
不動産を高く売る方法とは?高額売却のために必ずやっておきたいポイントと注意点
不動産売却は多くの方にとって馴染みのないものです。
初めて不動産売却をする人は、知識がない分不動産業者に任せきりにしてしまうことが多いです。
しかし、どの業者に頼むかで、売値には大きな差が出ます。
では、不動産業者を見極め、高く売るにはどうすればいいのでしょうか。
相場より高く不動産売却を行う秘訣を紹介します。
➝不動産売却の方法とは?不動産を売るなら読むべき鉄則!成功した人の共通点
不動産を高く売るなら仲介売却
不動産の売却を検討する際、最も一般的な方法として仲介売却があります。
仲介売却は、不動産業者を通して、最適な買主を見つけ出し、取引を進める方式です。
多くの人々がこの方法を選ぶ理由は、適正な価格での売却や、購入希望者との交渉をプロに任せられる点にあります。
仲介売却の仕組み
仲介売却は、不動産会社を仲介として利用し、売却物件の宣伝や購入希望者の探索、交渉などを任せる方法です。
- 机上査定・業者選び
- 訪問査定
- 媒介契約
- 売却活動
- 内覧
- 売買契約
- 決済・引き渡し
- 確定申告の提出
仲介売却では、仲介会社と媒介契約を締結し、売り出した物件が購入ニーズに適った買主を探していきます。
売却活動を通じて見つけた購入希望者から寄せられた内覧対応を通して、売買契約が結ばれた仲介売却による不動産売買が成功となります。
この成功を機に、売主は仲介を引き受けた会社に仲介手数料を報酬として支払います。
家を売却するなら仲介と買取のどっちを選ぶ?各売却方法の違いや利用に適した場面について徹底解説不動産会社を仲介しないで不動産をうることは可能?
仲介売却は、高値で不動産を売りたいときに使用する売却方法です。
しかし、売買に成功すれば、仲介役を担ってくれた会社に成功報酬として仲介手数料を支払うため、結果的に手取り額が減額してしまいます。
この減額分も手取りに含めつつ、高値で取引するなら、仲介会社を介さない個人間売買という方法を取るのがいいでしょう。
個人間売買は、買主との売買が成立しても仲介手数料を支払わずに済む一方、売却活動や契約における取り決めなどをすべて個人の力で進めなければならず、1つでも不備や抜けがあるとトラブルに発展する恐れがあります。
自分で家を売りたい!不動産(土地・建物)を個人売買する手続きの流れとデメリット・注意点不動産を高く売るための戦略立案のポイント
不動産を高く売るには、状況に合わせた戦略が重要です。
ただ、不動産投資や賃貸と違い,不動産売却はマニュアルやガイド、体験談等の情報がほとんどありません。
特に実務書の存在はほとんどなく、図書館に行っても書籍は非常に少ないです。
不動産売却に取り組む場合、以下のような情報は基礎知識として学んでおいた方がよいです。
- 不動産の売却相場
- 不動産の査定から引き渡しまでの期間
- 売却仲介業者の選び方
- 不動産の査定から引き渡しまでの期間
- 売却仲介業者の選び方
- 不動産売却でかかる税金・費用 etc…
最低限の知識を付けることで手続きがスムーズになりますし、悪徳業者に騙される確率も減ります。
→不動産売却で起きる詐欺の手口・事例と仲介詐欺の対処法・相談先を紹介
高く売るか早く売るか
不動産売却には、仲介と買取という2種類の方法があります。
仲介とは、不動産業者に売却を一任し、第三者に売ってもらう方法で、買取とは不動産業者に中古物件を購入してもらう方法です。
項目 | 仲介 | 買取 |
---|---|---|
買い手 | 第三者の個人・法人 | 不動産会社 |
査定から引き渡しまでの平均期間 | 3ヶ月~半年以上 | 一か月前後(会社によっては更に早い場合も |
売却益 | 高い | 低い(相場は仲介売却時の2割減) |
精神的な安心感 | 低い(いつ売れるか分からない) | 高い(売却・引き渡しを初日に約束できる) |
転勤が控え、早く売りたい方は買取を選ぶのがおすすめです。
逆に、時間がかかっても価格を追求したいという方は、仲介売却を選びましょう。
このどちらを選ぶかが最初の大きな課題で、その後の業者選びにも大きな影響を与えます。
→【2023年】大手不動産会社ランキング!売上高・売却仲介件数・評判を比較!信頼できるのはどこ?
媒介契約を3種類から選ぶ
仲介売却の場合は、仲介してくれる不動産会社と媒介契約を結びます。
媒介契約には3つの方法があり、それぞれ内容が以下のように違います。
契約のタイプ | 契約の有効期間 | 売り手自身が買い手を見つけること | 依頼可能な業者数 | 仲介業者からの報告 |
---|---|---|---|---|
専属専任媒介契約 | 3ヶ月以内 | できない | 1社のみ | 1週間に1回、メールか文書で連絡 |
専任媒介契約 | 3ヶ月以内 | できない | 1社のみ | 1週間に1回、メールか文書で連絡 |
一般媒介契約 | 3ヶ月以内 | 可能 | 複数社と契約可能(契約数の上限なし) | なし |
一般媒介契約は複数社と契約できるのが強みですが、仲介手数料をもらえるのは早く成約した1社だけなので、会社側としては営業やPRに力を入れるリスクが大きく、なかなかモチベーションを上げてもらえません。
そのため、一般的には専任媒介契約をおすすめすることが多いです。
→不動産売却時の媒介契約とは?専任媒介と一般媒介の違いとメリット・デメリットをわかりやすく解説
ただ、別荘や人気のデザイナーズマンションなど、買い手が殺到するような立地・物件の質なら、敢えて一般媒介契約を選び、業者間の競争を煽るという手もあります。
大手に仲介を依頼するか地元中小に依頼するか
地方の物件を売りたい方が頭を悩ませがちなのが、全国展開しているような大手に依頼するか、地元の優良中小業者に依頼するかというところです。
大手と地元中小を比較すると、以下のような違いがあります。
【比較項目】 | 大手 | 地元中小 |
---|---|---|
おすすめエリア | 都市部・住宅地 | 地方・郊外 |
売却活動のコスト | 高い | 低い |
おすすめエリア | 都市部・住宅地 | 地方・郊外 |
売却活動のコスト | 高い | 低い |
集客力 | 高い | 低い |
ネットを使った宣伝 | 不得意 | 得意 |
不動産タイプごとの実績 | タイプに関わらず平均的 | 得意・不得意がはっきりしている |
地域の情報 | 持っていない | 独自情報を持っている |
担当者の対応 | 比較的ドライ | 親身になってくれる |
囲い込みの危険性 | 大 | 小 |
最新の市場動向 | 対応 | 未対応なことも多い |
検査・保証 | しっかりしている | 対応が不十分な場合もある |
近年はネットから物件を探す買い手が増えていることから、大手業者のほうが人気になりつつあります。
ただ、地域の細かい事情などは、地元の中小業者が多く持っています。
また、対応の面でも、大手は担当者1人が多数の案件を抱えており、後回しにすることもある一方で、地元中小は1つの案件に対して社を挙げて丁寧に対応してくれます。
大手と中小どちらを選ぶかというのも、高く売るには重要な判断です。
不動産を高く売るためにやるべきこと
不動産を高く売るなら、仲介売却を主体にした売却戦略で売却活動に臨むのが最適ですが、無為無策で売却に臨めば理想に適った売却結果が得られないどころか、大きな損失を被る結果になります。
最悪の場合、業者・買主との間でトラブルが発生したり、悪徳企業に騙されてしまうこともあります。
このような事態に遭遇しないためにも、入念な準備を済ませておく必要があります。
以下は、不動産を高く売るためにやるべきことです。
- 事前に売却相場を調べておく
- 必要書類を前もって揃えておく
- 不動産売却の道筋を立てる
- 最悪のケースも想定しておく
- 複数の不動産会社を比較する
- 値引きの可能性も踏まえて価格設定をする
- 要望を聞き入れてくれる不動産会社と契約する
- 問い合わせ件数は細かくチェックする
- 常に納得いく理由を求める
- 高く売れるタイミングを逃さない
- 内覧や写真撮影に積極的に協力する
- 内覧準備に力を入れる
- 日当たりをよく見せる
- 欠陥や過去のリフォームを隠さない
ここからは、上記リストで上げた14項目について1つずつ解説して行きます。
事前に売却相場を調べておく
不動産の売却を考える際、最も大切なのは現在の市場相場を正確に把握することです。
相場を知っていることで、不動産業者や買い手からの不当な価格提案を避けることができます。
また、適切な価格設定ができるため、買い手からの関心を高め、スムーズに売買契約に誘導できます。
市場の動向を理解することは、交渉時の強みとなるだけでなく、リアルな売却計画を立てるための基盤となります。
今後の不動産価格はどう推移する?市場・市況の動向・価格高騰はいつまで続くかの見通し【2023年最新】また不動産の売却相場は、一括査定サイトを含め、以下の方法を活用することで調査できます。
- レインズ・マーケット・インフォメーション
- 土地総合情報システム
- 不動産ポータルサイト
不動産売却相場を調べる詳しい方法については、こちらの記事で解説しています。
自分で家を売りたい!不動産(土地・建物)を個人売買する手続きの流れとデメリット・注意点
必要書類を前もって揃えておく
不動産の売却は多くの書類が必要です。
物件の概要や詳細、登記情報、各種証明書など、準備が求められる書類は多岐にわたります。
売却に必要な書類 | 戸建て住宅 | マンション | 土地 |
---|---|---|---|
登記簿謄本または登記事項証明書 | 必要 | 必要 | 必要 |
売買契約書 | 必要 | 必要 | 必要 |
物件購入時の重要事項説明書 | 必要 | 必要 | 必要 |
登記済権利証または登記識別情報 | 必要 | 必要 | 必要 |
土地測量図・境界確認書 | 必要 | 不用 | 必要 |
固定資産税納税通知書および固定資産税評価証明書 | 必要 | 必要 | 必要 |
物件の図面 | 必要 | 必要 | 不用 |
設備の仕様書 | 必要 | 必要 | 不用 |
建築確認済証および検査済証 | 不用 | 必要 | 不用 |
建築設計図書・工事記録書 | 必要 | 不用 | 必要 |
アスベスト使用調査報告書 | 必要 | 必要 | 不用 |
耐震診断報告書 | 必要 | 必要 | 不用 |
マンションの管理規約または使用細則 | 不用 | 必要 | 不用 |
マンション維持費関連書類 | 不用 | 必要 | 不用 |
これらの書類を前もって揃えておくことで、売却プロセスを迅速に進めることができ、買い手への信頼感も向上します。
また、事前準備が整っていることは、予期しないトラブルや遅延を防ぐ上でも有効です。
不動産売却の道筋を立てる
不動産の売却は単に価格を決めて出すだけではありません。
売却戦略、ターゲットとする客層の設定、販売方法の選択など、計画的なアプローチが求められます。
期間を設定し、その間にどのようなステップを踏んでいくのかを明確にすることで、効果的な売却活動を展開できます。
また、計画を立てることで焦りにくくなり、適切な判断を下すことができるようになります。
最悪のケースも想定しておく
どんなに計画的に進めても、予期せぬ状況やトラブルが発生する可能性はゼロではありません。
そうした最悪のケースを事前に想定し、対策や回避策を考えておくことは非常に重要です。
価格交渉での譲歩の幅や、長引く売却活動に対するリスクヘッジなど、様々な局面での対処法を予め考えておくことで、安心して売却活動を進められます。
不動産売却の期間は平均3~6ヵ月!売れるまでのスケジュールと期間内に売るポイント複数の不動産会社を比較する
不動産の売却に関わる業者は数多く存在します。
すべての業者が同じサービスを提供するわけではなく、業者ごとに強みや特色があります。
複数の不動産会社を比較し、自分の物件やニーズに最も合った業者を選ぶことは、成功の鍵となります。
また、競合する業者間での価格競争を利用して、より高い価格での売却を目指すことも可能です。
不動産一括査定サイトおすすめ比較ランキング!不動産売却におすすめの人気15社を厳選紹介【2023年最新】値引きの可能性も踏まえて価格設定をする
不動産売却時、価格設定は最も重要な要素の一つです。
仲介売却では、売主に売出価格を決定する権利があります。
しかし、高すぎる価格設定は、買い手を遠ざける原因となりますが、低すぎる価格は損失となり得ます。
売出価格を決めるときは、値引き交渉の際の余地を持たせるために、売却相場の1~2割高めに設定しましょう。
売買契約を締結する前の話し合いの場は必ず、売出価格に関する話が浮上します。
この時、値下げができる許容範囲で価格を設けておけば、最終的な売却価格が希望の価格に近づきます。市場の動向や近隣の物件価格を参考に、適切な価格帯を設定し、それをベースに少し高めの価格を提示することで、交渉時のアドバンテージが得られます。
要望を聞き入れてくれる不動産会社と契約する
物件の売却を任せる不動産会社の選び方も大切です。
自身の希望や要望を的確に理解し、それを実現するための努力をしてくれる業者との契約は、売却成功の可能性を高めます。
業者選びを進める際は、会社の実績や評価を確認するだけでなく、担当者とのコミュニケーションの取りやすさや対応の丁寧さも考慮材料として重要です。
信頼関係を築くことができる業者を選ぶことで、安心して不動産売却のプロセスを進められます。
問い合わせ件数は細かくチェックする
物件への問い合わせ件数は、その物件の人気や需要を示す指標となります。
細かく問い合わせの状況をチェックすることで、価格や宣伝方法の適切さを確認する材料として利用できます。
問い合わせが少ない場合、広告の見直しや価格調整が必要な場合があります。
逆に、多くの問い合わせがある場合は、価格の見直しの余地があります。
常に納得いく理由を求める
不動産売却に関する様々な提案やアドバイスがある中、どれも鵜呑みにしてしまうと、最適な結果を得ることができません。
業者の意見や提案に対して、納得いく理由や根拠を求めることで、その提案が自分の物件にとって適切なものなのかを判断する材料として活用できます。
納得のいく答えを得ることで、安心して進められるだけでなく、最適な判断を下すための支えとなります。
高く売れるタイミングを逃さない
不動産市場は、経済の動向や季節、地域の開発状況など様々な要因によって変動します。
そのため、物件を売却する最適なタイミングを見極めることが重要です。
例えば、大きな開発プロジェクトの発表後や、利便性が向上するインフラの建設前後は、物件価格が上昇する可能性があります。
そういったタイミングを逃さず、高く売却できるチャンスを最大限に活用することで、より有利な売却になります。
内覧や写真撮影に積極的に協力する
内覧や写真撮影は物件の魅力を伝えるための重要なステップです。
売却希望者としては、不動産業者や写真家との連携を取りながら、最高のショットや内覧体験を提供することが望ましいです。
特に、オンライン上での物件検索が主流となっている現代において、高品質な写真は物件の印象を大きく左右します。
撮影日時や角度、ライティングの工夫など、細部まで配慮することで、物件の魅力を最大限に引き出すことができます。
内覧準備に力を入れる
内覧は実際に買い手が物件を体感する唯一の機会です。
そのため、内覧時の印象が売却価格や成約の可能性に大きく影響します。
不要なものは整理し、清潔感を保つことはもちろん、香りや照明の調整など、細部まで気を配ることが重要です。
また、部屋の配置や家具の配置も見直し、空間を広く感じさせる工夫も欠かせません。
心地よい空間を演出することで、買い手の心を掴むことができるでしょう。
家を売る際の内覧ポイント16選!事前準備や当日対応のコツを網羅日当たりをよく見せる
日当たりは不動産の評価を左右する要因の一つです。
特に、日本の住宅市場においては、日当たりの良さは重要視される傾向があります。
内覧の日時を日中の明るい時間帯に設定すること、窓をしっかりと開けて自然光を取り込む工夫などをすることで、室内の明るさや心地よさを強調できます。
日当たりの良さをアピールすることで、物件の価値を上げ、より高い価格での売却が行えます。
欠陥や過去のリフォームを隠さない
物件に欠陥があったり、過去にリフォームを行った経緯がある場合、これを隠すのはおすすめできません。
隠して後で発覚すると、信頼を失い、契約が破談になる可能性もあります。正直に伝えることで、買い手の信頼を得ることができるだけでなく、その欠陥やリフォームの内容に応じて適切な価格交渉ができることから、双方にとって良好な関係を築くことができます。
契約不適合責任とは?売主が不利になる?瑕疵担保責任との違い・契約時の注意点をわかりやすく解説不動産を高く売るための仲介業者見極めのコツ
不動産を高く売るには、仲介売却を主体にした売却戦略を立てることが大事ですが、売買成功の行く末は、媒介契約を結んだ仲介会社の手腕にかかっているといって過言ではありません。
そのため、前節で紹介した準備を進めながら、優良かつ自己ニーズに適った売買サービスを提供している業者がどこになるのかを見極める必要があります。
調べた業者が良識ある優良企業であるかを見極めるときは、以下の3点に重点を置いて見極めてみましょう。
- 査定額について根拠ある説明を求める
- 類似点がある物件の売買実績を確認する
- 営業担当者の知見・態度・提案力を確認する
逆に、査定価格の結果、会社のブランド力だけで媒介契約を交わすのは非常に危険です。
ここでは、先の表で上げた3つの確認ポイントについて解説して行きます。
査定額について根拠ある説明を求める
不動産の査定額は売却活動のスタートラインです。
適切な価格設定がなされているかを確認するためには、仲介業者からの査定額に対する根拠ある説明を求めることが重要です。
- 具体的な市場データ
- 近隣の取引事例
- 物件の特性や立地条件を踏まえた詳細な分析結果
などのデータを基にした査定結果を提供する業者は、専門性と信頼性が高いと言えます。
逆に、根拠の不明確な査定を受けたときは、他の業者の意見も取り入れて比較検討することをおすすめします。
類似点がある物件の売買実績を確認する
仲介業者の売買実績は、その業者の経験や実力を示す指標の一つです。
この時、気になる仲介会社が複数社あるときは、売りに出す物件種別の売却実績を確認しましょう。
特に、あなたの物件と類似点を持つ物件の取引実績を確認することで、業者の市場に対する知見や戦略が評価できます。
例えば、同じエリアや物件タイプ、広さなどの条件で高値取引が多い業者は、そのエリアや物件に関する深い知識やネットワークを持っている可能性が高いです。
このような業者との取引は、物件のポテンシャルを最大限に引き出すためのサポートが期待できます。
不動産会社の選び方を徹底解説!後悔・失敗しない業者選びのポイント営業担当者の知見・態度・提案力を確認する
仲介業者を選ぶ際には、企業の実績や評判だけでなく、営業担当者の資質やスキルも重要な要因となります。
担当者の市場に対する深い知見、顧客への正確かつ迅速な情報提供、そして柔軟な提案力は、成功的な売却をサポートする要素と言えます。
初回の面談や査定時の対応、物件の特性や市場状況に関する質問への回答などを通じて、担当者の専門性や態度を確認しましょう。
信頼できる営業担当者との連携は、不安なく売却活動を進めるための鍵となります。
不動産会社の中には資産を騙し取ろうとする悪徳企業が紛れている
高く売る以前に、まずは詐欺に注意をしましょう。
不動産手続きは専門用語が使われることが多く、業者が裏で何をやっているか確認しずらいです。
そのため、悪徳業者が発生しやすく、また騙されても防ぎにくいです。
→不動産売却における悪徳業者の特徴と対策実印や銀行口座を共有する際などは十分気をつけましょう。
悪徳業者との契約を回避する初歩的な方法が、免許番号のチェックです。
不動産会社の広告や店頭には必ず「〇〇県知事/国土交通大臣(△)第×××××号」という記載があり、これを国土交通省のサイトに入力すれば過去5年間の行政処分情報が閲覧できます。
この番号がなかったり、検索して過去に行政処分を受けていたりするところは間違いなく詐欺団体か悪徳業者なので注意しましょう。
→悪徳・悪質不動産業者の営業手口を紹介!免許番号を調べてリスク回避
業者の得意・不得意もチェック!対応も良く、実績も十分な不動産会社に土地の売却仲介を依頼しようとしても、その業者の過去10年の仲介実績が戸建て・マンションは10万戸、対して土地は100件未満と言う場合は、契約を一旦考え直しましょう。
不動産のプロならどんな物件でも売ってくれそうなものですが、実際は業者によって得意な物件にかなり偏りがあります。
→不動産売却の得意分野を見極めて仲介先業者を賢く選ぼう検討している不動産業者の得意・不得意が気になる方は、実際に担当者へ過去のタイプ別成約件数を聞いてみましょう。
自分が売りたいものとは違う種類の取り扱いが多かったり、言葉を濁したりした場合は、再度業者選びをおこなうのがおすすめです。
不動産を高く売りたいなら一括査定サイトを使うのがおすすめ

不動産を高く売りたい方なら必須で利用したいツールが、一括査定サイトです。
これは、物件の簡単な情報を記入(所要時間60秒前後)するだけで、複数社に査定を依頼できるツールで、登録業者の広告料で運営されているため原則無料で利用することができます。
これまでは、自分で近くの不動産会社を調べて、それぞれの店舗に赴き査定を依頼。結果が届けば比較をして高いところと契約するというのが一般的でしたが、一括査定サイトでこの手間を限りなく削減できるようになりました。
また、大手が自分の県に対応していなかったり、意外に隣の県の中堅会社が対応していたりと、査定に対応している業者には一貫性がなく、自力で見つけるのはかなり手間がかかります。
一括査定サイトなら物件の所在地を入力するだけで対応業者を絞り込めるので、隠れた優良業者を見逃す心配がなくなります!
耳より情報や相場チェッカーがついた一括査定サイトも!複数利用しよう
一括査定サイトは単に査定依頼ができるだけでなく、最新の不動産ニュースや売却ガイド、手続きの方法などが掲載されているものも良くあります。
また、地域を記入すれば過去の取引事例を検索できるものもあり、効率よく不動産知識を学ぶことができます。
おすすめのサイトの詳細はこちらにまとめてあるので、合わせてご覧ください!
→不動産一括査定サイトおすすめ比較ランキング!不動産売却におすすめの人気15社を厳選紹介【2023年最新】不動産を高く売るためにやってはいけないこと
不動産売却をする方の中には事前情報が少ない中で進めていき、後になって後悔する人も少なくありません。
大切な資産である不動産を売った後に、「もう少し高く売れたのに…」と後悔するのは避けたいところです。
ここからは、不動産を高く売るために注意しておきたいNG事項を紹介します。
- 不利になる意見・提案は承諾しない
- 常識の範囲以上の金額で売らない
- 値下げ交渉に一切応じないのは危険
- 自己判断によるリフォーム・物件の解体
- 値下げ交渉を拒み続ける
- 査定価格のみで仲介会社を比較・決定する行為
不利になる意見・提案は承諾しない
不動産売却を進めていくと、仲介業者から様々な提案を受けます。
不動産売却を成功に導くための提案が多いですが、中には売却価格の値下げなど、売主にとって不利な提案をされることもあります。
仲介業者のアドバイスに沿って値下げをしたり、売却を諦めたりするほうが良いケースも多いですが、売主自身が納得できないのであれば、こうした不利な提案は受け入れるべきではありません。
不動産会社のほうでも、早く売って処理をしたい、関係の深い買主に有利な話を持っていきたい…などの事情があり、常に100%売主ファーストである確証はありません。
大事なのは仲介業者の主導ではなく、常に売主主導で売却を進められるような関係性を作っておくことです。
常識の範囲以上の金額で売らない
自分の所有している物件を少しでも高く売りたい気持ちは分かりますが、例えば本来の価値が1,000万円の家を2倍以上の価格で売ろうとしても、その価格で成約する見込みは低いです。
他社よりも高い査定額をつける会社に飛びついて契約する方も多いですが、根拠なしに高額を提示して契約を取ろうとする会社もいるので、注意が必要です。
高い価格で売り出した物件は、購入希望者がいないと値下げをするしかありません。
値下げを繰り返す物件は問題があるとみなされてしまうので、最初から適正価格で売り出した場合よりも不利な条件で成約してしまうことが多いです。
値下げ交渉に一切応じないのは危険
前述の通り、不動産取引では値下げ交渉をされることが少なくありません。
自分の物件を買い叩かれるのを警戒して交渉に応じないのも一つの手ですが、購入希望者の意見を聞かずにこちらの条件を100%吞んでくれる人を探し続けると、売り時を逃してしまうことも多いです。
値引きされても良いように売り出し価格を少し高めに設定して、値下げ額が低ければ早めに手を打つのが、高額で売却するために重要です。
自己判断によるリフォーム・物件の解体
不動産を売却する際に、物件の価値を向上させるためのリフォームや改修の取り組みは一見魅力的に思えますが、専門家の意見を取り入れずに独断でのリフォームや物件の解体に踏み切ることはリスクが伴います。
不適切なリフォームはむしろ物件の価値を下げる原因となることがある上、費用対効果を検討せずに大規模な工事を行うと、結果として投資した金額を回収できない可能性もあります。
また、市場のニーズやトレンドを無視したリフォームは、物件の売却を困難にする原因にもつながります。
リフォームやリノベーションを行う際は、一度、不動産会社に相談したうえで実行に移しましょう。
家売却前にリフォームは必要?外壁・フローリング補修の必要性やリフォーム代・期間を解説値下げ交渉を拒み続ける
物件の価格には確固たる自信を持っているとはいえ、値下げ交渉を一貫して拒否するのは適切ではありません。
市場の動向や買い手のニーズ、近隣物件の取引状況などを考慮し、柔軟な対応を心掛けることが大切です。
全ての交渉に対して頑なに拒むことで、買い手との信頼関係が損なわれる可能性がある上、物件の売却自体が難しくなります。
適切な価格交渉は、双方が納得できる取引を実現するための鍵です。
査定価格のみで仲介会社を比較・決定する行為
当然ながら、物件の査定価格は売却活動を進める上での大切な指標の一つです。
しかし、それだけを基準に仲介会社を選ぶのは避けるべきです。
高い査定額を提示するだけの会社よりも、市場の動向や買い手のニーズを正確に把握し、総合的なサポートを提供してくれる会社との取引がより成功の可能性が高まります。
また、査定額が高すぎる場合は、実際の取引価格とのギャップが生じる可能性もあります。
仲介会社の選定時には、その実績や評判、提供するサービスの内容など、複数の要因を考慮して判断することが必要です。
不動産を高く売りたいなら知っておきたいポイントをおさらい
ここでは、冒頭からここまで解説してきた内容の中で押さえておきたいポイントや本文を読んで浮上した疑問を質問形式で解説して行きます。
- 不動産を高く売るためにすべきこととは?
- 不動産を高く売りたいならすべきでない行動とは?
- 訪問査定を依頼したら絶対に売却しなきゃいけない?
- 媒介契約を交わすなら大手と地域密着型のどちらがいい?
- 相見積もりは何社出すのがいい?
不動産を高く売るためにすべきこととは?
不動産を高く売るためには、まず近隣物件の売却相場を調べ、適切な価格設定をする必要があります。
また、不動産会社選びも結果を大きく左右します。複数の不動産会社の査定を比較し、信頼できる業者を選びましょう。
売却のタイミングも考慮し、内覧の際は家の印象を良くするための準備を怠らないようにしましょう。
売却後のトラブルを避けるために、物件の欠陥やリフォーム履歴は隠さず正直に伝えることも重要です。
不動産を高く売りたいならすべきでない行動とは?
不動産売却時にまず注意すべきなのは、仲介業者や購入希望者への接し方です。
気を使って売主に不利な提案を受け入れたり、反対に、一見有利な甘い誘いに乗ったりすることのないように注意しましょう。
不動産売買は専門的な知識も必要になるので、まずは信頼できる業者を見つけて、困ったら相談できる関係性を作ることが大事です。
訪問査定を依頼したら絶対に売却しなきゃいけない?
訪問査定は、不動産の価格を確定するための一つの方法ですが、これによって売却を強制されることはありません。
訪問査定はあくまで「参考」としての査定価格を出してもらうプロセスであり、実際の取引に繋がるものではありません。
多くの場合、訪問査定後には媒介契約という新たな段階に移行しますが、これも売主の意向に基づくものです。
売却の意思が固まっていない場合や、査定額に納得がいかない場合は、無理に進める必要はありません。
査定結果を元に最適な選択を行うことが大切です。
媒介契約を交わすなら大手と地域密着型のどちらがいい?
大手の不動産業者と地域密着型の業者、どちらが良いかは一概に言うことはできません。
どちらにもメリットとデメリットが存在します。
大手の業者は、多数の取引実績や広範囲なネットワークを有していることが多く、資本力や情報発信力も強いため、物件を多くの人に露出させることが期待できます。
しかし、大手の中には、決まった手順で売却を進めていったり、顧客ニーズに対応できないなど、業者によって対応に差があります。
一方、地域密着型の業者は、そのエリアの特性や市場動向に精通しており、細やかな対応や情報提供が得られることが多いです。
また顧客1人1人が抱えている問題や事情を取り入れた売却戦略を持って、仲介売却に取り組んでもらえる可能性があります。
ただし、広範なネットワークや大規模な宣伝活動は、業者規模によって差があります。
どちらの会社に依頼するかは、最終的には、あなたの物件や売却の目的、期待するサービス内容に応じて、最適な業者を選ぶことが大切です。
不動産売却はどこがいい?大手・地元中小の良さの違いと業者選びのポイント
相見積もりは何社出すのがいい?
物件の売却を検討する際、相見積もりは非常に有効な方法です。
しかし、いくつの業者から査定を取るのが最適かは一概には定められません。
一般的に、3~5社程度の相見積もりを取りましょう。
複数の業者から査定を取得することで、市場価格の平均的な範囲や各業者の特色の比較ができます。
しかし、過度に多くの業者から査定を取得することは、管理や対応が煩雑になることもあるため、実際の取引を考える際のバランスを考慮しつつ、適切な数の業者に依頼しましょう。
不動産を高く売るために必要な情報をゲットしよう
物件を不動産売却する際に高く売るにはどうしたら良いかお分かりいただけましたか?
高く売る方法といっても、何も特別な事を意識するのではなく、準備やシミュレーションをしっかり行うといった当たり前の事が殆どです。
とはいえ、多くの人が初めて不動産売却を行うので、これらの事項をしっかり意識できる人は少ないです。
不動産売却を成功させたい方は、この記事に書いてある事を実践してみてください。
引き渡し後も費用・税金に注意することが利益確保につながる
不動産は高く売ったからお得というわけではありません。
高額利益が出れば、それに比例して譲渡所得税が発生してしまいます。
→不動産売却でかかる税金はいくら?費用の計算方法から節税・控除のポイントまで分かりやすく解説
譲渡所得が発生した場合は、期間内に確定申告をしないと、延滞金がかかってしまうので注意しましょう。
→不動産売却の確定申告は必要?申告の流れ・必要書類の書き方を完全ガイド【決定版】
また、売却損が出た場合、特例を使って所得税・住民税を節税する方法もあります。
→不動産売却で損失が発生したら繰越控除特例を使おう!売却損をそのままにしないコツ
こうした情報をしっかりチェックし、最後までスムーズに手続きをすることが、トータルの利益確保につながりますよ!
