
不動産一括査定サイトのデメリットとは?失敗した人の口コミ・リスクを回避する方法
不動産査定を検討している方なら、一括査定サイトについて知っているという方も多いでしょう。
10年ほど前から人気を延ばしてきたサービスで、完全無料で平均最大6社以上に査定依頼ができます。
home4uやイエイなど、中でも評判の高い不動産査定サイトには、1日に何件も申し込みが殺到している状況です。
ただ、そこまで便利なサービスが無料で提供されていると聞くと、「何か裏があるのでは…」と疑ってしまうのが人の常。実際にネット上では、査定サイトに関する悪い口コミが多く見受けられます。
そこで今回は、一括査定サイトのデメリットを通して、本当に利用しても大丈夫なのか、どう使えば安全なのかの結論を出していきたいと思います!

一括査定サイトを利用するリスクは主に2つ
一括査定サイトを利用するリスクとしては、主に以下の2つが挙げられます。
- 査定額が実際の売却価格と違う
- 個人情報流出のリスクがある
ここからは、それぞれのリスクを詳しく紹介していきます!
①査定額が実際の売却価格と違う
同じ不動産会社に査定依頼する場合も、来店して査定を依頼するのと一括査定サイトから依頼するのでは算出される金額が違うことがあります。
→不動産の査定額はどう決まるの?算出方法・高額査定のポイントを解説!複数社に来店する人はあまり多くないので、ほかの会社と査定額を比較される心配があまりありません。
一方、一括査定サイトは複数社の査定額を比較し、高いほうと契約をします。契約が取れないと唯一の利益である仲介手数料が入ってこないで、仲介売買業をおこなうことができません。
そのため、不動産会社としては査定額をつり上げても、売主の興味を惹いて契約を取ろうとするのです。
最大で査定額の2割増で算出してくる
一括査定サイトから依頼された場合、実際に査定した金額の2割増で報告してくる業者もいます。
売主からすれば明らかに詐欺ですが、そもそも不動産会社の査定額は法的な根拠がなく、あくまで「各社の私見」という扱いを受けるので、実際の売却価格とかけ離れていたとしても特に罰則を受けることはないのです。
初めての人には難しいですが、相手の出した査定額が正しいかどうかは自分で判断するしかないのです。
査定額が正しいか判断する方法
不動産会社が出した査定額が正しいかどうか判断するには、国交省のサイトなどを使って相場を調べ、査定額と照らし合わせるのがおすすめです。
国土交通省の「土地総合情報システム」を使って同じ地域でおこなわれた過去の取引事例を見たり、スーモやライフルホームズといったポータルサイトで周辺地域の売出物件を見たりして、「自分が持っている家はだいたいどれくらいで売れるか」を予測することができます。
→不動産売却相場の調べ方を一挙公開!マンション・家・土地のタイプ別おすすめ方法は?これは自分一人でも出来る方法で、わざわざ不動産会社に連絡する必要がなくてスムーズですが、そうはいっても参考にした家はあくまで他人の家なので、自分の家の売却価格の参考にできるという保証はありません。
ただ、自分で調べた価格を査定額と比較すれば、あまりにかけ離れた額を出した業者を排除することができるので、絞り込みがしやすくなりますよ。
②個人情報流出のリスクがある
よく一括査定サイトの口コミであるのが、「サイトから申し込んだら、依頼していない業者も含めて100件くらいから電話が来た」というものです。
ただ、実際は一括査定サイトも不動産会社も利用者の個人情報を漏洩するのは違法なので、申し込んだ業者以外に連絡先をバラしているとは考えにくいです。
それでも、正直に言えばサイトを利用したら申し込んでいない業者からも電話が来た…というケースは存在します。
「査定をした」というアクションがバレた
不動産会社が考える「地域の中で高く売れそうな家」というのはだいたい同じで、デザインが良く面積もそこそこ広く、駅までの距離が短い家です。
こうした目ぼしい家の動向は各社が情報共有をしながら見守っていることが多く、もしそういった家が査定を依頼したことが広まれば、少なくとも売却意欲があると思われてガンガン営業電話が来る可能性があります。
不動産の持ち主の個人情報は登記事項証明書(登記簿謄本)にまとめられており、本人以外の誰でも閲覧することができます。
不動産業界のネットワークによって査定依頼をしたことがバレたとしても不思議ではありません。
名簿屋によって個人情報がバラされた可能性も…
もう一つ知っておきたいのが、名簿屋の存在です。
これはさまざまな人の個人情報を調べ、警察や不動産会社に共有している業者です。
これだけ聞くと完全に法律違反な気もしますが、名簿屋は法的に認められた職業です。
名簿屋が査定したことを嗅ぎ取った不動産会社に依頼をされ、電話番号を渡したとしても不思議ではありません。
個人情報流出のリスクは常に付きまとう
日本の不動産業界は世界的にみても閉鎖的と言われています。
その理由としては、何十年も営業している老舗業者や地方の他業種と結びつき地主化している中小業者の存在、また彼らが敷いた慣習や暗黙のルールの存在があります。
新しくできた不動産会社の中にはもっと透明度の高い取引を目指す業者もいますが、こうした会社に限って如何せんサービスが充実していないことが多いです。
利用してみるとわかりますが、不動産会社と契約をしても本当に販売営業をしてくれているのか、広告を作って集客をしてくれるかといったところはかなり見えにくいです。見えにくいからこそ、最初の不動産会社選びが重要なのです。
→【2018年】大手不動産会社ランキング!売上高・売却仲介件数・評判を比較しつこい営業電話がかかってきても大丈夫!確実に撃退する方法を紹介
もし、しつこい営業電話がかかってきたとしても恐れる必要は一切ありません。
そもそも不動産会社は個人に対する迷惑電話を法律で禁止されているので、出るところに出れば確実に撃退はできます。
迷惑電話の定義としては、以下の4点が挙げられます。
- 勧誘するときは勧誘する側の身元を明らかにして行わなければならない
- 相手が売却の意思を示さないにも関わらず、勧誘を継続してはいけない
- 迷惑だと感じさせる勧誘はしてはいけない
- 相手が売却の意思を示さないにも関わらず、勧誘を継続してはいけない
➝不動産屋のしつこい営業電話を断りたい!迷惑電話を撃退する意外な方法とは?
監督官庁に相談して勧告をしてもらう
監督官庁とは、その名の通り不動産会社の営業を管理する義務のある組織で、自治体や国土交通省などが挙げられます。
正規の不動産会社は全て免許番号が割り振られているので、そこから電話元を割り出して罰則を与えたり、業務停止にしたりすることができます。
➝悪徳・悪質不動産業者の営業手口を紹介!免許番号を調べてリスク回避
行政から勧告を受ければ、これ以上迷惑電話をかけてくる可能性はほぼないでしょう。
一括査定サイトで損をする原因はサイト側にあることも
依頼した不動産会社に問題があるばかりではなく、利用したサイトに問題があるかもしれません。
一括査定サイトを運用しているのは、不動産会社ではなくIT企業です。
IT企業がWEBでの高い集客力を生かし、ネットから査定できるシステムを開発して不動産会社に営業をかけます。
不動産会社にとってネット集客の弱さは死活問題なので、それを補ってくれるIT企業はありがたい存在なのです。
こうした不動産会社は、「1件の申し込みにつきいくらを支払う」という契約の上でサイトに登録してもらいます。
ただIT企業は1人1人の売却を最初から最後までサポートすることはなく、申し込み情報を不動産会社に送れば仕事は終わりなので、悪く言えば利用者の事情など「知ったこっちゃない」のです。
元も子もない話ではありますが、そもそも相談をせずにネットで申し込むということ自体がリスクを伴うものであると知っておくべきなのです。
良い一括査定サイトを見分ける3つのポイント
一括査定のシステム自体はそこまで作るのが難しいものではありません。
少しシステムに覚えのある方なら、一人でも作れてしまうものです。
実際に「一括査定サイト」で検索すると、「これ明らかに素人が作っただろ…」と思うものがいくつか紛れてしまっています。
たくさんある一括査定サイトの中からどれを利用するべきかは、主に3つのポイントで見極めることができます。
- サポート体制がある
- 査定できる物件のタイプが多い
- 大手の登録業者が多い
サポート体制がある
一括査定サイトには、査定サービスの他にオペレーターによる相談サービスを提供しているところがあります。
オペレーターサービスと言うからにはその会社には不動産会社に詳しい複数のスタッフがいるということになります。あくまで憶測に過ぎませんが、不動産に詳しい人が多ければ多いほどしっかりしたサービスである可能性は高いです。
前述の通り、査定サイトは仕組みさえあれば不動産について知らなくても運営できます。ただそれでは利用時にどこかでボロが出る可能性は高いのです。
査定できる物件のタイプが多い
一括査定サイトの中には、家(戸建て)、マンション、土地の3種類しか査定依頼ができないところもあります。
今後増やしていくプランなのかも知れませんが、どちらにしろこの分け方では高精度の査定サービスとは言えません。
しっかりした査定サイトなら、少なくとも以下の8種類は査定依頼ができるようになっています。
- マンション
- 一戸建て
- 土地
- ビル(一室)
- マンション(一棟)
- アパート(一棟)
- ビル(一棟)
- 工場
- 倉庫
その他にも、 サイトによっては店舗や農地の査定に対応しているところもあります。
査定できる物件が多いということはつまり、登録業者のバリエーションが広いということでもあるので、一括で査定依頼をして比較した時の効果がより大きいです。
大手の登録業者が多い
大手の登録業者が多ければ、悪徳なサービスをおこなうサイトの確率は低いでしょう。
例えば、査定サービスが有名な5サイトは、以下のような大手業者が登録されています。
主な大手登録会社 | |
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SUUMO |
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ライフルホームズ |
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home4u |
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アットホーム |
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スマイティ |
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大手の登録があるということはそれなりに営業力・実績があるということになるので、ある程度のサービスの質は保証されていると考えられます。
一括査定サイトには悪い口コミがいっぱい!どこまで信じていいの?
「対応が最悪でした」「申し込んでから電話が鳴りやまない」…。
一括査定サイトを利用した方の口コミを見ると、ネガティブなものばかりが目に入ります。
サービスが魅力的なのはわかりますが、こんな口コミばかりだと使いたくはないですよね?
ただ、これはあくまでネットの情報なので、どの程度信ぴょう性があるかはわかりません。
一括査定サイトのネガティブな口コミはどこまで信じれるのでしょうか?
サイトの触れ込みと業者の対応が異なる
こうした一括見積サービスは引っ越しや外壁塗装などさまざまな種類のものがあります。
しかし、こうしたサービスと不動産の査定サービスは、取り扱うものが超高額という点で異なります。
サイトを運営するIT企業はなるべく申込者を増やしたいので「気軽にご利用を!」なんて言ってきますが、不動産屋は申込者が売却に失敗するのを防ぐためになるべく細かい情報を聞いてこようとします。
こうした、IT企業が出した触れ込みと不動産会社の差が「対応がしつこい」という印象を与えてしまった可能性も十分にあります。
そもそも本当に”迷惑電話”だった?
一括査定サイトは申込時間を短縮するため、記入項目をかなり省いています。
実際はこれだけの情報で査定・売却をすることは不可能で、担当者の訪問調査をはじめ、売主の状況把握などより詳しい情報が必要となります。
そのため、いくつかの不動産会社は申込後に電話をして追加で質問をしますが、これをユーザーが”迷惑電話”と捉えてしまう可能性も十分にあります。
これに関しては詳しい査定額を算出するために必要なので、しっかり対応するようにしましょう。
ただ、1日で6社からこうした連絡があれば、「しつこい」と感じるのもわかります。これが不安な方は、最大でも一括で依頼するのは3社程度に留めておくと良いでしょう。
軽い気持ちでサイトを利用する人もいる
査定(見積もり)と聞けば、「ただ値段を調べるだけ」という印象を受けますが、不動産売買における査定は、媒介契約の前段階になる重大な作業です。
→専任媒介がおすすめ!不動産売却の媒介契約について解説不動産会社と媒介契約を結ぶ際は、必ず簡易(机上)査定※カットすることも→訪問査定→媒介契約という手順を取ります。つまり査定を依頼した時点で、不動産会社に「うちを契約先の候補として考えている」と見なされてしまうのです。
不動産を売れば国土の活用状態が変わるので、国や自治体がさまざまな制限を加えています。また、不動産を売ると譲渡税や印紙税といった高額な税金や仲介手数料が売主にかかります。
こうした話は不動産を売りたい方のほとんどが知らないので、不動産会社は熱意をもって”契約候補者”に伝えようとします。
ユーザーと業者の認識・熱意のズレが、悪い印象を与えている可能性も高いです。
高く売りたいなら査定サイトの利用は必須!ただ問題があっても自己責任なので要注意
不動産を高く売りたいと思ったら、一括査定サイトの利用は必須です。
今は査定額と実際の売却価格のズレがほとんどなくなっているので、比較をして高く見積もってくれた業者と契約をすれば、高く売れる可能性は非常に高いです。
しかし一方で、紹介したような利用のリスクがないわけではありません。
前述の通り、不動産を査定する先は契約先候補と見なされますし、いくらこちらが気軽な気持ちで申し込んだとしても、売却の準備段階として扱われてしまいますのです。
一括査定サイトを利用して損をしても、結局は自己責任です。ここで紹介した最低限の知識を持って、慎重に利用することをおすすめします。
→【完全版】家売却の方法を徹底解説!売れ残った場合の対処法はある?
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