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不動産売却で消費税はかかる?課税・非課税の条件と課税額の計算方法・注意点

【更新日】2022-08-12
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不動産売却でかかる消費税

不動産を売ると、消費税が課されることがあります。

不動産売却の税率は2022年7月現在は年10%ですが、不動産売買では非常に高額が動くため、課税の条件を知らないと思わぬ出費が発生する可能性があります。

ここからは、不動産売却をおこなう上で注意したい、消費税の課税対象や条件について解説していきます。

不動産売却でかかる税金はいくら?税金控除する方法や計算方法を解説!

消費税とは?

毎日当たり前のように払っている消費税ですが、ちゃんとした内容を知っている人はほとんどいないと思います。

消費税を一言で表すと、「商品・サービスに対して課税される間接税」となります。

役所におさめる税金(直接税)とは違い、商品の販売先に徴収します。

不動産売却で重要となるのが、商品・サービスに対して消費税は課されるという部分です。

具体的に言えば、大きく3種類の取引に対して消費税は課税されます。

  1. 事業者が事業目的でおこなう取引(商品の販売など)
  2. 対価を得ておこなう取引(いらない品物の売買など)
  3. 資産の譲渡(貸付など)

一方、宝くじや寄付、古着や古本の販売などには消費税がかかりません。

不動産売却時に消費税の課税対象となるもの

不動産売却時に発生する収益や税金は、消費税の課税対象になるものもあれば、非課税になるものもあります。

ここからは、消費税の課税対象になるものを1つずつ紹介していきます。

個人による収益物件の売却

不動産投資の対象となる物件を、収益物件と呼びます。

不動産投資は一定額を超えると事業とみなされることからも分かる通り、消費税の課税対象になります。

収益物件の売却も不動産投資の出口戦略とみなされて、収益に対して消費税が課税されます。

法人による不動産売却

法人が安定収益を得ることを目的として、メイン事業と並行して不動産事業をおこなうことも多いです。

また、社員寮や会社の駐車場などを会社が所有していることも多々あります。

結論から言うとそれが収益目的に購入されたものでも、社員のために購入されたものでも、売主が法人であれば消費税はかかります。

法人が不動産を売却する場合は税務上の取り扱いがややこしいので、税金の仕訳には注意しましょう。

法人の不動産売却でかかる税金は個人とどこが違う?課税・納税の仕組みとポイント

仲介手数料

意外と知られていませんが、仲介手数料を算出する際は消費税の取り扱いが重要になっています。

仲介手数料は、不動産の税抜き価格に対してかかります。対して不動産は税込み表示が一般的なので、今なら10%を引いてから以下の表に当てはめて計算していきます。

取引額 仲介手数料(法定の上限額)
200万円以下 売却額×5%
200万円超400万円以下 売却額×4%+2万円
400万円超 売却額×3%+6万円

算出したら、その数字に110%をかけて戻します。この過程がないと仲介手数料に大きな誤差が出るので注意しましょう。

司法書士への報酬

住宅ローンの抵当権(担保)を抹消したり、所有権を売主から買主へ移転したりする際は、司法書士に依頼をするようになります。

不動産売却で司法書士は何をするの?役割と費用相場について

司法書士への依頼料は1万5000円ほどですが、この金額は消費税込みで算出されるため、増税すればその分負担が大きくなります。

不動産売却時に消費税が課税されないもの

マイホーム(居住用不動産)の売却

まず、住まいとして利用していた建物を売買する際は、消費税はかかりません。

売主は自分の大事な家を売り、その対価を貰います。そのため、消費税がかかってもおかしくありません。ただ、一戸建ての売却相場は2,000万円~3,000万円なので、消費税が8%とすると160万円~240万円もの高額費用がかかります。

普通の人はそんな高額な税金を払えないので、国が中古物件の流通を活発化させる意味で免税にしているという側面もあります。

土地の売却

法人が売主の場合でも、土地を売る場合は基本的に消費税がかかりません。

なぜ土地が課税を免れるのかというと、簡単に言えば土地は固形資産ではないからです。

家やマンションは固形資産であり、築年数が経つに連れて価値が消費されている、まさに消費物です。

その一方で土地は資産ではなく、持ち主が変わるのは権利の移転という意味合いが強いです。

これは、建物は持ち主の完全な所有物ですが、そもそも土地は誰のものでもなかったところに線引きをして所有権を分割したからです。

もちろん時間の経過によって価値が落ちるということもありえないので、土地利用は消費ではなく、課税もされないのです。

これは、例えば建物が土地と一緒の、いわゆるマイホームの形で売り出される場合も同様に、非課税となります。

ただし、土地の売却でも以下のようなケースは消費税の課税対象になるので、注意する必要があります。

  • 土地に事業用設備が設置されている(太陽光パネル、トランクルームなど)
  • 土地を事業目的で舗装・改造している(駐車場など)

借地権

借地権とは、地代を支払った上で他人から土地を借りる権利のことです。

お店などを出す際に、アクセスの良い土地を借りて、そこに店舗を設営し、地代を払いながら運営するということがあります。

この借地権は、原則課税対象にはなりません。

地上権

地上権は、他人の土地において、建物などを所有するため、自由に土地を利用できる権利のことです。

借地権が債権である一方、地上権は物権であり、地主の許可なく譲渡や転貸ができるといった強い権利が与えられています。

この地上権も非課税の対象になります。

木・石・生垣など

土地の中にある木や石といった自然のものも、消費税課税の対象にはなりません。

土地に生えている木は材木として換金することができますが、この際も消費税は発生しません。

不動産売却で発生した消費税の計算方法

家を売って消費税が発生した場合、単に売却価格に税率をかければ納税額を算出できるわけではありません。

実際に消費税が発生した場合に納める金額は、次の通りです。

売上にかかる消費税(預かった消費税)-{消費税がかかった仕入れ+消費税がかかった経費}

お店に支払った消費税は、一旦お店側が預かった上で国や自治体に納付をします。

これと一緒で、消費税を預かった売主が一部を税務署に納めなければいけません。

例えば、こんな戸建ての家を売却したとします。

            
購入時の土地部分購入時の建物部分 売却時の土地部分売却時の建物部分
当時の価値 1000万円 2000万円1000万円 1000万円
かかる消費税 0円 60万円(3%)0円 80万円(8%)

この時、支払う消費税は売上にかかった消費税(80万円)-仕入れにかかった消費税(60万円)=20万円となります。

「課税売上に準ずる割合」を利用できるケース

前述の通り土地売却には消費税がかかりませんが、これは日本政府の独自の判断によるところが大きく、現にオーストラリアなどでは土地売却にも当たり前に消費税がかかります。

A社が持つ事業所とB社が持つ土地はどちらも同じ価値で同じ維持費がかかったのに、利益は大幅にA社が高いというのは不公平ですよね。

そこで用意されているのが課税売上割合に準ずる割合です。この割合は、主に以下の2つのケースで利用することができます。

  • 臨時的な事由(たまたまの理由)で土地を売る場合
  • 事業者・法人が消費税課税対象と非課税対象の2種類の事業を営んでいる場合

これらのケースをわかりやすく言うと一体どうなるのか、詳しく解説していきます。

①臨時的な事由(たまたまの理由)で土地を売る場合

こちらに関しては字義通りで、「たまたま」であることを税務署に証明することができれば以下のうち低いほうの割合が適用されることになります。

  • 土地を売った年の前年以前3年間の通算課税売上割合
  • 土地を売った年の前年の通算課税売上割合

②事業者・法人が消費税課税対象と非課税対象の2種類の事業を営んでいる場合

例えば、小売業と賃貸業の2つの事業を営んでいる場合、小売業は課税対象ですが賃貸業は非課税です。

そのため、どちらかが7:3や8:2の割合で上手くいっている場合、同じ売上だとしてもかかる税金は大きく異なります。

このケースを是正するために、売り上げをこちらのように分解して、課税対象のものは課税をして、非課税のものは非課税で計算をすることで最適化できます。

  • 事業部ごとの売り上げ
  • 取引件数など

法人・個人事業主の消費税課税の条件

法人や個人事業主が不動産を売却しても、100%消費税が課税される訳ではありません。

不動産の売却価格は数百万円~数千万円に上るので、年10%の課税となると非常に高額な負担となります。

そのため、法人・個人事業主ともに非課税になる条件が設定されています。

ここからは、法人・個人事業主の課税条件を紹介していきます。

法人の課税条件

法人が不動産を売却する場合は、消費税が原則課税されます。

ただし、基準期間の課税売上高が1,000万円以下の法人に関しては、免税事業者として扱われます。

基準期間の課税売上高とは、前々年度の売上金額のことを指します。

小規模な会社やスタートアップ企業は、免税事業者となる可能性が高いです。

個人事業主の課税条件

個人事業主は基本的に消費税が課税されることはありません。

ただし、認定される年の1月1日~6月30日の間に1,000万円以上の売上が発生すると、課税事業者扱いに変更となり、消費税の課税義務が発生します。

不動産売却で消費税が課税された時の納付の流れ

不動産売却で消費税が課税されたら、正しいやりかたで納付をする必要があります。

不動産売却で消費税を納付する場合は、通常とは異なる納付の方法をしなければいけません。

ここからは、消費税納付の流れを手順に沿って紹介していきます。

【Step1】確定申告・納付

消費税を納付するために、まずは税務署へ確定申告を行わなければいけません。

申告期限は法人か個人事業主かで異なるため、事前に把握しいておく必要があります。

  • 個人事業主・引き渡しの翌年3月31日までに申告
  • 法人:課税期間の翌日~2か月後までに申告

手続きが期限を過ぎると滞納となってしまうので、注意が必要です。

また、この際に課税額の納付も行います。課税額の支払いは、以下のような方法で実施できます。

  • 税務署の窓口で納付
  • 口座引き落とし
  • コンビニでの納付
  • クレジットカード・e-Taxなど

【Step2】中間申告・中間納付

消費税の納付額が一定額を超えると、中間申告・中間納付といって、年数回に分けて申告と納付が必要になります。

不動産売却で消費税が課された場合は、この作業が必要になる場合が多いです。

中間申告が必要になる時は税務署から通知が来て、そこで申告期限と納付額も記載されています。

期限に遅れないよう、早めに対応しましょう。

不動産売却での消費税の注意点

個人の不動産売却で消費税が免除されるのはありがたいですが、実際は細かい費用の中に消費税がかかったり、かからなかったりするので一層ややこしい部分もあります。

ここからは、不動産売却で注意しておきたい、消費税にまつわるポイントを整理していきます。

広告に記載される不動産価格は税込み

個人の不動産売却では消費税が課されない一方で、広告で表示される売却価格は全て税込表示になっています。

これは、「不動産の表示に関する公正競争規約」(表示規約)というもので決められている、いわば業界内の決まりのようなものです。

ただ、この場合も土地部分に課税はされません。

  • 建物部分の広告表示価格:消費税含む
  • 土地部分の広告表示価格:消費税含まず

非常にややこしい部分なので注意しましょう。

仲介手数料は抜きの売却価格に課される

一方で仲介手数料は、消費税抜きの不動産売却価格に課されます。

こちらも建物が課税対象で土地が非課税なので、仲介手数料を計算する場合は以下の流れで計算する必要があります。

  • 土地のみの場合:表示価格を用いてそのまま計算をする
  • 建物のみの場合:表示価格から消費税を引いて、計算する
  • 土地+建物の場合:土地部分はそのまま計算、建物部分は消費税分を引いて計算する

不動産売却で取引する金額を考えると、消費税の課税・非課税を見誤るだけでかなりのリスクになってしまうのは避けられません。

代金や費用の計算をする際は、消費税を正確に計算することが大切です。

課税事業者は引き渡しの2年後に納付

不動産売却で消費税が発生したら、納付は引き渡しからおよそ2年後になります。

課税額が多い場合は、2年の間に中間納付を進めていくようになります。

実際に納付をするまでに時間がかかるので、特に初めて不動産売却をした個人事業主は納付を忘れてしまいがちです。

期限を過ぎると追加で課税されてしまうので注意しましょう。

引き渡し時の消費税率が適用される

不動産売却で課される消費税の税率は、引き渡し時に適用されていた税率が適用されます。

例えば、引き渡し時の消費税が10%で2年後の税率が20%に引き上げられたとしても、課税額は税率10%で計算されます。

不動産売却では消費税の課税に要注意

不動産売却の消費税は、まず各費用への課税条件を間違わずに覚えておく必要があります。

また、消費税がかかるからといって不満を持ったりすることなく、余裕のある額の自己資金を準備した上で、まずは不動産売却を成功させることに集中することをおすすめします。

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