不動産売却で住民票の変更は必要?移動のタイミングと変更にかかる費用を解説
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今住んでいる一戸建てやマンションなどの不動産を売却した人の中で、別の住所を探して引っ越しをしなければならない人も多いのではないでしょうか。
引っ越しでは、さまざまな書類や手続きをしなければなりませんね。その中でも、特に不明点が多いのは住民票です。
というわけで今回は不動産売却に伴う住民票の手続きをおこなう上での注意点を解説していきます。
不動産売却で住民票が必要なケース
不動産売却では、住所を証明するためにも住民票は手元に置いておいたほうが良いです。
特に、先に新居を購入して新住所に住民票を移した場合は、住民票が確実に必要なので注意しましょう。
また、不動産を昔の住所のまま登記している場合も、変更登記のために住民票が必要になります。
住民票がどうしても用意できない方は、住民票除票、戸籍の附票などを代替書類として扱うことができます。
また、税金控除を利用する際は確定申告の際に住民票提出が必要となります。
不動産売却で住民票が不要なケース
不動産売却で住民票提出が不要なのは、住まい(マイホーム)を売却する場合で、かつ買換え特例の利用などが不要なケースです。
自宅を売却する場合は売主の住所と売却物件の住所が一致しているので、別途で証明をする必要はありません。
また、特例の利用などがない場合は、税務署に住民票を提出する必要もありません。
不動産売却後の住民票異動は転入から14日以内におこなう
引越しをした場合は、住民基本台帳法の第22条に従って引越し日(転入日)から14日以内に、住民票の異動の手続きをしなければなりません。
もし転居日から14日を過ぎた場合、最高5万円の罰金を食らうこともあるので早めにおこないましょう。
実際のところ、14日を少し過ぎても注意を受ける程度で済むわけですから、過料が怖いからといってずっと手続きを怠ってはいけません。
それこそ本当に5万円の過料を課せられる可能性が高くなってしまいますので、引っ越してから14日以内におこないましょう。
不動産売却が終わってから住民票を異動させよう
住民票を異動させるタイミングについて、不動産の売却が終了してから異動させたほうがいいのか、売却の前に異動でないのか、といった類の質問をよく受けます。
結論から言うと、どちらでも問題ないが、売却が終了してから住民票を異動させたほうが望ましいです。
もし住民票を異動させた後に売却すると、その後住所変更の登記など面倒な作業をおこなうことが必要になってしまい、そのために諸々の経費もかかってしまいます。
ただし、もしやむを得ない事情があれば、売却前に異動しても何ら問題もありません。
住み替え後は住民票を異動しないと不便
引っ越しをしたら住民票は14日以内に移動の手続きをするのが原則です。
実際は住民票を移動しなかったからといって刑罰を受けるようなことはほとんどありませんが、旧住民票のままだとさまざまな不便が生じます。
- 引っ越し後に選挙ができない
- 確定申告をする税務署が旧住所の管轄になる
- 印鑑登録時に証明ができない
確定申告や印鑑登録は、不動産売却をする上で非常に重要な手続きとなります。
これができないということは不動産売却の手続きにも不備が出る可能性が高いので、やはり住民票の移動は確実にやっておきましょう。
住宅ローンの申込にも本籍を省略した住民票が必要
住み替えをするほとんどの方が、住宅ローンの申込をおこなうと思います。
住宅ローンの申込にも、新しい住民票が必要です。
ただ、ローン申込では、本籍とマイナンバー(個人情報)を省略した住民票の写しを使うようになります。
ローン利用を伴う不動産売却は、ローン審査に通過するタイミングを新居購入・引き渡しのタイミングが非常に難しいです。
※住宅ローンの活用法については、こちらにまとめてあります。
→不動産の買い替え特例のメリットとは?基本内容・条件と利用するデメリット・リスクを紹介旧住所の印鑑証明書があると不動産売却で便利
住民票を異動させる前に、旧住所の印鑑証明書を1通とっておきましょう。
不動産を売却し、売主から買主に所有権を渡す際に、旧住所の印鑑証明書が必要になるからです。
法務局で不動産の所有権移転登記をする際に、申込書に捺印すると同時に発行から3ヵ月以内の印鑑証明書を添付しなければなりません。
理由は簡単で、他人が成りすまして不動産を売ることを防止するために、実印と印鑑証明書という二重のチェックが必要になるからです。
どうして旧住所でなければならないか
新居の印鑑証明書を添付することも可能ですが、住所変更登記が必要になってくるため、余計な費用がかかります。
というのも、居住中の不動産を売却する場合、登記簿の住所がその不動産の住所になっているはずです。登記簿上のの住所と印鑑証明書に書かれている住所を一致させる必要があります。
もし、住民票を異動させてしまうと、旧住所の印鑑登録が消され証明書を永遠に発行できなくなります。不動産を売る前の3ヵ月以内に、旧住所の印鑑証明書を取っておきましょう。
印鑑証明書を未取得・有効期限切れの場合は住所変更登記が必要
不動産売却では、契約の際に実印が必要となります。
実印は印鑑証明をおこなった印鑑のことです。
印鑑証明書を取得していない場合や、不動産を売却した時に実印の有効期限が切れている場合は住所変更登記が必要になります。
住所変更登記は法務局で登記をする必要がありますが、これをしておかないと売買契約の締結や所有権移転登記が実施できないので注意が必要です。
住所変更登記は基本的に司法書士に依頼することになりますが、この際は司法書士への報酬に加えて登録免許税が不動産1件につき1,000円かかります。
日本は土地と建物を別物と認識しているため、マイホーム(建物+敷地)の登記をおこなう際は計2,000円の免許登録税がかかります。
司法書士の報酬と併せれば、総額で1万~2万円程度が相場となります。
司法書士に依頼せず自分で登記をおこなうこともできますが、失敗するリスクを考えると専門家に依頼することをおすすめします。
不動産売却時の住民票異動は引っ越しに合わせておこなう
不動産売却時の住民票異動は、引っ越しに合わせておこなう必要があります。
物件を売却する際ではないので注意しましょう。
売却の直前に住所変更をすることもできますが、まだ売却が成立していない段階で住所を変更してしまうと様々な支障が生じるリスクがあるので、引っ越しと一緒のタイミングでおこなうことを推奨します。
住民票の異動は同じ区域内なら転居届、違う区域なら今の住所の役所へ転出届・転居先へ転出届を提出すればOKです。
ただ、物件が思うように売れないまま引っ越し期限がきたので、最初に新居を購入して引っ越してしまうケースもあります。(買い先行)
この場合は、売却が完了する前に住民票の異動が必要です。
不動産売却と住民票の関係と注意点
不動産売却と住民票には深い関りがあります。
ここでは、不動産売却と住民票の関係性と注意点について紹介していきます。
住民票の移転: 不動産を売却し、新たな住所に移住する場合は、住民票の移転が必要となります。市区町村役場にて、新たな住所への住民票の移転を行う必要があります。これは、新たな住所での公的手続きをスムーズに行うために重要です。住民税の影響
不動産売却の収益は、住民税の所得課税対象となります。
売却益がある場合、翌年の住民税の増額を予想しておくことが重要です。
住民税は住民票の所在地により課されるため、住民票の移転により住民税の計算が変わることもあります。
住居として利用している不動産を売却して引っ越しをしているにも関わらず、住民票を移していない場合は以前の居住している市区町村より住民税の納税を求められます。
譲渡所得税の特例制度
不動産の売却による所得に対しては、譲渡所得税が課されます。
ただし、一定の要件を満たす場合、自宅特例という特例制度を利用して、一部または全ての売却益を非課税とすることができます。
この制度を利用するためには、売却する物件が「主たる生計を維持するための住居」と認定される必要があります。
これには、売却時までの住居としての利用状況が影響します。
新旧住所の連絡
不動産売却後も、売却に関連する手続きや連絡が来ることがあります。
住民票の移転だけでなく、不動産会社や関連機関に対しても新住所を連絡することが重要です。
書類の不備や税金についての連絡が来る場合もあるためしっかりと必要な人には連絡先を共有しておくようにしましょう。
不動産売却時の住所変更費用の相場
万が一、旧住所の印鑑証明書を発行せずに、転出届を出して住民票を異動させたら、住所変更登記をしなければなりません。
ここでは住所変更登記がいくらかかるのかをご説明します。
住所変更登記は司法書士に依頼する人が多いのですが、実は自分で申請することも十分可能です。しかもその方が費用が安く済みます。
➝不動産売却の費用・手数料を一覧で紹介!手数料を安く抑えるコツや計算方法も解説
司法書士に依頼する場合の費用相場
司法書士に依頼する場合は1~2万円が相場です。所有権移転登記の際に買主が指定した司法書士に依頼することが多いです。
加えて、土地・建物それぞれにつき、1,000円ずつ登録免許税が発生します。
自分で登記する場合の費用相場
簡単なので自分でも住所変更登記をすることができます。
物件1つにつき1000円の登録免許税がかかり、その他諸々の費用を併せて2000円程度が必要になることが多いです。マンションの場合は建物と敷地それぞれ登録免許税がかかるのでさらに1000円増えることもあります。
決済・引き渡し前までにおこなっておけば大丈夫です。
自分でした場合と司法書士に依頼した場合はどうしてこんなに費用が違ってくるのでしょうか。下記の表は内訳の一例です。
登記費用の項目 | 自分で申請する場合 | 司法書士に依頼する場合 |
---|---|---|
所有権変更登記・住所変更登記費 | 登録免許税1000円(建物+敷地) | 報酬8000円+税2000円 |
完了後の証明書 | 不要(0円) | 報酬500円+取得費1000円 |
事前チェック | 300円 | 1000円 |
その他経費 | 郵送料500円 | 日当など3000円 |
合計 | 2800円 | 15000円 |
司法書士の事務所に依頼する場合、費用が嵩む上、手間と時間がかかりますので、自分で住所変更登記をおこなうことをおすすめします。
不動産売買での住民票の役割まとめ
今回は不動産売却の際に住民票を移動させるタイミングとその前にやるべきことをご説明しました。最後に要点をまとめておきます。
- 不動産の売却が終了してから住民票を移動させる
- 住民票を移動させる前に、旧住所の印鑑証明書を1通とっておく
- 所有権移転登記の際に、発行3ヵ月以内の印鑑証明書が1通必要
- すでに住民票を移動させた場合、住所変更登記が必要
- 住所変更登記は自分でおこなったほうが費用を安く抑えられる
不動産売却は、単純に不動産をいくらで売るかだけでなく、こうした細かい手続きをしっかりおこなうことも重要です。ミスをしないために、最初に全体の流れを把握しておくことをおすすめします。
➝【図解付】不動産売却の流れ全8ステップを手順に沿って解説!全体図から必要事項まで完全網羅