
【アパート売却体験談】ローン付き一棟アパートを1900万円高く売ったコツを投資家が解説
投稿者のお名前 | Kさん(仮名) |
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年齢 | 30代 |
職業 | IT企業の営業職 |
お住まい | 神奈川県 |
こんにちは。副業投資家のKです。
勤めていたベンチャー企業の業績が一気に伸び、お金をもて余している中、友人に進められたのが不動産投資でした。
2013年に買ったアパートを経営していましたが、2018年6月にアパートを売り、大成功を収めました!
ただ、ここまでの道のりは決して順風満帆ではありませんでした。
私がアパートを買った時よりも2,000万円近く高く売却できたのはなぜか、その理由なども解説していきます。
すでに不動産投資をしている方にも、これからしようと考えている方にも読んでほしい内容です。
→アパート売却の相場はいくら?高く売るには不動産会社選びが重要!
<売却したアパートの情報>
所在地 | 東京都 |
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構造 | 軽量鉄骨造(厚さ3㎜以上) |
階数/部屋数 | 3階建て/全12室 |
購入した年 | 2013年5月 |
売却した年 | 2018年6月 |
購入した年 | 2013年5月 |
売却した年 | 2018年6月 |
購入価格 | 6,600万円(税込み) |
売却価格 | 8,500万円(税込み) |

僕がアパートを所有期間5年未満で売った理由
アパートを買ったのが2013年5月、売ったのが2018年6月だったので、所有期間は5年を超えませんでした。所有期間5年未満で不動産を売ると譲渡所得税の税率が39%もかかってしまいます。
あまりに短期間の売却は多くの投資家が避ける部分ですが、それでも私は「ここで売らなきゃだめだ!」と考える理由がありました。
➝アパート経営の出口戦略!売り時のベストタイミングを見つけるポイント6選
理由①スルガ銀行の不祥事
2018年の3月くらいから、スルガ銀行の不祥事がニュースで取り上げられるようになりました。
最初はシェアハウス「かぼちゃの馬車」のオーナーに対する不正融資問題が話題でしたが、スルガ銀行は個人投資家向けのアパートローンも「闇金レベルの審査の甘さ」と良く言われていたので、恐らく銀行の融資事業全体の問題が芋づる式で発覚するだろうというのが投資家仲間たちの考えでした。
ローン審査が見直しを受けて厳しくなれば、投資市場が縮小するのは目に見えています。その前に売ってしまうのがベストなのでは?と思うようになりました。
理由②今が売り時だと感じていた
アパートは東京の下町にあるものでしたが、周辺の地価がどんどん上がってくるのを感じました。
これはおそらく2020年東京オリンピックの特需と、東日本大震災からの復興が重なったからだと考えられます。
リーマンショックと震災の影響で安く買ったアパートも、価値がどんどん上がっているのを感じました。来年(2019年)になると「好況なうちに売りたい!」と考える人が殺到すると思ったので、まだ競合が少ないうちに売ってしまおうと思いました。
理由③住宅ローンの金利が底値だと感じた
2016年のマイナス金利政策により、住宅ローンの金利は大幅に下がりました。
フラット35の金利推移を見ると、10年前から2%は低くなっています。
西暦 | 金利 |
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2008年 | 4.00%~3.05% |
2009年 | 3.95%~2.99% |
2010年 | 3.36%~2.41% |
2011年 | 3.39%~2。49% |
2012年 | 2.89%~2.01% |
2013年 | 2.98%~2.03% |
2014年 | 2.37%~1.73% |
2015年 | 2.15%~1.54% |
2016年 | 1.71%~1.10% |
2017年 | 1.64%~1.09% |
2018年 | 2.01%~1.37% |
今後は更に金利が下がると楽観視する人もいますが、私はこれ以上下がることは無いと考えていました。
その理由が、海の向こうアメリカで少しずつ株式と金利が上昇していったからです。
アメリカで金利が上がれば日本も金利が上がるのは、ほぼ確実です。
住宅ローンが1%上がれば、返済負担は1,000万円近く上がります。こうなったら投資家は一気に手を引くと思ったので、今のうちに売ってしまうのがベストだと感じました。
理由④耐用年数を超えていた
売ったアパートは耐用年数が27年でしたが、2018年時点で築29年なので、既に2年超えていました。
そのため、銀行から評価がされず、融資の足かせになっていました。
利回りも良く満室状態を保てているので、銀行に評価されなくても市場に売り出せば高額で買ってもらえると考えました。
理由⑤減税後に売っても利益は同じと判断した
皆さんは既に知っていると思いますが、譲渡所得税は保有期間(取得日から引き渡した年の1月1日までの期間)が5年を超えると税率が一気に下がります。
短期譲渡所得 | 長期譲渡所得 | |
---|---|---|
所得税 | 30% | 15% |
住民税 | 15% | 5% |
あと1年待てば税金が半額以下になるというのは迷いどころでしたが、1年後に入居期限が切れる人も数名いたので、売却価格はほぼ同じになるだろうと考えました。
利益が同じなら出来るだけ早く売ったほうが次の行動に移しやすいということで、売る決断をしました。
→アパート売却でかかる譲渡所得税とは?節税方法はある?アパートを高く売るためにやったこと
自分ながらバッチリのタイミングで売りに出せたと感じましたが、油断は禁物です。
少しでも高くアパートを売るために、いろんな努力を試しました。
ここからは、私がやったこと、意識したことは出来るだけ多く皆さんに共有したいと思います。
不動産会社選びには細心の注意を払った
アパートを売る際に絶対妥協しちゃいけないのが会社選びです。
実際に売るのは営業マンなわけですから、そこに細心の注意を払う必要が絶対にあると感じました。
まず利用したのが一括査定サイトです。
➝不動産一括査定サイト33社を比較!2018年おすすめランキング
複数のサイトを使うことで、優良業者に漏らさず査定依頼をすることができました。
査定書が届いた後は、少しでも疑問に思ったことは必ず質問しました。「どんな計算式で算出したんですか?」「他社の査定書と違うところがあるんですけど、どういうことですか?」と、しつごいくらい聞きました。
回答が曖昧なところも何社かありましたが、そこは契約候補から外すようにしていました。
「アパートの売却実績を見せてください」とも必ず聞いてました。昨年の仲介実績1万件!と書かれていても、その中のアパートの実績はわずかということも多いので、内訳は必ず聞くことをおすすめします。
売れなかった時の値下げプランを必ず聞く
査定額というのは売り出し価格の予想なので、そこだけ比べても意味がないと思いました。
A社の査定額がB社より50万円高かったとしても、実はA社は3ヶ月売れなかったら100万円値下げをするプランでいるかもしれません。それなら、50万安く売り出してすぐ成約を取れそうなB社と契約したほうがお得ですよね。
私は3ヶ月売れなければどうするか、6か月売れなければどうするかというのを毎回聞いてました。
答えがあいまいな業者、「初期価格のまま押し切りましょう!」と妙に強気な業者は契約しないことにしていました。
アパート売却で失敗する人だってほとんどが、最初は売れると思っていたはずですが、売れなかった時の対処法を考えていなかったから市場の変化に対応できず、失敗してしまったのでしょう。
不動産会社を選ぶ際は必ず中長期的なプランを話し合うようにしましょう。
空室時にキレイな写真を撮っておいた
有難いことにアパートは当時満室だったのですが、人が住んでいると希望者が内覧できないのが難点ですよね。
私は以前、空室の部屋を掃除して写真を撮っていたので、買主にそれを見せることができました。
見取り図だけでなく、写真を見せることで成約率は一気にアップします。現在空室がある方は、売る時を見越して写真を取っておくのをおすすめします。
法人向けにもアパートを宣伝するよう頼んだ
もしアパートを相場よりも高く買ってくれるとしたら、相手はこの2つのうちどちらかだろうなと考えていました。
- 経験のない投資初心者
- 節税目的の法人
普通は個人の投資家に向けてしか売り出さないですが、私は不動産会社に「法人にも営業をかけて欲しい」と言っていました。
結局購入したのは個人でしたが、法人向けの営業が成功したらもっと高く売れたとは思います。
セミナーが人気の不動産会社と契約する
不動産投資のベテランはリーマンショックや震災の教訓があり、オリンピック景気に沸く今も財布のひもは固いです。
そこで、今高く買ってくれるとしたら投資初心者だろうなーと、漠然と考えていました。
投資初心者はまず、ネットで人気のセミナーに出席します。そこで主催の不動産会社は会員登録をさせ、営業をかけていく仕組みなんだと調べてわかりました。
そこで私はセミナーが人気の仲介業者を探し、そこにも査定を依頼していました。これが一番結果に結びついたと感じています。
アパートは今後どんどん売れなくなる!タイミングを見極めて早めに売却しよう
結果的には、良いタイミングでアパートを売ることができたと思います。
その後、やはり住宅ローン審査の見直しが起こりましたし、金利も上がる傾向を見せています。
自分が1900万円の収益をあげられたのは、売るタイミングが良かったことに尽きるなぁ…と感じています。
今後もアパートが高値で売れるかというと、オリンピック終了や2022年問題を考えると難しい気がします。
ただ、市場が縮小傾向の時期でもアパートを高く売る方法は確実にあります。今後アパートの売却に臨む方は、私の体験談を少しでも参考にしてくれたら幸いです!
→損せずアパートを売る方法!売却の流れと税金・費用を解説