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マンションを売る方法!初めて売るなら知っておきたい売却のコツ

【更新日】2023-11-24
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マンションを売る
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転勤や家庭の都合など、様々な理由で保有するマンションを売却する時が誰にでも訪れるわけですが、売却を検討されている方の中には、高値で売却を済ませたい方がいれば、短期間で売却を済ませたいという方が少なからずいらっしゃいます。

今回は、それぞれの考え方に適した売却方法を紹介すると同時に、売却を行うタイミング、媒介契約を交わす業者選びのコツを解説します。

マンションを高く売るコツ11ヶ条!高額売却成功のノウハウを公開

マンション売却の方向性は2通り

マンションを高く早く売る方法

冒頭でも紹介したように、保有するマンションの売却を理想的形で売却するには、2通りの方向性で売却活動を行っていく必要があります。

マンション売却の成功方法

  • マンションを高値で売却する
  • マンションを手早く売却する

前提として、マンションを売りたいと思っている方の大半が高値で売りたいと、思うものです。

高値で売買できれば、その後の引っ越しや生活費などの諸費用に売却益の一部を充てられます。

その一方で、転勤などの諸事情から売却活動に時間をかけられないという方も少なからずいらっしゃいます。

マンションを高く売るか、早く売るかによって、売却手段の方向性が大きく変わるので、どちらを第一に据えるかを決定しておくのが適切です。

マンションを高く早く売却する方法

方法①築年数10年以内に売却する

新築で購入したマンションを高値で売るなら、築年数が10年を超える前に売却するのがおすすめです。

そもそも築年数が0~10年内で売却を決断する方は少なく、市場価値としても高値で取引されています。

それが好立地の好条件下にある物件であればあるほど、高値で取引されています。

ただし、売却に踏み切るときは、マンションの所有期間の長さに応じて売却益に掛けられる税率が変動します。

譲渡益に対する課税 所有期間 税率
短期譲渡所得 5年未満 所得税30%・住民税9%
長期譲渡所得 5年以上 所得税15%・住民税5%

方法②売却スケジュールに余裕を持たせる

2つ目は、売却スケジュールに余裕を持たせることです。

マンションを高値で売却する方の多くが、不動産会社に仲介依頼を出して契約を結ぶ、仲介売却を選択されます。

この売却方法は、売り手側に売却価格を決める権利があると同時に、高値で売却できる最適な手段である一方、買い手を探すのに時間がかかります。

売却活動に時間をかけず、手早く売ってしまうと、反って安価な売りで取引されるケースが多々あります。

売値を下げないためにも、売薬活動に掛ける時間には、ある程度の余裕を持たせておきましょう。

方法③瑕疵担保保険への加入

3つ目は、瑕疵担保保険への加入です。

瑕疵担保保険に加入していれば、売却手続き後に瑕疵(キズ)が発見されたときに修繕費が下りる保険です。

瑕疵担保保険に加入するには、特定の条件を満たしておく必要がありますが、新耐震基準を満たしたマンションであれば、たとえ、築25年越えのマンションでも保険加入が可能です。

また保険加入を満たしておけば、買主が住宅ローン控除の利用ができます。

住み替えでも住宅ローン控除は受けられる?利用条件と特例について解説

方法④同物件・別室が売りに出ている間は売却を避ける

4つ目は、同物件内で別室が市場に出されている時です。

同じ物件内にある一室が市場に出されていた場合、立地条件と築年数が同じである以上、差別化される要素は、売り出し価格や内装の傷み具合など、各部屋の専用スペースのみで比較されます。

最も差別化される要素として契約の決め手になるのが、売り出し価格です。

買い手にとって、購入価格が安いものほど、諸経費が抑えたいという考えが強いです。

なので、マンションを高値で売りたいという方は、同物件内で別室が売りに出されていたら、売り出し時期を別日に設けるのが得策です。

方法⑤インスペクションの実施

5つ目は、インスペクションの実施です。

インスペクションとは、専門家に既存住宅の建物状況調査を依頼することです。

調査結果で合格がもらえれば、専門家のお墨付きという評価から買い手に一定の安心感を与える効果があります。

さらに、依頼する専門家が、既存住宅状況調査技術者の資格者であり、住宅瑕疵担保責任保険法人の登録検査事業者による調査で合格すれば、先ほど紹介した瑕疵担保保険への加入要項を1つ達成できます。

方法⑥買い先行で売却を進める

6つ目は、買い先行でマンシヨン売却を進めることです。

売り手側が保有するマンションを売却した後の住居を決めるとき、買い先行か売り先行のいずれかで売却活動を進めていくことになります。

買い先行とは、次に住む住居を購入してから、売却活動を進めていく方法で、売り先行とは、売却を済ませてから次に住む物件の購入を行う方法です。

高値で売りたい方に買い先行をおすすめする理由は、物件を空き家の状態で売却できることと、売却と購入のタイミングを無理に合わせる必要がないことの2点です。

ただし、買い先行を行う場合、住宅ローンが完済していること経済的余裕があることの2つを満たしておく必要があります。

方法⑦付加価値の有無を調査

7つ目は、マンション周辺に付加価値になりえるものがないかを確認することです。

マンションの付加価値には、スーパーや大型商業施設などの生活利便施設が近所に建っていたり、最寄駅から徒歩数分の距離にあるなど、エリア環境でプラスになる要素がマンションの付加価値を高めてくれます。

またファミリー層向けのマンションであれば、子育てに適した環境が整っているなども少額ながらプラスになります。

方法⑧不動産一括査定サイトを活用する

マンションを最大限高く売る場合は、複数社の査定額を比較する手続きが不可欠です。

不動産会社の査定額は各社が「ウチならこれくらいの金額で売れる」という意思表示なので、比較して高額査定をしてくれた業者に依頼をすれば、その分だけマンションが高く売れやすくなります。

つまり、出来るだけ多くの不動産会社の査定額を比較できるかどうかが、高額売却のポイントとなってくるのです。

複数社の査定額を比較するためには、一括査定サイトを活用しましょう。

一括査定サイトを活用することで、マンションの査定に対応する複数社へ一括で査定依頼をすることができます。

自力で周辺業者に査定を依頼することもできますが、マンション売却に対応する優良業者は他県にいたりもするので、1社ずつ連絡を取っていくと見落としてしまいます。

優良業者を見落とさず、かつスムーズに業者を比較するためにも、無料の一括査定サイトをスムーズに活用していきましょう!

方法⑨売り出し価格を高く設定する

マンションの売却価格は、必ずしも査定額に沿って設定しなければいけない訳ではありません。

査定額をある程度は度外視して、売主の希望に合わせて売り出し価格を決めることもできます。

ただ、余りにも査定額と売り出し価格がかけ離れている場合は、不動産会社の側で売却のストップをかけてくる可能性があります。

売れ残りを防ぐためには不動産会社の意見も一理ありますが、少ない可能性にかけて高額売却を成立させるためには、短期間でも良いので高めに売り出す必要があります。

この金額で高く売る根拠は何か、勝算はあるのか、売れ残った場合はどう対応するのかなどを事前に考えておきましょう。

方法⑩掃除・整理整頓を徹底する

マンションを高く売るには、掃除や整理整頓に力を入れる必要があります。

マンションを掃除したところで、プロの目から見た物件の評価は高まる訳ではありません。

ただ、実際にマンションを買ってくれる買主は不動産知識は素人なので、キレイな外見のマンションにどうしても惹かれてしまうものです。

マンションを相場以上で高く売り出す際は、掃除に力を入れて、高くつけた金額に外見が釣り合うようなイメージにもっていくことをおすすめします。

方法⑪タイミングを見極めて売却する

好況のタイミングや、周辺で都市開発や道路開通、大型ショッピングモールの建設などが進んでいるタイミングではマンションが高く売れやすくなります。

逆に周辺エリアで少子高齢化が進んでいる場合や、隣町に同じブランドのマンションが建築されているタイミングは高値で売れにくいので注意が必要です。

タイミングに気を付けて売ることで、マンションを相場より高く売ることができます。

方法⑫不動産会社からの連絡には素早く回答する

不動産の営業マンは人・会社によっては顧客のために時間を一切取れず、忙しい間をぬって連絡してきている可能性も十分あります。

不動産会社が連絡をしてきたら、出来るだけ1時間以内に回答をするようにしましょう。

回答時間が少し遅れることで、営業マンの行動が数営業日遅れ、それが募り募って、成約時期が数週間ズレる可能性もあります。

方法⑬必要書類を揃えておく

査定報告書、住民票、売買契約書など、交渉・契約前には必要書類をそつなく集めるのが大切ですが、必要書類にも以下の2点を準備するのをおすすめします。

そろえておく書類

  • マンションの管理規約書
  • 新築時のパンフレット

マンションの管理規約は、ペッの飼育の有無、室内での喫煙の可否など、利用する上でのさまざまなルールが記載されています。これがあると買い手が引っ越し後の生活をイメージしやすくなり、契約を結びやすくなります。

次に持っておきたいが、マンションが新築されたときのパンフレットです。

広告代理店などのプロが書いているで、物件PRの参考になりますし、間取りや構造などを相手に伝えやすいです。

買い手が気になるのは、マンションの間取りや面積だけではありません。

どこで買い物をすれば良いのか、辺りは静かか、趣味をエンジョイできる環境かなど、引っ越し先の地域についても気になっています。

そこでおすすめしたいのが、自分の好きな場所の写真や、お店のパンフレットなども用意しておき、契約時に見せてあげる方法です。

買い手は引っ越し後の生活により期待を膨らませることができ、高値で落札される可能性も高まりますよ!

方法⑭部屋の修繕履歴をまとめておく

マンションの購入を検討している方は、もしかしたら購入後に高い費用の支払いが発生するのではないか?と心配しています。

表面上は良いマンションに見えても、設備の劣化が激しければ購入後すぐに修繕費用がかかってしまい、結果的に損をしてしまいますよね?

こうした不安を取り除くために、売却前にこれまでの修繕履歴を簡単にまとめてあげましょう。

その内容を購入希望者に共有すれば、大体いつ、いくら必要になるのかが分かります。

方法⑮ご近所づきあいを改善しておく

マンションの部屋を購入するリスクとして、気の合わない住民が住んでいるかも知れないという点があげられます。

一戸建て住宅と違い、近所との距離が近いのが難しいところです。

実際、購入希望者はかなり詳しく近隣住民はどんな人か、騒音には厳しくないかなどを聞いてきます。

もしあなた自身が近隣との関係を気づけていない場合、何を言っても嘘っぽく聞こえてしまいます。

逆に近所付き合いが良ければ、事前に購入希望者へ合わせて、グッと成約に近づけることもできます。

成約の最後のポイントとして、ご近所づきあいが関わってくるケースは意外に多いのです。

方法⑯内覧の導線を確保する

内覧はまず玄関を入って、リビング・キッチンを確認し、そこから奥の部屋を見ていく流れになります。

訪問者がどんな行動をするか100%は予想できませんが、ある程度のシナリオを立てることはできる訳です。

例えばどうしても見せたい部屋や眺めがあるなら、そこに向けて引き付けをすることもできます。

こうしたシミュレーションが、本番にはかなり役立ちます。

方法⑰リフォーム・リノベーションをしない

売りに出すマンションの築年数が古くても、リフォームやリノベーションの実施は控えましょう。

リフォームやリノベーションを実施すれば、数百万円単位の工事費用が発生し、その元が取れるだけの売却価格で売買契約が締結する保証がない以上、実施するのは愚策です。

またリフォームを実行すれば、工事が完了するまで売却活動に転じることができません。

マンションを早く売却するためにも、リフォームやリノベーションの実施は控えて売却活動に集中するのがいいでしょう。

また実行できるだけの余裕があるなら、マンション売却時のセットプランとしてリフォームやリノベーションを付与することで、買い手が集まりやすくなります。

方法⑱広告掲載用の写真にこだわる

媒介契約を交わしている業者の公式サイト上に掲載する写真にこだわりを持つことも1つの売却方法です。

広告掲載用の写真の枚数が多ければ、購入希望者に伝える情報量が多くなると同時に、広告と内覧した時に生じる差異を最小限に留められます。

方法⑲住宅ローン残債の確認

マンションを市場に出す前に、今一度住宅ローンの残債がいくらになっているのかを確認しましょう。

原則、マンションを売りに出す時は、借入している住宅ローンを完済していることで絶対条件です。

しかし、住宅ローンが残っている状態であっても、売却益で完済できるアンダーローンであれば売却が可能です。

しかし、残債額の方が売却益よりも高いオーバーローンであれば、一括繰り上げ返済か任意売却で完済するしか手がありません。

任意売却とは?手続きの流れとメリット・デメリットをわかりやすく解説

2023年はマンションを売るのにベストなタイミング?

「マンションを売りたい!」といっても売るタイミングによってお得に売却できたり損する売却になることがあります。

そこで今回は2022年にマンションを売却しても得するのか調査しました。

国土交通省のデータを元に、分かりやすく解説するので必見です。

2023年はマンションを高く売ることが可能

国土交通省は2022年4月に不動産価格指数の公表をしており、マンション価格の上昇が著しいことが分かりました。

下記の表は2022年1月分のデータになります。

地域 不動産価格指数 対前月比(%)
北海道地方 260.1 4.1
東北地方 226.2 ▲ 1.3
関東地方 164.5 0.3
北陸地方 (198.2) (3.0)
中部地方 184.7 4.5
近畿地方 176.4 0.7
中国地方 (187.3) (▲1.2)
四国地方 (190.1) (10.1)
九州・沖縄地方 223.9 3.0

引用元:国土交通省

全国的に見ても先月と比べて上昇している地域が多く、年単位で比較していると確実にマンション価格は上昇しています。


※不動産価格指数とは、年間約30万件の不動産取引価格情報に基づいて、全国/ブロック別/都市圏別/都道府県別に不動産価格の動向を数値化したもの

2020年の新型コロナウィルス感染拡大によって、一部地域の地価が下がることもありましたが、コロナを織り込んで不動産を購入する人も居たため、北海道等は地価が上昇しました。

マンションは土地の所有権は戸数で分ける為、土地の占める割合が小さくなり地価が下落してもあまり影響を受けません。

よって今後新型コロナウィルスの感染が拡大しても、マンション価格がいきなり下がる可能性は低いです。

ただし、地域によってはマンション価格が上昇していないケースもある為、心配な人は不動産会社の査定で価格を把握しておきましょう。

マンション価格が上昇し続ける要因

日本国内では現在、金融緩和による低金利政策を行っている為、住宅ローンが低金利になっています。

多くの銀行が低金利で住宅ローンを提供している現状が、マンションを購入しやすい環境になっています。

低金利によってマンション需要は高まっており、価格が年々上昇しています。

築年数による価格下落よりマンション価格の上昇が強い

マンション価格は、築年数によって下落していきます。

通常であれば、築10年前後で売るタイミングが来ると言われており、法定耐用年数を過ぎると資産価値はゼロになります。

マンションの場合は多くの場合、築47年になっています。

法定耐用年数を過ぎると売ろうとしても買主が見つかりづらくなるので、築47年になるまえに売却する必要があります。

また築10年経つと修繕積立金が値上がるタイミングが来てしまう為、固定費が値上がる前に売却すると買主に修繕積立金が高いと思わせず好印象で売れる可能性があります。

また日本のマンション価格は上昇し続けている為、築年数によって下落する価格よりマンション価格上昇の勢いが強めです。

上記のことから2022年の状況であれば、築年数関係なくマンションを納得できる価格で売ることができます。

2022年以降は「2022年問題」の影響を受ける可能性がある

毎年上昇しているマンション価格ですが「2022年問題」によってマンション価格が下落してしまう可能性もあります。

2022年問題とは、1992年に市街化築にある農地を「宅地化農地」「生産緑地」に分類し、生産緑地に指定された場合30年間、固定資産税が安くなり相続税の納税を猶予されるようになっていました。

そして2022年、生産緑地と指定された三大都市圏の約80%は2022年に期限を迎える予定です。

生産緑地の指定によって固定資産税が安くなり、相続税の納税を猶予されるようになるには農業を営む義務があり、高齢化が進んでいる現代では一斉に売却するのではないかと懸念されています。

よって生産緑地に指定されている郊外のファミリー向けマンション価格は大きく下落してしまう可能性があります。

2022年問題の煽りを受けずに売却を検討したいという人は、早めに不動産会社に査定依頼することをおすすめします。

2023年3月の引っ越しシーズンに合わせて11月に売るのもおすすめ!

マンションを高く売るには、引っ越しシーズンに合わせて売却することが重要です。

マンション需要が上がるタイミングは引っ越しシーズンといわれており、3月までに売却を目標にすると高く売れる可能性があります。

上記に加えて新築マンションの価格変動もチェックしましょう。

価格が上昇していると中古マンションの需要が高くなるので、引っ越しシーズンと合わせるとより高い価格で売ることができます。

マンションの売却が完了するには約半年かかると言われているので、今年売りたいと考えている人は11月頃から動き出しましょう。

マンションの売却価格が高騰するタイミング4選

マンションの資産価値そのものは、築年数を経るごとに年々下降傾向にありますが、新築マンションの価格が高騰や供給数の減少に伴って、中古マンションの売却価格も高騰傾向にあります。

不動産の資産価値は、築年数にも依存しますが、何よりもその年の経済状況の影響をダイジェストに受けるため、価格が下がるときもあれば、上昇傾向にあるときもあります。

ここでは、マンションの売却価格が高騰するタイミングを4つご紹介します。

競合物件が少ない時

所有するマンション内や近隣エリア内で、近似する条件を有する物件が市場に出ていない時は、売却価格が高騰するグッドタイミングです。

近似する条件を持った物件が近隣エリアや同じマンション内で売りに出されていると、条件面や物件の状態、価格などあらゆる要素を比較されてしまうためです。

比較されず、買い手を得るためにも、競合物件が少ない時期を狙って市場に出すのがベストです。

引っ越しシーズンの1月末~3月に売却する

仕事や進学都合で新天地での生活を始められる方が多い4月に向け、1月末~3月にかけて物件探しを始められる方が多いため、マンション価格が高騰傾向にあります。

中でも進学先や勤め先、最寄り駅から近いなど、利便性が高い特徴を持つマンションほど高値で売却できる可能性があります。

築年数が10~20年を超す前に売る

築年数が10年を超してくるタイミングで、マンションの修繕積立費用が値上がりすることがあります。

修繕積立費用は、建物の外壁や屋上、エントランスなど、共有部分の修繕を行う大規模修繕工事の費用を賄うために積み立てておく費用です。

修繕積立費用は、毎月かかる固定費用として、物件購入時の1要素として見られています。

修繕積立費用が値上がりすれば、比例して毎月の負担が大きくなるので、買い手が付きやすい値上げ前に売約してしまうのが得策です。

マンションの大規模修繕を行った後に売る

修繕積立費用を使用して、大規模修繕を実行すれば、エントランスや屋上、外壁などの共有部分が新築同然の輝きを得て、見栄えが良くなって価格が上昇します。

大規模修繕前や工事実施中は、足場で入り口や窓が塞がったり、騒音がするなどで住み心地が低下傾向にあるほか、工事実施に伴って全世帯から工事実施の同意を得るなど、手間と時間がかかります。

しかし、工事実施後ともなれば、しばらく修繕工事を行う予定がないうえ、共有部分が綺麗になっていることがプラス評価に繋がって価格高騰の効果を生み出してくれます。

マンション売却の流れ

  1. 査定依頼
  2. 媒介契約
  3. 販売活動
  4. 内覧
  5. 契約
  6. 決済・引き渡し

マンション売却の流れは、以上の6ステップで進んでいきます。

今回は、特にはじめてマンション売却に取り組む方に向けて、手続きの流れと一つ一つの手続きの方法を詳しく紹介していきます。

マンション売却の流れは9ステップ!必要な手続きを手順に沿って解説

①査定を仲介業者へ依頼

まず、売りたいマンションがいくらで売れそうか、不動産会社に査定をしてもらいます。

どの不動産会社に依頼をしても査定額は出してくれますが、マンション売却は査定➝価格が気に入れば契約の流れで進むので、査定を依頼する業者は契約先の候補であるべきです。

単に近場の業者というだけでなく、検査・保証サービスや担当者の人柄などもしっかり考慮して査定依頼をしましょう。

査定を依頼してから媒介契約まで約1~2週間かかりますが、このときに以下の3点を意識するのが大事です。

査定依頼を出す時に検討すべきこと

  1. マンション売却の理由を整理し、本当に売るべきか考える
  2. 住宅ローンの残債を確認
  3. 必要書類の準備

②媒介契約を結ぶ

複数の業者に査定を依頼したら、金額を見比べて契約する業者を選びます。

そして、販売活動を業者に委託する代わりに、成約のあかつきには仲介手数料を支払うという契約(媒介契約)を結びます。

媒介契約には3種類の方法がありますが、以下のような内容の違いがあります。

契約の種類 契約の有効期間 売り手自身が買い手を見つけること 依頼可能な業者数 仲介業者からの報告※
専属専任媒介契約 3ヶ月以内 できない 1社のみ 1週間に1回、メールか文書で連絡
専任媒介契約 3ヶ月以内 できない 1社のみ 1週間に1回、メールか文書で連絡
一般媒介契約 3ヶ月以内 可能 複数社と契約可能(契約数の上限なし) なし

※あくまで最低限の報告義務であり、業者によってはそれ以上連絡があるところもあります。

業者は1社契約してくれた人の物件を優先的に扱うので、よっぽどのことがない限りは(専属)専任媒介契約がおすすめです。

ただ、立地が良かったりデザインが優れていたりする場合、一般媒介契約をおすすめするケースもあります。

不動産売却で一般媒介契約を選んだほうがいいケースとは?

媒介契約時の必要書類まとめ

媒介契約時の必要書類 具体的な提出物
①本人確認資料
  1. 身分証明書
  2. 実印
  3. 印鑑証明書
  4. 住民票
②権利関係書類 登記済権利書、または登記識別情報
③建物に関する書類
  1. 物件購入時の契約書・重要事項説明書など
  2. 新築時のパンフレットなど
  3. マンションの維持費・管理費が明記されている書類
  4. リフォームをした際は、当時の図面・計画書など
  5. 耐震診断報告書・アスベスト使用調査報告書など
  6. その他(地盤調査報告書など、必要に応じて提出

③販売活動

媒介契約を結ぶと、約2ヶ月から1年の販売活動期間に入ります。

広告掲載や問い合わせへの対応は仲介業者がおこなってくれますが、売り手自身もすべきことがてんこもりです。

その中でも特に重要な手続きが、売り出し価格の設定です。

売出し価格の考え方

売り出し価格は売り手自身の独断で決めることができますが、それによって利益と成約にかかる期間が大きく変化するので注意が必要です。

オーソドックスなのが、査定額と同じ価格で売り出す方法です。

適正額ということで買い手も納得しやすいですし、プロのお墨付きがあるので説得力が増します。

利益にこだわりたいなら、査定額よりも高値に設定して売り出すこともできます。

この方法で売れるのが理想ですが、「面積・間取り・立地に対して価格が高すぎる」と思われ、売れ残るリスクもあります。

逆に、査定額より価格を下げて売り出す方法もあります。

金銭的には損ですが、お得物件なので早期に買い手がつきやすく、急な転勤がある方などにおすすめの方法です。

自分はどの方法が良いのか、しっかり考えていきたいですね。

④内覧準備

広告をポータルサイトなどに掲載してしばらく経つと、仲介業者に内覧希望の問い合わせが来ます。

「その日は都合がつかない」などあるでしょうが、売買は買い手が気に入ってお金を出してくれないと成立しないので、なるべく彼らのスケジュールに合わせて時間を空けましょう。

マンションの内覧は、主に以下のようなところが見られます。

マンションの内覧で見られる箇所

  1. 入室時の第一印象(明るさ・広さ・においなど)
  2. 眺めの良さ
  3. 方角・日当たり・風通し
  4. 水回り
  5. キッチンの広さ・位置
  6. 天井・壁のキズや汚れ
  7. 床の傾き・軋み
  8. バルコニーの広さ
  9. ドア・窓をスムーズに開閉できるか
  10. 水栓
  11. 給湯器

逆に言えば、こうした良く見られるポイントは事前に改善しておき、当日はPRできるくらいの余裕が欲しいですね。

マンション売却時の内覧準備のポイント16選!前日・当日にすべきこと一覧

⑤売買契約~決済・引き渡し

内覧が終わり、買い手が納得をすると次に価格交渉・売買契約がおこなわれます。

まず価格交渉に関してですが、基本的に買い手優位で進むのである程度の値下げは覚悟しましょう。

マンション売買の引き渡しの注意点!契約内容・キャンセル・手付金に気を付けよう

ただ、後述しますがパンフレットなど客観的な書類を多く持っていると、値段にケチを付けられたときに反論しやすいのでおすすめです。

売買契約は、買い手と売り手が集まり、契約書を読み上げて最終確認をします。

確認する内容は主に以下の項目です。

契約前に確認する項目

  1. 売買物件の表示
  2. 代金や手付金などの支払い日
  3. 土地の実測・土地代金の精算
  4. 所有権の移転・引き渡し
  5. 付帯設備の引継ぎについて(例:エアコン等の処分)
  6. 税金の精算
  7. 手付の解除
  8. 引き渡し後に天災等があった場合の取り決め
  9. 契約違反時のペナルティ
  10. ローン特約
  11. 瑕疵担保責任

また、売買契約には以下の必要物を持参していきます。忘れがないようにしましょう。

手付金など 代金の2割程度を領収書とともに持参するのが一般的。契約解除が起きた際の処理に使う
印紙 売買契約書に貼る。
印鑑 なるべく実印を持参
仲介手数料 現金・振込・小切手のいづれかが一般的
本人確認書類 運転免許証か健康保険証などが一般的

マンションを売る時にかかる税金・費用

マンションを所有していると固定資産税、都市計画税、場合によっては相続税などがかかりますが、売却する場合も新たに税金が課されます。

マンションを売る際にかかる税金・費用は、以下の5つです。

マンションを売る際にかかる税金・費用

  • 印紙税
  • 登録免許税
  • 譲渡所得税
  • 消費税
  • 仲介手数料

ここからは、それぞれの税金の内容について解説していきます。

印紙税

印紙税は、売買契約書に印紙を貼って提出します。

課税額はマンションの売却額に比例して、以下のようになります。

売却額 課税額
10万円~50万円 400円
50万円~100万円 1,000円
100万円~500万円 2,000円
500万円~1,000万円 >1万円
1,000万円~5,000万円 2万円
5,000万円~1億円 6万円
1億円~5億円 10万円
5億円~10億円 20万円
10億円~50億円 40万円
50億円超 60万円

印紙は買い手に提出する分と自分が保管する分に貼るのが一般的なので、上の金額を2倍したのが出費となります。

自分の保管分には印紙のコピーを貼って節税することもできますが、この場合、書類の証明力は落ちるので注意しましょう。

登録免許税

中古マンションを売却するときに住宅ローンがまだ残っているケースはかなり多いです。

住宅ローンは建物を担保にしているので、買い手に渡すときにはこの担保を外さなければいけません。

単純にローンを完済するだけでは担保は外れず、抵当権抹消登記という手続きをおこなうのですが、その際に登録免許税として土地・建物合わせて2,000円がかかります。

さらに、住み替えの場合は住所変更登記も必要ですが、この際も免許登録税として1,000円がかかります。

譲渡所得税

マンション売却利益が出た場合、すなわち購入費よりも売却額が大きかった場合、譲渡所得税がかかります。

譲渡所得税は譲渡所得×税率で求められますが、肝心の譲渡所得は以下の計算式で算出されます。

譲渡所得=売却価格-(取得費用+売却費用)

取得費用とは、マンションの購入価格や、購入手続きにかかった費用(仲介手数料、登記費用など)の合計額です。

マンションは価値が築年数の経過により低下するので、その分(減価償却費)を差し引きます。

※不動産の減価償却に関する詳しい情報はこちら!

不動産売却時の税金計算・確定申告では減価償却が重要

更に、譲渡所得にかけられる税率ですが、これはマンションの所有期間が5年を超えるかどうかで大きく変わります。

詳しくはこちらをご覧ください

不動産売却時の税金は5年で課税額が大きく減少!短期譲渡所得の仕組みとポイント

譲渡所得税は確定申告をして納める

譲渡所得税というのは通称で、実際は所得税と住民税に加算されるのがこの税金の特徴です。

譲渡所得税が発生したら、引き渡し年の翌2~3月に確定申告をおこないます。

不動産売却の確定申告は必要?申告の流れ・必要書類の書き方を完全ガイド【決定版】

確定申告のタイミングで、まず所得税を支払います。

その後、5月頃に住民税納付書が届きます。こちらに納税額の記載があるので、基本的には6月・8月・10月・翌1月の末日に、年4期に分けて納付をします。

ちなみに、末日が土日の場合は翌月曜日が納付期限となります。

消費税

投資用マンションを売却すると、建物の部分に消費税がかかります。

ただ、納付をするかどうかは、2年前の課税売上が1,000万円超である場合のみです。

普段買い物をするときは消費税はあまり気になりませんが、中古マンションが1,000万円で売れたら8%の80万円を支払わなければいけません。

売却検討者は、事前にこうしたリスクを理解しておきましょう。

仲介手数料

譲渡所得税は高額ですが、課税は売却費用>購入費の場合のみです。

通常は築年数が経過すればマンションの価値はその分下がるので、税金がかかるケースは滅多にありません。

その一方で、不動産にマンションを売るよう依頼した全ての方にかかってくるのが仲介手数料です。

仲介してくれた業者に報酬として支払う手数料で、売却価格に比例して費用は高額になっていきます。

取引額 仲介手数料(法定の上限額)
200万円以下 売却額×5%
200万円超400万円以下 売却額×4%+2万円
400万円超 売却額×3%+6万円

マンションが500万円で売れた場合、仲介手数料は500万円×3%+6万円=21万円となります。

上で挙げたのは法定の上限額(仲介手数料として顧客から取れる最高額)ですが、慣例上この金額をピッタリ払うケースがほとんどです。

仲介手数料の相場はいくら?なぜ払うの?根拠・計算方法・値引きのコツ

マンション売却を成功させるための不動産会社選びのコツ

ここでマンション売却に関わる苦労を少しでも減らすために、どのようにすればストレスなく売ることができるかについて書いていきたいと思います。

マンション売却において1番大切なことはなんといっても不動産会社の選択です。

これは大手の不動産会社を選べばいいというものではないので、大変難しいです。

受動的に仲介先を選ばない

よくある失敗の例として折込チラシなどで「資産家の息子さんがこのあたりの~という条件のマンションを探しています」などの文句に飛びついてしまう場合が挙げられます。

これはほとんどが詐欺であり、ただの宣伝文句なのでつられてしまわないように注意しましょう。これにつられてしまうと前述したような悪循環に陥ってしまう場合があります。

同じように「地域No1!」などの広告文句にも注意しましょう。不動産の情報というのは会社同士で共有されているので明確な地域No1というものは決めようがありません。

基本的に派手な宣伝文句ばかりを発している会社は信用しないほうが無難でしょう。

実績と人柄を冷静に観察し、信頼できる営業マンを見つけることが苦労の少ないマンション売却への近道です。

中古マンションの売却が得意な業者を選ぶ

では、中古マンションの売買仲介におすすめの不動産会社はどこなのでしょうか。

こちらで紹介されているように、2017年、中古マンションの売買件数が多かったTOP3は三井のリハウス、住友不動産販売、東急リバブルと全て大手でした。

マンション売却に強いおすすめマンション売却業者はどこ?評判の高い会社ランキング・業者選びのコツ

やはり、テレビCMの放送量も多く、有名な不動産会社に多くの人が依頼するようですね。

知名度だけではなく、こうした大手業者は地方の中堅会社にはないような検査・保証サービスを提供しているので、築年数の経った中古マンションも安心して預けられます。

売り上げ実績だけでマンションの仲介先を選ぶのは危険

上で紹介した大手業者は実績も十分なので、依頼をすれば良い値段でスムーズに売ってくれることでしょう。

ただ、売上実績だけで仲介先を決めるのは非常に危険です。

なぜなら、この実績というのは個人の物件を仲介だけでなく、法人の物件(ビルなど)の売上高も入っているからです。

居住用マンションよりもビルを売ったほうが高額利益は発生するので、大手業者ほど法人物件の仲介を重視する傾向があります。

仲介業者を検討する際は、総売上高の他に個人用物件の仲介実績はどうか、過去に利用した方の口コミ・評判はどうかなどもチェックしましょう。

会社の規模のみで決めるのは得策ではない

不動産会社は全国に何万とありますから、どこに依頼すれば良いか悩むことでしょう。

基本的には、上で紹介している一括査定サイトを利用して、査定額を比較しながら選ぶことをおすすめします。

この時に重要なのは、会社の規模で査定を依頼しないことです。

何となく大手のほうが良さそうなイメージがありますが、中小には中小の良さがあります。

【比較項目】 大手 地元中小
おすすめエリア 都市部・住宅地 地方・郊外
売却活動のコスト 高い 低い
おすすめエリア 都市部・住宅地 地方・郊外
売却活動のコスト 高い 低い
集客力 高い 低い
ネットを使った宣伝 不得意 得意
不動産タイプごとの実績 タイプに関わらず平均的 得意・不得意がはっきりしている
地域の情報 持っていない 独自情報を持っている
担当者の対応 比較的ドライ 親身になってくれる
囲い込みの危険性
最新の市場動向 対応 未対応なことも多い
検査・保証 しっかりしている 対応が不十分な場合もある

安心感や保証サービスの充実度は大手のほうが高いですが、地域の知見はやはり中小が優れています。

どちらか一方ではなく、必ず両者を比較して選びましょう。

不動産売却はどこがいい?大手業者と地元中小を徹底比較!最後の決め手は会社規模ではない

【事例】過去にあったマンション売却の失敗事例

マンションの売却を含め、不動産の売却を行うなら納得がいく形で物件の引き渡しを行いと思う方が多いです。

マンションの売却で失敗しないためにも、売買を依頼する会社選びが重要といっても過言ではありません。

しかし、いい会社を選んでも、時間的要因や価格設定の失敗など、様々な要因で売却が思い通りに進まないことが多々あります。

ここでは、過去にあった事例を基に、マンション売却が失敗したケースを7つ紹介します。

ケース①マンションの売買が不得意な会社に依頼した

マンション売却をはじめ戸建てや土地などの不動産を売却するとき、業者に直接買い取ってもらう方法と、不動産会社に仲介人になってもらって個人間で売買する方法の2パターンがあります。

どちらの方法を選ぶにしても、不動産会社の選定が大きなカギになるわけですが、売却する物件種別の取り扱いに長けているところを選ばなければ、売却がスムーズにいかないだけじゃなく、買い手が一向に見つからないなどの事態を招いて失敗します。

例えば、戸建て住宅とマンションとでは、建物の構造から管理方法に至るまで、勝手が異なります。

仲介依頼を引き受けた不動産会社は、買主に対して、最新の管理規約に基づいて、重要事項の説明を行わなければならないため、売却を行う前には、様々な調査を実施します。

特にマンションの売却は、戸建てや土地などの物件種別に比べて確認すべき事項が多く、専門性が問われる事項が多いです。

マンションの取り扱いになれてない会社に依頼すると、先のような事態を招く可能性が高まるので、会社選びは慎重に行いましょう。

ケース②スケジュールを大幅に超過した

マンションの売却を行われる方の中には、スケジュールを組んで行う方もいます。

例えば、新生活を理由に住み替えを行うためにマンションの売却を行われる方がいたとします。

その方は、複数の会社に査定依頼を出し、Cという会社がどの不動産会社より数百万円高い結果を出したことから契約を結ぶも、買い手が一向に現れず、予定を大幅に超過してしまったという事例があります。

この事例から伺えることは、マンションを売却する前に依頼する査定の結果は、会社ごとに異なることと、相場価格よりも突出して高い結果を出す会社は「契約欲しさ」に規格外な価格を提示している可能性があることです。

査定額が相場よりも高いに越したことはありませんが、査定額を基に市場に出しても売れる可能性は限りなくゼロに近いです。

査定結果が相場額を前後するケースは多々あります。

その際は、この結果になって根拠を担当者に問いましょう。

根拠を説明できるなら申し分ありませんが、根拠がない説明をするだけの会社は見限り、他の会社を吟味するのが有効的です。

事例のように、スケジュールがあるならなおさらです。

ケース⓷チャレンジ価格が高額で売れなかった

先の事例からも伺えるように、極端に高すぎる価格で、マンションを売りに出しても、買い手が見つかる可能性はほぼゼロです。

仮に査定額が適切価格の範疇だったとしても、価格の決定権が売主にある以上、少しでも高値で売りたいと思う方もいます。

例えば、適正額が2,000万円の物件を、ローンの残債額に合わせて売却したいという私情を絡めて価格を設定したとします。

この適正価格よりも高めに設定した金額を、チャレンジ価格といいます。

売れる価格と希望額には乖離性があり、価格が高いという理由だけで、見向きもされません。

このことから、マンションの売却を成功させるには、不動産会社選びと価格設定の2点が売買契約締結の鍵を握っているといえます。

ケース④ローン残高を下回った

原則として、マンションや戸建て住宅などの物件種別を売却するときは、購入時に組んだ住宅ローンを完済した状態で行わなければなりません。

しかし、売却を通じてローンの残債額が完済できるなら、売却が行えます。

ここでいう失敗例というのは、売却価格が住宅ローンの残材額を下回った場合です。

この場合は、不足分を自己資産で補うか、任意売却のいずれかを選択することになります。

なお、任意売却を行ってなお、返済ができなければ、負債となり、引き続き返済していくことになります。

ケース⑤手付金を使ってしまった後にキャンセル依頼が来た

売りに出したマンションを購入したいと考える方と契約を交わし、手付金を受け取った後、売主は、物件の引き渡しを行うまでその手付金に手を付けてはなりません。

売買契約を交わしたあと、買主がローンの審査に落ちてしまうと、契約そのものが破棄され、手付金を買主に返金しなければなりません。

ローン審査による契約破棄は、ローン特約として処理され、本来支払わねばならない違約金の支払いが免除されます。

仮に手付金を使ってしまったら、使った分を自己資金で補った状態で返金しなければなりません。

このような失敗をしないためにも、ローン審査が完了する前までは手付金は使わないようにしましょう。

ケース⑥付帯設備表と告知書に不備があった

マンションの売却を行うとき、売主は付帯設備表と告知書の2枚の書類を作成して、買主に渡さなければなりません。

もしも、付帯設備表と告知書のどちらかに不備があれば、契約不適合責任とみなされ。契約そのものが解除されます。

付帯設備表と告知書とは

  • 付帯設備表:マンション設備における「有・無・撤去・不具合」を記録した書類
  • 告知書:物件に見られる瑕疵をまとめた書類

売買契約締結後に、報告していない瑕疵が見つかった場合、契約不適合責任とみなされ、修繕費を売主が負担しなければなりません。

ケース⑦確定申告が未提出

マンション売却を行った後は、確定申告を提出しなければ、節税効果に期待ができる特例の利用ができません。

またマンション売却で得た売却益には、譲渡所得税という税金が課せられるため、確定申告を提出しなければならず、もし期日までに提出をしなければ、延滞税や無申告加算税が課せられます。

提出を忘れないためにも、物件購入時の売買契約書や、売却時に使用した書類は大切に保管しておきましょう。

マンション売却の注意点

この記事の監修

松浦建二 

CFP®認定者・1級ファイナンシャル・プランニング技能士

住宅会社・生命保険会社を経て、2002年からファイナンシャルプランナーとして主に個人のライフプラン、生命保険設計、住宅購入サホート等の相談業務を行っている他、FPに関する執筆や講演も多数おこなっている。

青山学院大学非常勤講師。

HP://www.ifp.cc/index.html

マンションを売る理由は人によってさまざまですが、その分置かれている環境も違います。

それぞれ注意しなければいけないポイントも異なるため、事前にしっかり確認する必要があります。

ここからは、マンション売却の注意点をケース別に解説していきます。

①住宅ローンが残っている場合は完済が必要

住宅ローンが残っているマンションでも売却は可能です。

ただし、引き渡し時は売却代金をつかって完済しなければいけないので注意が必要です。

つまり、査定をした段階でローン残高を払えるかどうかチェックをする必要があります。

また、ローンを一括返済する場合、銀行に電話をしなければいけません。

また、一括返済手数料が別途かかるので注意しましょう。

②相続したマンションの売却は相続人の同意が必要

相続発生前にマンションを売る場合は、現金化後に遺産分割ができるのでスムーズというメリットがあります。

ただ、相続税の課税は土地・建物ではなく現金による評価となるので、評価額を下げる効果はありません。どちらを優先するか考えましょう。

また、遺産分割協議が終了する前に売ることもできますが、相続人全ての同意書が必要になって面倒です。

最後に、所有人の名義を売主本人に変えておくことが必須になります。

③賃貸に出しているマンションの売り方を確認

賃貸に出しているマンションを売る際は、賃貸中のまま売る方法と、現在住んでいる人に立ち退いてもらって売る方法の2通りです。

賃貸マンションに居住者がいる場合は、入居者はそのままでマンションの所有権を売買する方法があります。

これをオーナーチェンジと言います。

その一方、賃貸利用者をマンションから立ち退かせて、空室になってから売却する方法もあります。

この方法は高く売れやすいですが、その分、入居者を説得させる手間と立退料がかかるので注意しましょう。

④代理人を立てるべきか事前に確認

遠方のマンションを売る際は、現地の不動産会社に仲介を頼むとスムーズな売却が期待できます。

また、売却前にはマンションの清掃・整理整頓が必要になるので、現地に行く時間のない方は大変になります。

都合がつかない場合は、親族や知人などに代理人を依頼する必要があります。

また、遠方のマンションを売る場合は交通費や郵送料などがかかってくるので、こちらも頭に入れておきましょう。

⑤売却前に空室にする必要はない

住んだままでもマンションを売ることができますが、いつもより掃除や整理整頓はしておく必要があります。

住んだままマンションを売る時に、最大の関門になるのが内覧です。

住みながら売りに出している場合は立会いが必要ですし、子どもが走り回ったりしていると成約率が下がってしまいます。

逆に、どれだけ住み心地が良いかをPRできれば良い結果が生まれることも多いです。

⑥マンションを買い替える方法を確認

今の住まいを売って新居を購入する場合、売却と購入の手続きを同時にこなさなければいけません。

この時、先に住まいを売ってから新居探しをする売り先行と、先に新居を購入してから売る買い先行の2パターンがあります。

基本的におすすめなのは売り先行です。

最初に売却価格がわかることで新居購入にかけられる予算がわかり、新居選びの幅が広がるのが大きなメリットです。

ただ、住まいを売ってから新居を見つけ、契約を結ぶまでの時間は数か月間しかないので、緻密な計画を立てる必要があります。

⑦共有マンションの売却時は持分割合を確認

売却するマンションの所有者名義が複数人いる場合は、自分の持ち分がどのくらいの割合を占めてしているのかを調査する必要があります。

持分割合は、法務居に赴いて、敷地及び建物の登記事項証明書を取得することで確認ができます。

マンションの所有者名義人が複数人居る場合、持ち分のみの売却所有者名義人全員から同意を経て売却へと至るかのいずれかを選択します。

持分のみを売却

所有者全員から同意を得られなかった場合、自分の持ち分を第三者に売却することとなりますが、持ち分のみを購入する方は少なく、多くの場合が共有者同士での売買になることが多いです。

持ち分の売却方法は、通常の物件売却と同様の手順を踏むと同時に、所有権の移転登記を行います。

また所有者が親せき、近親者などの身内という理由から無償で譲渡すると、贈与税が課せられます。

共有者全員の同意を得てから売却

もう1つの方法が、所有名義人全員からマンション売却に伴う同意を得てから売却する方法です。

共有者全員から同意を得て売却を行う場合、共有者全員が売り手となり、合同で売却を行います。

売買契約が締結するときは、共有者全員の署名と実印による押印が必要になります。

もし、共有者の中に地方在住など、遠方に住んでいる方や高齢ゆえ、遠出するのが厳しい方は、共有者に委任状を出して手続きを行ってもらうことが可能です。

中古マンションの売却は基本的にリフォーム不要

築30年以上の古いマンションは、フローリングや壁のキズ・凹みなどで見映えが悪くなっていることが多いです。

こうしたマンションを売る際は、リフォームをしてから売り出すべきかどうかが悩みどころです。

基本的にはマンションを売る際はリフォームをする必要はありませんが、購入後の修繕費捻出を渋る買主がいるなら簡易修繕をしておくのも良いでしょう。

ただ、マンションの第一印象がアップすれば成約率は格段に上がります。

リフォームを無理にする必要はないですが、ハウスクリーニングの依頼などは、積極的にやっていくと良いでしょう。

マンション売却でリフォーム・ハウスクリーニングは必要?

マンション売却に関するよくある質問

はじめてのマンション売却は分からないことばかりで苦戦することが多いと思います。

そこでここからは、マンション売却に関するよくある質問に対して回答していきます!

Q1.フローリングのキズや壁の汚れはそのままでも売れる?

売る前にリフォームすべきか否かはマンションを売る際に最も多い質問の一つです。

マンション売却はリフォーム・ハウスクリーニングが必要?

結論から言うと、そのまま売り出してOKです。なぜなら、中古マンションの購入希望者はリフォーム前提で物件を探している人も多いので、必ずしもお金をかけてリフォームする必要はありません。

また、不動産会社も築年数やアクセスなどを重視するので、リフォーム費用をかけても、費用を回収できるだけ査定額が高くなるとは限りません。

ハウスクリーニングなどで綺麗にしておけば、内覧時のウケは良くなるので、しっかり準備していきましょう。

Q2.分譲を売るときは角部屋のほうが有利?

賃貸の場合、角部屋から決まっていくのが一般的ですが、中古売買でもこの傾向はあります。

マンションの角部屋は売却に有利!

ただ、例えば3階建てのマンションなら、1階の角部屋よりは3階の中部屋のほうが売れやすいです。

角部屋はあくまで同じ階の他の部屋より売れやすいという程度です。

Q3.部屋でペットを飼っていたんだけど伝えるべき?

ペットの飼育が可能なマンションは、同じ築年数・間取りの物件の中でも高額売却されやすいです。

ペットを飼育していたマンションは高額売却しにくい?

ただ、売り手がペットを長年飼っていた場合は、ニオイやひっかきキズが目立ち、内覧時に嫌な顔をされることがあります。

消臭スプレーをしても、クロスの裏側までニオイが染み込んでしまう場合もあるので、売却前からニオイが付かないように消臭クロスを敷いておくのがおすすめです。

基本的に聞かれなければ自分からペットを飼っていたと伝えなくてもOKです。

もしニオイやキズが取れない場合はしっかり申告して値下げをしましょう。「確かにデメリットはあるけどこの値段なら買います!」という方は待っていれば必ずあらわれます。

築年数がそこまで古くなく、物件設備自体に欠陥がないのであれば、ニオイやキズが酷い部分をリフォームしてからの売却も検討しましょう。

Q4.電気などインフラの切り替えは売る側がするの?

ご契約の電気、水道、ガス会社にはもちろん引っ越し前に売り手自身が連絡するようにしましょう。

もし電気の契約停止を忘れ、引き渡し後も高いプランのままという場合は、応急処置としてアンペアを下げるという方法もありますが、トラブルになりかねないので必ず手続きをしておきましょう。

マンション売却時の電気切り替え

Q5.住宅ローンが残っているマンションでも売れる?

これも良く質問されますが、残債があってもマンションを売ることは可能です。

ただ、この場合は買い手から代金をもらったらその場でローンを完済しなければいけません。

また、住宅ローンを借りている場合、マンション自体が担保となっているので、それを外す手続き(抵当権抹消登記)が必要です。

詳しくは、こちらの記事をご覧ください!

ローン残債があるマンションも売却できる?ローンが残る物件を売る流れ・注意点をケース別に解説

Q6.過去に人が亡くなった部屋も売ることは可能?

一緒に住んでいた親がその部屋で亡くなったという場合も、問題なく売却することができます。

ただ、孤独死で長年放置していた部屋を相続した場合などは、伝える以前に、ニオイの付いた壁紙の貼り替えなどが必要でしょう。

自然死ではなく自殺が起こった場合は告知義務があるので、必ず伝えるようにしましょう。

マンション内の病死は売却に影響する?

事故物件を売るには?価格相場と高く売るコツを紹介

Q7.兄弟で分割相続したマンションはどうすれば売れる?

親のマンションを家族で分割相続した場合、あなたの独断で売りに出すことはもちろん出来ません。

他の家族(共有名義人)としっかり話し合い、満場一致で売る方針になったなら、代表者が手続きをおこない、代金を分割するのがセオリーです。

ただ、人によっては売ることに反対だったりして、議論すればするほど関係に亀裂が入ることもあります。

こうならないように、不動産会社や弁護士を立てて話し合うのも1つの手です。

共有名義のマンション売却の流れ・注意点徹底解説!持ち分だけ売るのもアリ?

Q8.ある業者に相談したら別の会社から電話がしつこく来る…

ネットで査定申し込みをしたり、不動産会社に相談したりといったことが一度でもあると、なぜかその後、多数の不動産会社から勧誘の電話が来ることがあります。

おそらく、極秘のマンション保有リストにあなたの物件情報が登録され、流出したのが原因です。

腹立たしいですが、実は、リストの売買自体は違法ではなく、実際に名簿屋というリスト売買を生業にする業者も存在しています。

ただ、不動産会社がしつこい勧誘をすることは違法なので、警察や国民生活センターに必ず相談しましょう。

不動産査定後の断り方を紹介!しつこい営業の対策法や上手に断る方法を解説

Q9.契約の直前で売るのをキャンセルするのは可能?

売買契約を結ぶ前の段階なら、売るのを取りやめることもできます。

この段階なら、基本的に賠償金は発生せず、ペナルティはありません。

ただ、売買契約を交わし、これからカギの受け渡しという段階でキャンセルをすると、違約金が発生します。

買い手1人に対してならまだ良いですが、彼が買い換えのために他の業者と契約していたりすると、違約金が膨れ上がる可能性もあるので注意しましょう。

マンション売却のキャンセル対策

Q10.売却代金の受け取りは振込?現金?

マンションの売却代金は口座振込か小切手でもらうのが一般的ですが、希望して買い手の許可が出れば現金受け取りも可能です。

ただ、大金を持ち歩くのは危険であり、その辺のカフェやファミレスで授受するのは禁止されています。

一般的には不動産会社の事務所や金融機関の店舗で行うことが多いです。

マンションの売却代金は現金で受け取れる?

マンション売却は不動産会社選びがカギ

不動産査定

マンション売却を成功させる売り時のタイミングや価格が高騰する時期、売却時の注意点をご紹介してきました。

マンションを売却するといっても、物件価格の査定や仲介売却を依頼する不動産会社の選定、買い手とのマッチング、売買契約、引き渡しに到達するまでテンポよく進むということはありません。

売却を進めていくステップごとに、気を付けるポイントが多々あります。

マンション売却は、不動産会社の助力なしでは成立しません。

将来的にマンションの売却を実行する予定でいるなら、これを機に1度マンション売却価格の査定依頼を出してみてはいかがでしょうか。

不動産一括査定サイトおすすめ比較ランキング!不動産売却におすすめの人気15社を厳選紹介【2023年最新】
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