不動産を売却した時の手取りはいくら?計算方法と手元に残る金額を増やす方法
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不動産売却は、業者から査定してもらった金額をそのまま貰えるわけではありません。
販売活動が上手くいかなければ売り出し価格を値下げせざるを得ないですし、各種手数料・税金を支払わなければなりません。
手取り額は査定額よりも低くなることが多いので、注意しましょう。
この記事では、不動産売却の手取り額はどれくらいを想定しておけば良いのかについて解説します。
→不動産売却でかかる税金はいくら?費用の計算方法から節税・控除のポイントまで分かりやすく解説不動産売却代金は査定額並みの手取りが基本
不動産売却をするとき、最初におこなうのが査定の依頼です。
→不動産一括査定サイトおすすめ比較ランキング!不動産売却におすすめの人気15社を厳選紹介【2024年最新】
業者は物件のデータや訪問調査を通して物件の価格を算出しますが、不動産売却をおこなった方の半数以上は、だいたい査定額と同額に落ち着いています。
なかには査定額よりも高い・低いという方もいますが、これは業者によって査定額の考え方が異なることが関係しています。
業者によっては査定額を「業者が手を加えないままで売り出した場合の価格=最低限の価格」と見なすところもあれば、「不動産業者がこの値で売り出せると確信をもって算出した価格=平均的な価格」と考えるところもあります。
一括査定サイトの価格は手取りの2割増し?
不動産業者は公正さを第一に運営しているので、算出された査定額も信頼できるものとなっています。
ただ一方で、一括査定サイトのように複数業者の査定額を比較できる場合は競争原理が働き、査定額が実際の手取りよりも高くつくことが多くなります。
業者によっては実際の産出額より2割前後高い金額を提示するところもありますが、こうした業者に仲介を依頼しても、需要と自己評価に差があるためになかなか売却できず、値下げを繰り返した結果、適正額の査定を受けた業者と契約するよりも利益が少なくなることがあります。
査定額の吊り上げを見抜くためには、複数業者に査定を依頼した上で価格の相場を知ることが大切です!
不動産売却の手取り額の計算方法
戸建て住宅やマンション、土地といった「不動産」を売却して得られる所得(売却益)は、成功報酬に当たる仲介手数料や譲渡所得税などの諸費用と各種税金の支払い、ローンが残っていれば、ローンの残債額を差し引いた金額が手取り額として手元に残ります。
上記図のようなイメージを基に計算式を立てると、以下のような式になります。
手取り額=売却価格-住宅ローンの残債-売却にかかる費用・税金
例えば、売却価格が3,500万円で、住宅ローンの残債額が1,000万円、売却に至るまでかかった費用(仲介手数料・印紙税・登記費用など)が560万円の場合、最終的に残る手取り額は以下のようになります。
3,500万円-1,000万円-560万円=1,960万円となります。
不動産売却を行って得た所得を元手に住み替えや信清の購入などを行おうと考えている方は、手取り額を基に資金計画を立てましょう。
不動産売却益とは?計算方法とかかる税金の算出・節税のポイントこちらに、不動産売却でかかる費用をすべてまとめてあります。値下げ方法も記載されているので、ぜひチェックしてください!
→不動産売却の費用・手数料を一覧で紹介!手数料を安く抑えるコツや計算方法も解説手取り額を増やしたいなら売主の努力も大切!
上の計算式を見ると、売却代金さえ上げれば手取り額も増えることがわかります。
実は、査定額は必ずしも売却額とイコールになるわけではなく、売主の努力次第では1~3割増しで売ることもできます。
まずおすすめしたいのが、物件内部の清掃、整理整頓です。
非常に初歩的な方法ですが、これをやることで部屋の第一印象が格段にアップし、成約率も高まります。
→家の査定の注意点42選!事前に知っておきたいリスクと失敗しない査定方法を徹底解説その他にも、不動産を高く売るには様々なコツがあります。こちらにコツをまとめているので、ぜひ参考にしてください!
不動産の売却代金から差し引く諸費用と税金
ここまで、査定額と手取り額の関連性について解説しましたが、この査定額は手取り額を算出しているわけではありません。
これは不動産の売却代金なので、算出された価格から諸費用を引くことで手取り額を予想できるようになります。
諸費用の種類は、以下のものが代表的です。
- 仲介手数料
- 印紙税
- 抵当権抹消費用
- 譲渡所得税
- 住宅ローンの一括返済にかかる手数料
これらの費用が大体どれくらいになるのか、3,000万円でマイホームの売却がおこなわれたケースを例に解説していきます。
仲介手数料
不動産の売却には、仲介する不動産会社へ支払う仲介手数料が発生します。
この費用は売買が成立した際にのみ発生し、売却価格に応じて計算されます。
売却価格 | 仲介手数料 |
---|---|
200万円以下 | (売却価格×5%)+消費税10% |
200万円以上~400万円以下 | (売却価格×4%+2万円)+消費税10% |
400万円以上 | (売却価格×3%+6万円)+消費税10% |
例えば、3000万円の物件を売却する場合、仲介手数料は約105.6万円(税込)となり、これが諸費用の中でも大きな部分を占めます。
印紙税
印紙税は契約書に収入印紙を貼り、納税することで成立します。
この税金は売却価格に応じて異なり、例えば売却価格が500万円超1,000万円以下の場合、軽減税率で1,000円の印紙税が必要になります。
以下は、印紙税の税率と軽減税率の一覧表になります。
契約金額 | 本則税率 | 軽減税率 |
---|---|---|
10万円を超え 50万円以下のもの | 400円 | 200円 |
50万円を超え 100万円以下のもの | 1,000円 | 500円 |
100万円を超え 500万円以下のもの | 2,000円 | 1,000円 |
500万円を超え1千万円以下のもの | 1万円 | 5,000円 |
1千万円を超え5千万円以下のもの | 2万円 | 1万円 |
5千万円を超え 1億円以下のもの | 6万円 | 3万円 |
1億円を超え 5億円以下のもの | 10万円 | 6万円 |
5億円を超え 10億円以下のもの | 20万円 | 16万円 |
10億円を超え 50億円以下のもの | 40万円 | 32万円 |
50億円を超えるもの | 60万円 | 48万円 |
抵当権抹消費用
抵当権抹消費用とは、住宅ローンを組むときに付与された抵当権を抹消手続きに駆る費用のことです。
抵当権を抹消するには、住宅ローンを地道に返済して完済するか、売却益の一部をローン返済に充てて一括完済するかなどの方法を持って、不動産に付いている抵当権を外すことができます。
抵当権の抹消手続きには、登録免許税が発生し、不動産1つに付き1,000円の税金が発生します。
加えて、抵当権の抹消手続きは複雑ゆえ、一般的に司法書に頼むケースが多いです。
司法書士に依頼した場合、10,000~15,000円程度の報酬が発生します。
譲渡所得税
物件を売却して利益が出た場合、その利益に対して譲渡所得税が課税されます。
譲渡所得にかかる税率は、売却した不動産の所有期間の長さによって、税率が変動します。
税区分 | 所有期間 | 所得税 | 住民税 | 復興特別所得税 |
---|---|---|---|---|
短期譲渡所得 | 所有期間5年以下の家 | 30% | 9% | 0.63% |
長期譲渡所得 | 所有期間5年を超える家 | 15% | 5% | 0.315% |
さらに、譲渡所得は、以下の計算式を用いることで算出できます。
譲渡所得=収入金額-取得費-譲渡費用
上記式を用いて、譲渡所得がゼロ、あるいはマイナスになった場合は、税金が発生しません。
しかし、譲渡所得がプラスになった場合は、以下の計算式を用いて計算する必要があります。
譲渡所得税=譲渡所得×税率
住宅ローンの一括返済にかかる手数料
住宅ローンの残債を一括返済する際には、金融機関によって異なる手数料がかかります。
例えば、インターネットバンキングを利用した場合は比較的安価に設定されている場合が多く、数千円から数万円の範囲で異なります。
これらの費用は物件の売却価格から差し引かれるため、実際に手元に残る金額を知る上で非常に重要です。
売却に際しては、これらの費用を事前にしっかりと計算し、準備することが求められます。
不動産を売却した時にかかるその他の費用
不動産売却を行う時、「不動産の売却代金から差し引く諸費用と税金」で紹介した費用の他にも、別途費用が発生することがあります。
ここでは、不動産売却を行って時に別途発生する代表的な費用について紹介します。
ハウスクリーニング費用
不動産売却時に考慮すべきハウスクリーニング費用は、物件の魅力を高めるために重要です。
プロに依頼すると、居住状況や部屋の大きさに応じた相場で変動し、空室の方が作業しやすく費用が抑えられる傾向にあります。
部屋全体ではなく、購入希望者の関心が高いキッチンや浴室など特定の箇所だけを選んで掃除を依頼することも費用削減につながります。
以下は、特定の場所に限定してハウスクリーニングを行って場合の費用相場です。
クリーニングを施す箇所 | 費用相場 |
---|---|
浴室 | 12,000円~18,000円 |
キッチン | 12,000円~20,000円 |
換気扇 | 7,000円~12,500円 |
トイレ | 6,000円~9,000円 |
洗面所 | 7,500円~10,000円 |
床のクリーニング・ワックスがけ(6畳あたり) | 8,400円~15,000円 |
エアコン | 8,000円~15,500円 |
部分的にハウスクリーニングを施す場合、自分が苦手とする箇所や、購入希望者が気にする箇所に絞って依頼することで費用の節約につながります。
修繕費用
修繕費用は売却前に発生することがありますが、実際に修繕が必要かどうかは物件の状態によります。
購入希望者がリフォームを希望するケースは多くはなく、大がかりな修繕よりは、目立つ損傷の修理や簡単な美観の改善に留めることで、不必要な出費を抑えることができます。
引っ越し費用
売却に伴い引っ越しをする場合、費用は家族の人数、移動距離、時期によって変動します。
繁忙期には料金が上昇するため、1月や12月のような料金が比較的安い時期に引っ越しを行うことで、大幅な節約につながります。
また、見積もりを複数の業者から取ることで、最もコストパフォーマンスに優れた引っ越しオプションを選ぶことが可能です。
不動産売却を行って手取り額を増やす方法
不動産売却で手取りを増やすためには、綿密な計画と戦略が必要です。
焦らず市場と相談しながら、不動産を売り出すタイミングを見極めることが大切です。
仲介を利用して市場価格での売却を目指し、不動産会社を選ぶ際には、その地域における実績や評判を調査し、高い価格で売却できるよう専門的なサポートを受けることが鍵になります。
不動産価値の最大化
不動産売却における手取り金額を最大化するための一つの戦略としては、まず物件の価値を高めることです。
少ない投資で大きな差を生むアップグレードやリノベーションを考えてみましょう。
新たな塗装、修繕、または最新の家電の取り付けなどを行う事で物件の魅力を高め、高値での売却を促します。
ただし、アップグレード・リノベーションにもコストがかかるので実施することで売却額がプラスに転じるのかを事前に調査しておく必要があります。
適切な価格設定
適切な価格設定は売却成功の鍵です。
高すぎると購入者が見つからず、低すぎると利益が出ない可能性があります。
反対に安すぎると不動産売却の利益を最大化することが難しくなってしまいます。
相場を把握し、不動産の特性、エリア、近隣の売却価格等を考慮して価格を設定することが重要です。
経験豊富な不動産エージェントの選択
経験豊富な不動産エージェントは、市場の動向を理解し、適切な価格設定やタイミングでの売却を助けます。
エージェントは適切な購入者を見つけることもサポートし、売却手続きをスムーズに進めます。
時間に余裕をもって仲介売却で不動産を売る
手取りを最大化するには、時間を味方につけることが重要です。
売却プロセスを急がず、計画的に進めることで、売り急ぎによる価格の下落を防ぎます。
売却までに平均3ヶ月、さらに契約から引き渡しまでに1ヶ月を見込むと、余裕をもった半年間のスケジュールが理想的です。
この余裕があれば、市場の変動にも対応しやすく、適切な買い手を見つけることが可能になります。
借入金の現本返済が1,000万円を切った時点で売りに出す
住宅ローンの残債が少なくなっている時点で売却することも、手取り額を増やす戦略です。
借入金の本返済が進んでいれば、売却による収入から残債を差し引いた際の手元に残る金額は自然と増えます。
例えば、住宅ローンの残債が1,000万円を切ったタイミングで売却を考え始めることは、経済的に有利な判断と言えるでしょう。
売却にかかる諸費用を節約する
不動産売却の際、必要となる諸費用の節約は手取り額を増やすうえで欠かせません。
自ら行えるハウスクリーニングや不必要なリフォームの見直しを通じて、コストを抑えることができます。
リフォームに関しては、購入希望者が自身の好みに合わせた改装を望む場合もあり、必ずしも売却価格の向上にはつながらないため、不要なリフォームにかける費用を抑えるべきです。
税金を発生させないようにする
税金を最小限に抑えることも、手取り額を増やすためには不可欠です。
購入時の売買契約書を保持しておくことで、取得費の正確な計算が可能となり、概算取得費を用いるよりも譲渡所得税を低減できます。
取得時に発生した諸費用は取得費に加えることができるため、領収書などの証拠資料を保管しておくことが節税につながります。
また、譲渡損失が出た場合には税金がかからないため、取得費用の正確な計上が重要となります。
また以下の支出は、譲渡所得を求める時の「取得費」に加えられます。
- 不動産を取得した時にかかった仲介手数料
- 取得時の売買契約書に貼付けした印紙代
- 不動産を取得した時にかかった登録免許税
- 不動産を取得した時に司法書士へ支払った手数料
- 不動産を取得した時に支払った立退料・移転料
複数業者の査定額を比較する
最寄りの不動産と取りあえず契約をするというのが、不動産売却では最も損です。
あなたの家を査定・売却してくれるのは何も最寄りの不動産会社だけではなく、こちらに載っているような街の大手不動産会社も対応している可能性が高いです。
→【2023年】大手不動産会社ランキング!売上高・売却仲介件数・評判を比較!信頼できるのはどこ?対応業者を絞り込み、査定額をスムーズに比較するには、やはり一括査定サイトの利用がおすすめです。
ただ、一括査定サイトは、前述の通り査定額が吊り上げられがちというようなデメリットもあります。こちらに安全な使い方とおすすめのサイトランキングがまとめてあるので、ぜひ一読してからご利用ください!
→不動産一括査定サイトおすすめ比較ランキング!不動産売却におすすめの人気16社を厳選紹介【2024年最新】不動産を売却した後の手取りが想像しているよりも少ない可能性がある
不動産を売却した後の手取りは、想像しているよりも少ない可能性が多いにあります。
不動産を売却する際には様々な手数料や税金が発生するためです。
売却して得た利益をどのように利用するかは、人によって異なりますが手元に残った金額が少なくなってしまい利用目的に利用できなくなってしまう可能性もあります。
そのため、事前に不動産を売却した後の手取りはいくらになるのかを確認しておくようにしましょう。