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自己破産をしても任意売却は可能?先にすべきなのはどっち?

【更新日】2023-12-08
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任意売却と自己破産
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マイホームを購入する際には、必ずと言ってよいほど住宅ローンを組むことになります。

住宅ローンは何十年もかけて返済していくものなので、利用する際にはしっかりとシミュレーションをして必ず返済できる金額を知ったうえで借りることになります。

しかし中にはさまざまな理由で収入が滞って返済ができなくなる人も出てくるでしょう。

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任意売却をしても完済できず自己破産するケースは多い

マイホームの住宅ローンを支払えなくなった際には、最終手段としてローンが残った状態で自分の家を売却することになり、これを任意売却とよんでいます。

任意売却では、マイホームの現在の価値を査定したうえで売却額が設定され、その金額をもとに売りに出されることになるわけですが、任意売却をして残ったローンが完済できるかどうかは売却をする時期に大きく左右されます。

不動産の価値というのは年月が経過するごとに低下していきます。

ローン残高があまり残っていない状態であれば完済できる可能性は高いですが、そうでなければ任意売却をしてもローンを完済できず、結局自己破産を選択せざるを得ないケースは多いです。

自己破産・免責が認められると税金以外の負債が帳消しになる

借金がこのままでは返済できないという状態に陥った時に、借金を軽減するための手段となるのが債務整理です。

自己破産は債務整理の中の1つの方法となっています。

債務整理には自己破産のほかに任意整理、特定調停、個人再生の4種類がありますが、自己破産はその中でも正に最終手段と言ってもよい方法です。

自己破産にはほかの3つの債務整理にはないメリットがあります。

それは自己破産が認められれば税金以外の負債、つまり借金が取り消しになるという点です。

ほかの債務整理はどちらかといえば返済額を少なくしたり、返済の負担を軽くするための手段ですが、自己破産だけは借金そのものをなくすための手段となっています。

自己破産後は5~7年クレジットカードの使用等ができなくなる

以上のように、自己破産はほかの債務整理にはない強力な力を持っていますが、その代償として金融機関が共有している情報である信用情報には大きなキズが付くことになります。

借金を返済できなかった人というレッテルが張られることになり、自己破産を実行して以降5年から7年の間はあらゆるローンを組むことができませんし、クレジットカードを使用することもできません。

近年では、自己破産をしてもデビットカードは使用できるようにはなっていますが、それでも信用情報に大きなキズが付くことは免れないでしょう。

自己破産は借金が無くなるからと安易に実行せず、デメリットもよく考えて実行するかどうかを決めなければいけません。

任意売却後に自己破産をしないとどうなる?

では、任意売却を実行した後に自己破産をしないとどうなるのでしょうか。

任意売却をしてもローン残高を全額返済できなかった場合は、当然残ったローンを返済していかなければいけません。

任意売却によってある程度まとまったお金ができるため、ローン残高は任意売却をする前よりもずっと少なくはなっていますが、それでもローンを支払いづらい状況である事には変わりないので、返済に苦しむことになるでしょう。

さらにマイホームを売却したという事は新しく住む場所を確保しなければいけません。

実家に戻れるならば良いですが、賃貸を借りるのであれば家賃を支払う必要が出てきます。

残ったローンをサービサーへ分割返済していく

任意売却をしてもローンが残ってしまった際に実行できる手段の1つが、サービサーに残った債務を買い取ってもらって分割返済していくという方法です。

サービサーとは、法務省に認可された債権管理回収会社の事です。

これまでは弁護士のみに認可されていた債務処理後に残った住宅ローンの取り扱いでしたが、バブル崩壊によって大量の不良債権を処理しなければいけなくなり、弁護士だけでは処理しきれなくなった不良債権を代行して処理してもらうことを目的としてサービサーは生まれました。

そしてバブル崩壊後の処置が終わってからも継続して借金の回収業務をおこなっています。

自己破産をせずに任意売却のみでローンを完済できる?

自己破産をすることのデメリットとして、少なくとも5年間はローンの借り入れやクレジットカードの作成ができないことを解説しましたが、そのほかに忘れてはいけないデメリットとして「所有する20万円以上の価値がある財産をすべて清算しなければいけない」というのがあります。

生活必需品は免除されますが、生命保険や学資保険といった各種積み立ての保険だけではなく、自動車もその対象となります。

これを嫌って自己破産をせずに任意売却のみでローンを完済したいと考えている人も居るでしょう。

自己破産せずに残ったローンを任意売却だけで完済できるのでしょうか。

交渉次第で完済は可能だが簡単ではない

任意売却のみで完済できるかどうかは任意売却によってどれくらいの値段で自宅が売却できるかが大きなポイントになるでしょう。

自宅を購入しようとしている人と交渉し、できるだけ高い値段で売却することができれば、その分ローン残高は少なくなって完済の可能性が高まります。

しかし不動産を購入しようとしている人はできるだけ安い価格で購入しようと考えています。

そのため売却価格を今よりも上げたいという交渉をしてもまず応じてくれません。

さらに周りの同条件の物件よりもあまりに高すぎる価格だと、売却自体ができないでしょう。

もう1つ、毎月の返済額を下げてもらうことによって完済する方法もありますが、すでに任意売却をしなければいけないほどに追い詰められている状態だと金融機関からの信頼は大きく損ねています。

したがって返済額を減らしてもらうように交渉することもとても難しいでしょう。

月の返済を増やして自己破産を免れたケースも

任意売却をすることによって、ローン残高はある程度少なくなります。

そこから毎月の返済額を減らしてもらうように交渉することは難しいですが、逆にローンの返済額を増やし、返済期間を短くするという交渉であれば、金融機関も応じてくれる可能性が高まります。

お金を貸し出している金融機関側が応じてくれさえすれば、自己破産をしてローン残高を清算する必要はありません。

もともと返済に苦しんでいたローンの返済額を増やして返済していくのは大変ですが、実際にこの方法で自己破産をせずにローンを完済できたケースもあるので、選択肢の1つに加えても良いのではないでしょうか。

自己破産のタイミングは任意売却の後

このように、任意売却をするまで追い詰められた状況の時には、自己破産の事も考えておかなければいけませんが、問題は自己破産を申請するタイミングです。

自己破産をするタイミングは、任意売却をする前とした後どちらが良いのかというと、基本的には任意売却をした後で自己破産を申請したほうがメリットが大きいです。

まず、任意売却をしてマイホームを売却できればローン残高が少なくなります。

自己破産は弁護士の協力を得なければできませんが、ローン残高が少ないほうが弁護士に支払う費用を少なくすることができますし、手続き自体もスムーズに進みます。

先に自己破産をすると全ての財産を換価し債権者へ配分される

自己破産をすると、価値20万円以上の財産をすべて清算することになるのは説明しましたが、任意売却の前に自己破産をしてしまうと家だけではなく貴金属や車、そして保険といったあらゆる財産をすべて失い、債権者に渡すことになります。

つまり借金が全て無くなる代わりに家だけではなくすべての財産を失うことになるわけです。

任意売却を先に実行しておけば家は失いますが、車などほかの財産を失う事は免れます。

もしいくつかの財産を売却することで残ったローンを返済できればそれに越したことはありませんし、可能であれば他の財産には手を付けずに返済するという手段も取れるなど、選択肢が広がります。

自己破産をした後の固定資産税の支払いなどはどうなる?

自己破産をすることによって、借金を基本的には帳消しにできます。

任意売却をして自己破産するまでに追い詰められた人の中には、マイホームを所有している人であれば毎年支払わなければいけない税金である、固定資産税を支払うことができずに何年も滞納してしまっているという人も居るのではないでしょうか。

自己破産をすることによって固定資産税など各種税金の支払いはどうなるのでしょうか。

固定資産税の納付義務(公債権)は自己破産後も消えない

自己破産によって免除されるのは、あくまでも住宅ローンなどといった金融機関などへの借金に限られます。

税金などの租税債権に関しては、自己破産をしてもなくなることがない点には注意が必要です。

当然固定資産税も税金になりますから、自己破産をしても滞納している固定資産税が無くなるようなことはありません。

任意売却をしてマイホームを売却することで固定資産税はそれ以上増えませんが、残っている固定資産税は自己破産後も完済するまで支払っていくことになります。

納付額は払いやすいように調整されることが多い

しかし、固定資産税を支払えなくなるほどひっ迫している状況の人に対しては、市役所や自治体などの国の機関は一定の配慮をしてくれる場合がほとんどです。

まずは滞納によって預金や給料などが差し押さえられ、そこから残っている税金を支払うことになりますが、差し押さえることができるような財産が何もなかったり、差し押さえによってまともに生活できないような状況であれば、交渉次第で納付額を支払いやすいように調整してもらえたり、財産の差し押さえを免れることもあります。

任意売却をすれば保証人に迷惑がかかる?

住宅ローンを組む場合には、自分一人ではローンを組むことができない場合が多く、たいていは親や兄弟、親族といった近しい人に連帯保証人になってもらうことになります。

連帯保証人は、住宅ローンを組んだ人が万が一ローンの返済ができなくなった場合の予防措置として指名されています。

任意売却をするという事は、ローンの返済ができなくなっているという事ですから、連帯保証人に少なからず影響があるのではないかと心配になる人も居るのではないでしょうか。

ローンを滞納した時点で保証人への影響は免れない

任意売却の必要性に迫られる以前に支払わなければいけない住宅ローンを滞納しているという時点で、連帯保証人には何らかの影響がある場合がほとんどです。

金融機関は融資したお金を必ず返済してもらえるだろうと相手を信頼したうえでお金を融資しているわけですから、その相手からローンを返済してもらえないと判断すれば、当然そのほかの手段でローンを支払ってもらおうとするでしょう。

つまり保証人にも何らかの影響が出ることは免れないといえます。

自己破産をすると家族が調査される可能性が高い

自己破産を申請した場合は、家族や親族が何らかの調査を受ける可能性が極めて高いです。

自己破産をすると一定以上の財産をすべて差し押さえられることになります。

夫が自己破産をすることで妻の財産が差し押さえられるようなことはありませんが、夫と妻の共有の財産であった場合は処分の対象となります。

そして親族が連帯保証人となっている場合は、免責された借金の一部を返済するよう要求されることもあります。

トラブルを無くすためにも自己破産をする前には必ず関係者へ話をしておきましょう。

任意売却をすれば必ず自己破産に向かう訳ではない

誰しも長い時間をかけて探したマイホームを手放したくないと考えるものです。

苦しい状況であっても、住宅ローンだけは必ず支払っていけるように様々な対策を考えるでしょう。

それでも支払うことができず、任意売却をしなければいけない状況というのはかなり困窮している状況であることは間違いありません。

絶望感から任意売却をしてしまうと、自己破産の申請もしなければいけないと考えてしまう人も居るでしょう。

しかし必ずしも任意売却をした後は自己破産に向かうわけではありません。

残債をキッチリ支払えれば自己破産は免れられる

自己破産というのは、冷静に考えれば残った借金をどうやっても支払うことができない人のみが選択する最終手段です。

任意売却によってローンの残高は少なくとも任意売却をする前よりも大幅に少なくなっていることでしょう。

自己破産する前に残った債務を何とか返済できないかをよく考えてみてください。

そして返済する手段が見つかって、残った借金をキッチリと支払うことができれば自己破産をする必要はありません。

残債の支払い義務を負いたくないなら債務整理も一つの手

とはいえ、借金の支払いは自分の代で消え去るという訳ではありません。

子供が居るのであれば、自分が残した借金は子供が支払っていかなければいけませんし、子供が居ない場合でも親族などに借金の返済を請求する場合もあるでしょう。

借金が残っている人はどういう状況であれ、「自分の代で借金の返済を終わらせる」という意識を持つことが大切です。

ですから財産を差し押さえられるのが嫌だからと借金を抱え続けるようなことはせずに、時には自己破産をはじめとした債務整理を実行することも選択肢の1つに加えるようにしましょう。

任意売却と自己破産については弁護士に相談しよう!

任意売却や自己破産に関しては法律が絡むため、手続きなどがとても複雑になります。

自分一人で実行するというのはとても困難でしょう。

そもそも自己破産をする際には裁判所での許可が必要なので、裁判所へ申請する手続きなどは自分一人では実行できません。

任意売却や自己破産が必要となった場合は、弁護士へ相談するようにしましょう。

任意売却を弁護士・司法書士に依頼するメリットは?費用・報酬や依頼方法を解説

弁護士費用が払えない方は分納という手段もある

弁護士に依頼する際に大きなネックとなるのが弁護士費用です。

住宅ローンを支払えないほどひっ迫した状況ではとても弁護士費用を支払う余裕がないという人も多いでしょう。

しかし弁護士費用というのは必ずしも一括で支払わなければいけないというものでもありません。

多くの弁護士事務所が分納やほかの支払い方法に対応しています。

弁護士に依頼したいけど支払いが困難だという人は、支払い方法についても相談してみると良いでしょう。

任意売却も自己破産もやらなきゃいけない決まりはない

任意売却や自己破産は必ずしなければいけないという訳ではありません。

ほかに良い方法があるのであれば、それらを実行するのがベストです。

住宅ローンを支払うことが苦しくなったら、任意売却や自己破産をしなければいけないほどに追い詰められる前に、早めに対策をとっておいたほうが良いでしょう。

必要に応じて手続きを進めていこう

任意売却を実行する際には、必要に応じて手続きを進めていくほうが無難です。

まずは自分の物件の価値を知るために匿名で不動産会社へ査定を依頼するようにしましょう。

いくつかの不動産会社へ依頼して結果が届いたら、その中で高い評価をしてくれた業者にのみこちらから電話をすれば良いでしょう。

このような手続きをすることによって不要な業者からの営業電話をシャットアウトすることができます。

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