊し費用は購入者と半分ずつ負担することが可能ですが、その場合は相手の日程に合わせて取り壊さなくてはならないです。

土地売却を成功させるには相手を優先させる必要がある程度ありますが、タイミングに気を付けないと大きな損に繋がってしまいます。

1月1日を目安に資金を貯めていく

こうした税は、1月1日に課税が行われます。

更地にする人は、この時期を念頭に置いて、トータルの出費を計算する必要があります。

特に、土地を売った収入で新居を購入しようとしている人などは、こうした出費を忘れてしまい、結局、損をしてしまうことがあります。

土地の引き渡しをいつ行うかは、相手の都合もあるので確定はできませんが、来年の1月1日にトータルでプラスになるような資金計画の計算を行いましょう。

古家をそのままにするメリットもある!不動産会社と相談して決断しよう

ただ、土地を家付きで売ることは別のメリットもあります。

それは、建物が立っていることで新築時の様子がイメージしやすいということです。

更地に訪れ、新築を建てたときの様子を頭に浮かべながら日当たりや風通しの良さ、道路との距離を判断するのは至難の業です。

反面、いくらぼろぼろの築古物件でも、建物が実際にあれば判断がしやすくなります。

このように、家付き土地の売却はそのまま売るにしても更地化して売るにしても一長一短なので、良く不動産会社と話し合いましょう。

古家付き土地は売却できる?解体・更地化の判断基準と損せず売るコツ

高額売却が一番の節税対策!一括査定サイトを活用しよう!

ここまで、土地売却にかかる税金と、その節税方法について見てきましたが、税の数の多さに比べ、節税策があまり多くないということが分かったのではないでしょうか。

減税に力を入れることは非常に大切ですが、その前に土地が高額で売却できなければ、意味がありません。

不動産は査定額1,000万円の土地でも工夫次第で3割増しで売ることができます。300万円の余裕ができるわけですから、それで簡単に税金を支払い、余剰金を目的や貯金に使うことができます。

まずは、高値で売る事を意識し、時間や労力に余裕があるのなら税金対策を行っていくという方法をとるのが良いかもしれません。

不動産を高く売る方法とは?高額売却のために必ずやっておきたいポイントと注意点

高額売却を目指すなら業者選びを慎重に!

土地を高く売るなら、業者選びが重要です。

担当者の働き具合によって価格はかなり変わるので、複数業者を見比べて判断しましょう。

こちらに売却におすすめの不動産会社をまとめているので、ぜひ参考にしてください!

【2023年】大手不動産会社ランキング!売上高・売却仲介件数・評判を比較!信頼できるのはどこ?

一括査定サイトを使って土地の査定額を比較

土地を高額売却したほぼ全ての人が利用しているのが、一括査定サイトです。

所要時間60秒ほどの簡単な記入情報を送信すれば、平均最大6社に査定依頼ができます。

査定額を比較すれば、どこと契約すれば高値で売れるかが簡単にわかりますし、地域を記入すれば査定に対応する業者が一覧表示されるので、対応業者を1社ずつ探して連絡する手間が一気に省けます。

こちらにおすすめの査定サイトや活用のコツがまとめてあるので、ぜひご覧ください!

不動産一括査定サイトおすすめ比較ランキング!不動産売却におすすめの人気15社を厳選紹介【2023年最新】
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