不動産の資産価値とは?3つの計算方法と戸建て・マンションの違い
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不動産の売却を検討されている方は、資産価値の目安を予め付けておく事が大切です。
資産価値は、築年数、周辺環境、傷みの具合といったさまざまな要因で決まります。一度しっかりとした調査を行ってもらうと良いでしょう。
不動産を売り出す際は、適切な価格を付ける事が大切ですが、不動産の資産価値、売却額と査定価格はそれぞれ違います。
これらの違いをしっかりと理解しておく事が、不動産の売却を成功させる為に必要です。
この記事では、売却価値や査定額の違いを説明した上で、実際にどのような価格設定を行えば良いかを解説していきます。
不動産の資産価値とは?
不動産の資産価値とは、不動産そのものの価値を指します。
つまり、物件の相場価格や新築価格などではなく、物件が今いくらかを指す指標になります。
新築の物件が築年数20年経過した場合の資産価値は劣化によって下がるので、一定ではないことが分かります。
資産価値が下がりやすい物件だと、売却しても大した価格にはならず、損をしてしまいます。
売却価値と収益価値に分かれる
不動産の価値は主に、売却価値と収益価値(家賃収入)の2種類に分かれます。
売却価値と収益価値が高い物件は利益が発生しやすく、将来的にも価値が落ちにくいので魅力的です。
ただ、資産価値には外的要因が考慮されていないので注意が必要です。
例えばリーマンショックや東日本大震災などが起こった際には、日本全体で不動産相場の下落が起こりました。
この場合、資産価値の高い物件も一様に価格は下がっているので、本来の価値より売値は低くなってしまいます。
詳しくは後述しますが、資産価値と市場価格(時価)はこのような要因で、差が生じてしまうのです。
→資産価値が落ちにくい家の特徴とは?住宅選びで失敗しないポイント不動産の資産価値を決める5大要素
不動産の資産価値は、様々な要素を考慮して価値を決定します。
以下は、不動産の資産価値に大きな影響を与える5大要素です。
- 土地の広さや形状・公法上の規制
- 物件の構造や築年数・内装設備
- 建物の耐震性や地勢・地盤の良し悪し
- 立地周辺の良し悪し
- 物件の希少性
土地の広さや形状・公法上の規制
不動産価値を左右する重要な要素の一つが土地の広さや形状です。
適切な間口と奥行きを持つ長方形の整形地は、利用価値が高く評価されます。
また、公法上の規制、特に用途地域や建築基準法による制約が、土地の活用度と価値を大きく左右します。
利用可能な用途が広く、建築の自由度が高い土地ほど価値が上がる傾向にあります。
物件の構造や築年数・内装設備
建物の構造や築年数も資産価値に大きく影響します。
特に築年数は重要で、新しい建物ほど高い価値がありますが、デザイン性や内装の良し悪しも評価の対象となります。
内装設備の現代性や状態も重要で、質の高い内装や最新の設備が備わっている物件は、より高い価値が付けられます。
建物の耐震性や地勢・地盤の良し悪し
耐震性能は特に日本のような地震国では資産価値に直結します。
高い耐震性能を持つ建物は、安全性の面から高く評価されます。
また、地勢や地盤の条件も重要で、自然災害に強い地域や安定した地盤を持つ土地は、高い価値を持ちます。
立地周辺の良し悪し
立地条件も資産価値を大きく左右します。
商業施設、学校、病院などが近く、生活に便利なエリアは高い価値があります。
一方、嫌悪施設が近くにある場合や交通アクセスが悪い場所は価値が下がります。
駅からの距離や都市部へのアクセスも重要な要因です。
物件の希少性
物件の希少性も資産価値に大きく関わります。
市場にめったに出ない物件や、特定の地域の良質な物件は、需要が供給を上回るため価値が高いです。
例えば、都心のヴィンテージマンションやターミナル駅直結のタワーマンション、特定の階層や角部屋など、希少性の高い物件は、価値が下がりにくい傾向にあります。
不動産の資産価値を調べる3つの計算方法
不動産の資産価値が具体的にいくらなのかは、専門家に調べてもらわないと分からないと思っている方が多いです。
ただ、専門家が用いる計算方法が分かれば、素人でも概算価格を知ることは可能です。
ここからは、資産価値を調べるのに最適な3つの方法を紹介していきます。
➀原価法
原価法は、今所有している建物を解体して、そっくりそのまま新築した時にかかる費用を逆算して資産価値を算出する方法です。
原価法の計算は、以下の式でおこないます。
積算価格とは、原価法によって算出される試算価格のことです。
原価法を計算する際は、必ず築年数の経過による価値減少を考慮します。
これは原価修正と呼ばれ、構造ごとに決まった法定耐用年数を用いて計算します。
構造 | 法定耐用年数 |
---|---|
軽量鉄骨プレハブ造(厚さ3mm以下) | 19年 |
木造 | 22年 |
軽量鉄骨プレハブ造(厚さ3mm~4mm) | 27年 |
重量鉄骨造(厚さ4mm以上) | 34年 |
鉄筋コンクリート造 | 47年 |
原価法は比較対象が無くても計算できるので、周囲に取引事例がない場合や注文住宅の資産価値算出で良く用いられます。
②取引事例比較法
取引事例比較法は、周辺エリアで類似物件が取引された過去の事例をもとに資産価値を算出する方法です。
例えば、「同じ間取り・同じ築年数で駅徒歩10分の物件A(事例物件)が3,000万円で売れたので、駅徒歩5分の物件B(査定物件)は3,300万円くらいだろう」という考え方がこの方法の仕組みになります。
この方法を計算式で表すと、以下のようになります。
正確に資産価値を調べるために導入されているのが、流動性比率という要素です。
例えば2年前に成約した物件Aと物件Bがあまりに似ていても、この2年で周辺環境や国の経済が大きく変わってしまった場合、同じ条件で比較をすることはできません。
流動性比率とはそうした状況を鑑みて、85~110%の間で価格を調整する割合を指します。
取引事例比較法は実際の成約価格を用いて計算をするので、日当たりや眺めの良さ、暮らしやすさといった数値化しにくい要素も反映されているのが大きな魅力です。
③収益還元法
収益還元法は収益物件の資産価値の計算に用いられる方法です。
簡単に言えば、その物件を所有することで発生しそうな収益を逆算して資産価値を計算する方法になります。
収益還元法は更に、直接還元法とDCF法の2種類に分かれます。
- 直接還元法:年間家賃収入÷還元利回り×100
- DCF法:(X年後の合計収益)÷(1+年間割引率のX乗)
直接還元法が年間の家賃収入から割り戻すのに対し、DCF法は賃貸経営が見込める限界の年数の合計収益+売却時の査定価格を割り戻す方法です。
資産価値が下がりにくい不動産の特徴【物件種別】
不動産の物件はマンションと一戸建てに大きく分かれます。
物件の形態が異なるだけでなく資産価値の仕組みやバランスもそれぞれ違うので、内容のチェックを事前におこないましょう。
ここでは、資産価値が下がりにくい戸建て住宅とマンション、それぞれの特徴と評価要素について解説します。
資産価値が下がりにくい戸建て住宅の特徴
資産価値が下がりにくい一戸建て住宅は、特定の条件を満たしています。
- 物件があるエリア
- 利便性
- 土地の形状・周辺環境
- 機能性の高さ
第一に、人気のあるエリアに位置していることが重要です。
これは住みたい街ランキングで上位にランクされるような地域であり、充実した行政サービス、良好な交通アクセス、豊富な商業施設が特徴です。
また、駅の近くや生活必需施設にアクセスしやすい良い立地条件も価値を保つ重要な要素です。
土地の形状が整形地であること、つまり正方形や長方形であれば、建物を建てやすく、土地を最大限に活用でき、売却時にも買い手が見つかりやすいです。
さらに、高性能な住宅、例えば省エネ性能や断熱性能に優れている住宅は、災害に強く、光熱費も節約できるため、長期的に見て資産価値を維持しやすいです。
資産価値が下がりにくいマンションの特徴
マンションの場合、資産価値を保つための要因はいくつかあります。
- 物件があるエリア
- 眺望や日当たり
- 区画がある階層
- 利便性
- 物件の管理・メンテナンス状況
第一に、一戸建て同様に、人気のエリアに位置するマンションは需要が高く、資産価値が下がりにくいです。
再開発や地域の将来性も重要な要因です。
立地に関しては、駅から近く生活施設にアクセスしやすい場所にあるマンションは、特に需要が高いです。
高層階の部屋は、日当たりが良く眺望が開けており、防犯性やプライバシーの面でも優れているため、資産価値を保ちやすいです。
最後に、メンテナンスが行き届いているマンションは、長期的に見ても価値が下がりにくいです。
定期的な設備のメンテナンスや共用部分の清掃は、物件の価値を保つために重要な役割を果たします。
不動産の資産価値と査定価格・売却価格の違い
結論から言えば、不動産の資産価値と査定額は価格の付け方が違います。それ故、価格も大きく異なるんです。
はじめて不動産を売る方は、この2つの価格を混同してしまうことが多くあります。
また、あえて価格の違いをごまかして表記し、売り手の気を惹こうとする不動産業者も存在します。仲介業者を探す前に、しっかり区別できるようにしておけば不動産の売却の際に損をすることもありません。
査定額=市場価格
一方で、査定額や実際の売却額は、家の市場価格です。
市場価格は相対的に割り出されるため、実際の資産価値は高くても、売り出すときに流行ではないデザインであったり、周囲に質の良い物件が多く売り出されている時期だったりすると、実際の査定額や実際の売却額は下がってしまいます。
査定額や売却額は不動産業者や買い手によって主観的に決められるので、第一印象のイメージなどによって、大きく変化しやすいのも特徴です。
査定額を調べる際の注意点
査定額は、不動産の簡単なデータを見た業者が周辺環境なども考慮して付けた市場価値です。
一般的には、複数の業者に査定してもらい、最も良い額を付けた所と契約を結びます。
業者からすれば、この契約が結べなければ、仲介手数料などの利益を得る事ができないので、わざと査定額を高めるのが一般的になっています。
不動産会社の査定額は、資産価値の1,2割ほど高いと言われているので、老舗の不動産業者などに問い合わせるなどして、その地域の資産価値の相場を調べておくと、どの業者と仲介契約をすればお得なのかの線引きがしやすいです。
また資産価値よりあまりに高い査定額なら、不動産業者を疑ってみることも大事です。
査定額は不動産一括査定サイトを利用して調べよう
査定額は主観的に決まる部分が多いので、不動産業者によって金額が大きく異なります。
300万円以上の金額差が生まれることもよくあることです。
そのため、もちろん査定額が低すぎると損をしてしまいますが、高すぎても問題です。
一括査定サイトで、なるべく多くの業者に査定を依頼し、相場がいくらかの検討をつけて査定額を正しく判断しましょう。
不動産の資産価値に関する質問
ここでは、不動産の資産価値に関する疑問について解説して行きます。
建物と土地それぞれで資産価値の決まり方が異なる?
不動産の資産価値は、建物と土地で異なる方法で決定されます。
建物の価値は、時間の経過と共に減少することが一般的です。
これは、減価償却によるもので、建物の劣化や時代遅れによる価値の減少を数値化する会計手続きです。
一方、土地の価値は経年劣化しないため、立地条件や利便性、日当たりなどの住環境要因によって価値が変動します。
特に、土地活用の可能性が高い場所では、土地自体の価値が高まりやすいです。
不動産の資産価値は売却価格と同じ?
不動産の資産価値と売却価格は必ずしも一致しません。
市場の需給バランスによって、売却価格は変動します。
一般的には、資産価値よりも売却価格が1~2割高いと言われますが、これは一概に保証されるものではありません。
売却タイミングや市場の状況によって、売却価格は資産価値よりも高くなったり低くなったりすることがあります。
資産価値の評価ポイントは物件種別によって異なる?
資産価値の評価ポイントは、物件の種類によって異なります。
例えば、マンションの場合、土地の権利は共有されており、建物の質や管理状況が資産価値に大きく影響します。
一方、一戸建ての場合、土地の価値が主要な評価対象となり、立地条件や土地の利用可能性が資産価値を決定する主要な要因です。
建物自体の状態も重要ですが、土地の価値が全体の価値に大きく影響を与えることがあります。
将来のために購入段階から不動産の資産価値をチェックしよう
資産価値が高く落ちにくい物件を購入したら、将来の投資になります。
急な病気やリストラにあっても、高く売ることが出来て身を助けることが可能です。
買い手が良いと思う新築物件が、必ずしも資産価値の高い物件ではありません。
購入価格とは別に、事前に資産価値をチェックしておくことをおすすめします。