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後期高齢者が不動産売却をするときの注意点!保険料の値上げ・年金減額の仕組みを分かりやすく解説

【更新日】2023-12-12
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後期高齢者の不動産売却
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不動産売買の中心は30~40代の層だといわれていますが、中には後期高齢者と呼ばれる75歳以上(寝たきり等の場合は65歳以上)の方もおこなうケースがあります。

相続に向け、これまでの資産の換金と分割をおこないたいといった理由が多い後期高齢者の不動産売却ですが、この場合は費用や税金の値上げなど、通常の取引とは異なる部分も出てきます。

そこで、この記事では具体的にどのような点が違うのか、対策法はあるのかといったことについて解説します。

後期高齢者の年金は不動産売却で減額される?

後期高齢者が不動産売却をするときに特に心配なのが、年金の影響でしょう。

不動産売却で年金は減額される?仕組みについて年金停止になるかとあわせ解説

不動産売却と年金の関係は良くきかれますが、結論から言うと不動産を売って利益が入ったからといって年金が値上げするということはありません。

不動産を売却すると副収入が入り、確定申告の必要があるといった情報を誤って認識したりして、こうした誤解へ結び付いてしまったようです。

たしかに、60歳以降の年金受給者のうち、厚生年金の被保険者である、保険料を払いつつ給与を受けている方は年金が減額されます。

不動産売却益と給与の違い

前述の通り、売却益は給与とは異なる概念です。

たとえば、サラリーマンの方であれば会社からの給与は確定申告してもらっていますが、売却益は臨時収入としてみなされるので、自ら確定申告をおこなう必要があります。

不動産売却の確定申告は必要?申告の流れ・必要書類の書き方を完全ガイド【決定版】

このように、手続きや課税についても明確に分けられているのです。

不動産売却は税金がかかる

ただ、未だ現役で働いている後期高齢者の方が年金を減額されるのと同じように、不動産売却によって利益が出ると新たな税金が課されます。

具体的には、所得税および住民税に課税・増税されるようになります。

また、その他にも健康保険の保険料がアップする可能性もあるので、注意が必要です。

不動産売却によって保険料も値上がりする?社会保険・国民健康保険(介護保険)や譲渡所得の特別控除について解説

後期高齢者が不動産売却する際の注意点

正確な査定を行ってくれる業者をみつけにくい

不動産の価格は、エリアや物件状態により価格は大きく変動するので、市場価格を理解し、適切な価格設定を行うことが必要です。

後期高齢者だけでないですが、不動産の正確な評価を算出するためには、不動産に対する深い知識が求められます。

特に後期高齢者は、インターネットに詳しくない方が多いので正確な評価をしてくれる不動産業者を見つけづらいです。

税金の制度が変化している可能性がある

不動産売却から得られる収益は、一定の税金が課されます。

後期高齢者の場合は、過去に不動産を売却した経験から税金についても前回と同じようにしてしまうこともあります。

しかし、税制度などは年とともに変化があるので、その時その時のルールに則って納税をする必要があります。

最新の情報を手に入れるか、税の専門的な知識を持っている人にアドバイスを求めるようにしましょう。

相続税問題が発生する可能性がある

不動産売却は相続税問題と密接に関連しています。

特に、後期高齢者は若者よりも相続の問題に直面する可能性が高いので、相続税問題にまで気を払う必要がります。

相続した物件を放置していて空き家としていた場合でも、何かトラブルが発生した際はその所有者が責任を取らなければいけないので、思いもしていないタイミングでトラブルに巻き込まれてしまう可能性もあります。

売却後の生活設計を考える

売却後の生活設計も重要な要素です。

不動産を売却するということは、これまでの生活から新しい生活に切り替わるという事でもあります。

売却後の設計をしっかりとした上で、不動産を売却するようにしましょう。

後期高齢者は保険料の値上げに要注意

年休受給者は社会保険ではなく、国民健康保険へ加入します。

その中でも、後期高齢者は、後期高齢者健康保険という独立した保険に加入するようになります。

これらの保険は前年の所得に応じて決定します。

つまり、給与か臨時収入かに関わらず所得総額がいくらかによって料金が変わるので、不動産売却によっても金額は上昇する仕組みとなっています。

値上げ対象になるのは、不動産を売った次の年の保険料のみではありますが、急に高額の請求がきて驚く方も多いでしょう。

また、支払い時期が引き渡しの翌年となっているので、得た利益を引っ越し費用などに利用し、ちょうど残り少なくなったタイミングでの請求ということも、注意が必要な点です。

後期高齢者が不動産売却の費用を抑えるポイント

不動産売却によってかかる費用を抑える方法には、まず誰かの扶養に入るということがあげられます。

しかし、現行の制度では後期高齢者を扶養に入れることはできません。

これは後期高齢者保険が家族の健康保険と切り離されたものとして見なされているからです。

2009年の民主党への政権交代時には、この医療制度の撤廃がマニフェストとなっていましたが、結局実行されることはなく今に至っています。

70~75歳までに売却するのがおすすめ

75歳を過ぎると扶養に入ることはできなくなるので、事実上は子どもが主体となって不動産を売るという場合は、75歳以前に取引をすることをおすすめします。

中でも、70歳以上75歳未満の時期に扶養に入れると、控除額が拡大するのでおすすめですよ!

扶養家族の人数に変更があったときは、その都度健康保険の届け出が必要といった手間はありますが、認められれば問題なく加入することができます。

不動産売却をすると扶養から外れる?売却後の扶養・配偶者控除の状態と外れた時の税金の影響

高齢者の不動産売却で問われる判断能力

従来は中高年が老後に備えて持ち家を売却して賃貸に移ったり、親の死後に相続した物件を売却したりするケースが多くありました。

しかし近年では、平均寿命が延びたことにより、高齢者自身が売主として不動産取引をおこなうことも増えてきました。

この時に問われるのが、不動産取引で必要な判断能力を有しているかという点です。

高齢者が不動産取引に必要な判断が出来ているかどうかは、意思能力と行為能力の制限度という2つの指標によってチェックされます。

①意思能力

認知症など、高齢により行為者の判断能力が低下しているとみなされた場合、正当な不動産取引だと認められないケースがあります。

不動産取引では、契約書の内容や不動産会社からの説明に含まれる法的な結果・意味を売主・買主が理解できている必要があります。

しかし、行為者が高齢で認知症を患っている場合、以下の因果関係が理解できなくなります。

  • 不動産を売ると、代金を貰える代わりに所有権を失う
  • 不動産を買うと、新しい物件を取得できる代わりに支払いが必要になる

上記の内容を理解するためには、7~10歳程度の理解力が必要とされています。

不動産取引の状況によって難易度や必要な能力は異なるので、行為者に十分な意思能力があったかどうかは個別の事例によって総合的に判断されます。

②行為能力の制限度

本来、高齢者の不動産取引は個別の事例を一つ一つチェックしなければいけませんが、全ての取引をチェックするのは時間がかかるため、活発な取引を阻害してしまいます。

そのため、成年後見・被保佐人・被補助人などの制度によって高齢者の行為を制限することが認められています。

高齢者の意思能力が低下していることを前提とすると、不動産取引に関わる全ての事象を本人に任せるとトラブルは免れないので、行為能力を制限して健康な親族等と補いあいながら手続きを進めることで正当な取引が認められます。

本人が精神上の障害により弁識能力を欠く場合、家庭裁判所が審判をおこない、後見人を選任します。

高齢者を補佐する後見の仕組みは、内容に応じて3つに分かれています。

成年後見 代理で契約などの法律行為をおこなう
保佐 重要な行為について、保佐人の同意が必要になる
補助 本人が助けを必要とする場合、部分的に同意見・代理権が与えられる

後期高齢者の不動産売却で後見制度を利用するケース

後期高齢者の不動産売却は本人が執り行うことも多いでしょうが、子どもが主体となっておこなうことの方が多いのではないでしょうか。

不動産売買は代理人を立てておこなうことが許されているので、代理の同意さえあれば子どもが代行することも可能です。

不動産売却は代理人に依頼できる?委任すべきケース・注意点を解説

ただ、この同意をもらうのが難しいのも後期高齢者の売却の特徴です。

長年住んできた家に対する愛着や、受け継がれてきた資産を伝えようという気持ちは、今の若者世代には理解できないほどあります。

まずは、不動産売却に関してざっくばらんに語りあうことが重要です。

議論する場合に注意すべきこと

しかし、こうした話し合いは何よりも相手を尊重することが大切です。

家族だから何を言っても大丈夫だというようなスタンスで議論をして、絶縁状態にまでなってしまった例はいくつもあります。

家や土地は人によっては強い愛着があるものであり、同時に非常に高額なお金が動くものでもあります。

「お金は人を狂わせる」と言いますが、その他にも権利関係や相続の場合は故人との関係や因縁といった難しい要素が含まれているので、デリケートに扱ったほうが良い話ではあります。

ただ、ざっくばらんに議論をしなければ答えが出ないという場合は司法書士や業者、あるいは弁護士といった第三者を挟んでおこなうのがおすすめですよ!

不動産売却で司法書士は何をするの?売買契約は立会可?役割と費用相場を解説

後期高齢者が不動産売却をする際のよくある質問Q&A

後期高齢者が不動産売却をする際のよくある質問について回答していきます。

不動産売却を考えている後期高齢者やその周りの人は、しっかりとした準備や事前調べを行った上で売却するかどうかの判断をするようにしましょう。

不動産査定はどこに依頼すればいいの?

不動産査定は、不動産仲介・不動産買取会社に依頼することで査定ができます。

しかし、一社ずつに依頼をするのは後期高齢者にとっては大きな負担となってしまします。

そこで、おすすめなのが不動産一括査定サイトです。

不動産一括査定サイトであれば、一度の申請で複数の不動産会社に対して査定の依頼をすることができます。

不動産査定にかかる費用は?

不動産売却が目的の不動産査定依頼であれば、不動産会社が無料で査定をしてくれます。

不動産査定に費用がかかるのは、国家資格である不動産鑑定士に物件の価値を知る目的で依頼をする時が多くなります。

売却目的なのに、査定に費用がかかる場合は悪徳な不動産会社である可能性もあるので利用するかどうかは慎重に判断する必要があります。

売却後の生活設計を考える

住居として利用していた不動産を売却する場合は、これまでの生活から全く新しい生活になるという事でもあります。

後期高齢者の場合はちょっとした段差などもケガの元となり、これまでは住み慣れた家であったからケガすることなく生活を行えていても、新居になってしまうと生活に慣れていなくケガをしてしまう可能性があります。

色々なことに考慮した上で売却後の生活は安泰と判断できてから、不動産を売却するようにしましょう。

相続のことも考えて不動産売却をおこなうのがポイント

後期高齢者が不動産売却をする場合、さまざまなリスクがあります。

例えば自子に向けて売る場合、住宅ローンの審査に通りにくくなります。親しい間柄の不動産売却は税金対策とみなされることが多いので、金融機関が警戒するからです。

不動産を子供・配偶者に売却するメリットは?親子・夫婦など家族・親族間の取引の特徴を解説

その他にも、手続きの途中で認知症になってしまえば、判断能力欠如のため、取引が中止される可能性が高いです。

不動産を認知症の親に代わって売却する方法!代理人が認められないケースもある?

加えて、上記で挙げた保険料の値上げなど、予期せぬタイミングでコスト・余計な手続きが増えるリスクは、若年層の不動産売却よりずっと高いです。

子供・孫にお金を残すはずが迷惑になることも…

子どものためを思って不動産を残したはずが、迷惑になるケースは多いです。

不動産は持っているだけで固定資産税がかかりますし、築年数が経過するほど管理費がかかります。

処分の方法を巡って、子ども達がトラブルを起こすかも知れません。

実家を売却する手順を紹介!相続の注意点や損せず売るポイント・費用や税金を解説

その点、生前のうちに売ってしまい換金した上で配分するのは理想的ですが、それでもトラブルには繋がりにくいです。

では、どうすればトラブルを回避できるかというと、ズバリ高く売れば良いのです。

相続人が複数いる場合も、配当金が高ければそれぞれ納得しやすくなります。

万が一コストが予想以上にかかったとしても、高利益ならその一部を費用補填にあてれば良いだけです。

このように、リスクの多い高齢者こそ、不動産売却では高利益を目標にすることが大切です。こちらの記事などを参考にしながら、万全の準備をしていきましょう!

不動産を高く売る方法とは?高額売却のために必ずやっておきたいポイントと注意点

不動産一括査定サイトを活用しよう!

不動産を高く売った方のほとんどが活用したツールが、一括査定サイトです。

これは、簡単な物件情報を1分ほどで入力・送信するだけで、こちらに紹介されているような大手業者平均6社ほどへ、一括で査定依頼できるスグレモノです。

【2023年】大手不動産会社ランキング!売上高・売却仲介件数・評判を比較!信頼できるのはどこ?

複数業者の査定額を比較すれば、どこが最高額で評価してくれるかわかります。最寄りの不動産屋と契約する場合と比べ、約3割は利益がアップしますよ!

こちらに一括査定サイトのより詳しい使い方と、おすすめのサイト紹介をしているので、ぜひお読みください!

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