
クラウドファンディングは乞食行為?事例を踏まえて正しい使い方を徹底紹介!
クラウドファンディングという制度を知っていますか?
ネット上でお金をもらえるシステム、くらいに思っている人も多いでしょう。
ですが、クラウドファンディングで乞食行為と言われることもあります。
クラウドファンディングの使い方を理解していないと、乞食行為になってしまうので注意が必要です。
この記事ではクラウドファンディングと乞食行為の違いを解説して、乞食行為だとネット上で批判されたケースも紹介します。
実際の事例を見て、クラウドファンディングの正しい使い方を理解しましょう。
クラウドファンディングとは?
クラウドファンディングとはそもそもどんな制度なのか知っていますか?
クラウドファンディング(crowdfunding)とは群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語です。
インターネットを通して自分の活動や夢を発信することで、想いに共感した人や活動を応援したいと思ってくれる人から資金を募る仕組みになっています。
途上国支援や商品開発、自伝本の制作など幅広いプロジェクトが実施されていて、全世界で多くの人が活用しています。
募金は今まで直接店舗や駅前などでするものでしたが、ネット上で自分が募金してあげたいものに直接募金できるのでやりやすいでしょう。
クラウドファンディングの種類
- 購入型クラウドファンディング
- 寄付型クラウドファンディング
- 融資型クラウドファンディング
- 株式投資型クラウドファンディング
- ファンド投資型クラウドファンディング
クラウドファンディングには、上記に紹介した5つの種類があります。
特に個人でクラウドファンディングを利用する場合には、購入型・寄付型を利用することがほとんどになります。
購入型・寄付型はどちらも起案者が出資者にリターンや返礼品を渡すことが必須になるので、本来であれば乞食と言われることもありません。
ただし使い方を間違えれば問題になるので、注意が必要です。
乞食行為とは?
ネット上で生活費や娯楽費を目的としてホームページ(ウェブサイト)上で情報やサービスなどを一切提供することなくカンパを呼び掛けることや、プレゼントなどの提供を閲覧者に請う行為のことを乞食行為と言います。
クラウドファンディングは同じようにネット上の不特定多数の人から寄付を募るシステムなので、乞食行為と思われることもあります。
乞食は勤労の義務という憲法に反する行為なので、クラウドファンディングをする場合でも乞食とみなされないか細心の注意を払わなくてはいけません。
クラウドファンディングと乞食行為の違いは?
では、クラウドファンディングと乞食行為の違いはなんでしょうか?
特に不特定多数の繋がりがない人間からお金をもらうことになるので、余計混同してしまうと思います。
ですが実際にはかなり大きく異なります。
大きな違いは次の4つです。
- 自己利益を目的にしない
- 使用用途の明確化
- 資金調達の必要性
- リターンの有無
お金を誰かから受け取るということ以外は、かなり異なります。
以下にそれぞれ具体的に解説します。
自己利益を目的にしない
クラウドファンディングと乞食行為の最も大きな違いは、自己利益を目的とするか、他人の利益を目的にするかです。
クラウドファンディングは他人の利益を目的にしているものしか成立しません。
例えば「親がいない子供のために学校に通わせるためのお金を集める」などを目標にして、子供の利益を得ることが目的になります。
そのため、「自分が海外旅行したいから」「新しいPCが欲しいから」などの理由で始めるのは乞食行為とみなされます。
実際はこれほど明確に自己利益を表現している人はいませんが、他人の利益を得ることを目的にしているふりをして、結局自分の利益のためだった、というケースは多々あります。
ただし、クラウドファンディングは利益を生み出すことを目的としているので、始めた本人が利益を受け取ってはいけないという決まりもありません。
本来の目的を達成することを主目的としているのがクラウドファンディング、と考えればわかりやすいかもしれません。
使用用途の明確化
クラウドファンディングをするときは、使用用途の明確化が必要です。
「集めたお金をどのように利用しているのか」「どんな目的で使っているのか」を明確にすることで、出資してくれた人に使っていることをアピールできるでしょう。
本来の目的通りに集めたお金を利用している場合は発表しても特に問題ないはずなので、きちんと説明できるはずです。
反対に言えば、お金を不正している人は乞食行為とみなされる可能性があります。
税金が不正利用されていることに腹が立つのと同じ原理なので、しっかり発表していきましょう。
資金調達の必要性
上記の使用用途の明確化と近いですが、クラウドファンディングは実際に資金調達の必要性があったのかも大事になります。
「どうしても目的を達成するためには資金調達をする必要があった」ということを、出資してくれる人にアピールできるかがカギです。
- 資金調達をしないと目的を達成できない
- 資金調達をすると目的達成に有効
以上のようなことが客観的に見てわかるならば、クラウドファンディングの正当性があると言えるでしょう。
ただし、先ほどとは反対に、
- 自分で頑張ればお金を集めれる
- 資金調達をしなくとも目的を達成できる
- お金を集める努力していない
このように自身の努力が見られない場合は、乞食行為とみられても不思議ではありません。
クラウドファンディングは知らない人にお金をもらう行為になるので、他人からもらう必要性があることはアピールしなければなりません。
リターンの有無
クラウドファンディングと乞食行為の違いとしてあるのは、出資者に対してリターンがあるかどうかです。
クラウドファンディングは出資してくれた見返りとして、何か特になるものをリターンする必要があります。
例えば映画作成のためにクラウドファンディングを行うと試写会へ招待するといった成果を共有するものもいいですし、直接利益の一部を還元するのでも構いません。
どんな方法でも構いませんが、このリターンがないと乞食行為になります。
- 感謝する
- 自分が嬉しい
などの相手にとってメリットがない行為は乞食行為と同じなので、気を付けてください。
ただし「募金型」と呼ばれるクラウドファンディングでは、リターンがなくても乞食行為には当たらないとされています。
今のところ募金型でリターンがなかった場合、違法となるような法的根拠もないので、募金型の場合は特に出資者への見返りは必要ないでしょう。
乞食行為として問題になった出来事は?
以上の説明でクラウドファンディングと乞食行為の違いは理解できたでしょうか?
次にクラウドファンディングを通じて乞食行為だと炎上した事件について紹介していきます。
クラウドファンディングを始めようとしている人は、次の事件のようなことをしてしまうとかなり問題になって取り上げられてしまうので気を付けてください。
途上国の子供達の夢バトンをつなぐ
クラウドファンディングとして最も炎上したと言ってもいい事件がこの発展途上国の子供を救うと掲げた女子大生のクラウドファンディングです。
彼女がクラウドファンディングで掲げた内容としては、
- 支援者に対しスケッチブックを送り、途上国の子供達宛てにメッセージ書いてもらう
- 女子大生本人が、それを翻訳して世界を回る
- 女性大生本人が世界一周しつつ、訪問先で出会った子供に「将来の夢」を書いてもらう
- 集まったメッセージと将来の夢は、支援者にコピーして配布
これだけ見れば、かなり真剣に途上国の子供のことを考えている意識の高い女子大生だと思いますよね。
しかし、問題があったのは発表された資金の内容です。
- カメラ代
- 生活費
- 航空チケット料金
集まった金額は160万円ですが、そのうち120万円ほどが上記の関係ないものに利用されていたので、かなり炎上しました。
また女性大生本人のインスタグラムから、「遊んで暮らしたい」などの供述も発見され、確実に途上国の子供たちのために動いていないことが判明しました。
子供をだしにした乞食・詐欺行為だと言われて炎上しました。
Macbook購入のため
同じく大学生の女子が炎上してしまったケースがあります。
この女子大生は「4年使っているPCにガタが来たから出資してほしい」という内容でクラウドファンディングに上げました。
すでに「自分で稼げる金額である」「クラウドファンディングを利用する必要がない」部分で問題がありますね。
彼女はさらにリターンとして「ツイッターで報告する」と言った、特に出資者の利益にならないリターンを提示したことで乞食行為だと炎上しました。
先ほど紹介したクラウドファンディングと乞食行為の違いを完全に理解していないケースですね。
さらに、この女子大生はある程度お金が集まってから購入したのはsurface。
すでに炎上していたのに、その約束すら守らないということでさらに大炎上することになりました。
教習所費用を出してください
女子大生モデルが「バイクに似合っている女性になりたい」という理由で、教習所に行くための資金調達を行いました。
彼女自身一定の人気があったためか、目標金額の15万円は集まってクラウドファンディングは成立しましたが、クラウドファンディングの「他人の利益」という目的を達成しているかは微妙です。
モデル活動でバイクを乗ることができると、応援してくれる人が嬉しい、ということかもしれませんが、圧倒的に自己利益が大きいです。
ただし、この女子大生は出資してくれた人に対して金額の大小によって返礼しているので、リターンの問題はクリアしていました。
ただし、やはりクラウドファンディングは自己利益を求めると問題になりやすいので注意しておくと良いでしょう。
大学院の学費を調達
現在お笑いジャーナリストとして活動している「たかまつなな」さんの事件は、大学院に行くための学費を調達したことです。
大学院に行く学費を準備できない理由として、
- 家族からの学費支援が打ち切られた
- 若者と政治の懸け橋になるために大学院に行く
という目的でクラウドファンディングを始めて、実際に目標金額を調達することが出来ました。
ただし「若者と政治の懸け橋」とはいったいどういうことかいまいち意味がつかめないので、炎上しました。
さらに彼女は大学院を卒業した後政治系の業界に就職することもせずに、普通にNHKに就職した事で炎上しました。
クラウドファンディングで目標を定めて始める人は、最後まで目標を達成する必要があるでしょう。
クラウドファンディングの正しい使い方は?
ではクラウドファンディングの正しい使い方は何でしょうか?
前述したように乞食行為ととられないように行動する必要があります。
クラウドファンディングを利用しようと考えている人は、特に次のことに注意して活動しましょう。
- 対価を明示する
- 進捗状況を逐一説明する
- 自己利益を求めない
クラウドファンディングでお金が集まったとしても、先に説明したように集まった後に乞食行為だと指を刺される人があります。
次に具体的に説明していきます。
対価を明示する
クラウドファンディングをするときは、しっかりと返礼品やリターンを準備して始める必要があります。
出資者は何も自分にリターンがないのに出資してくれることはほとんどありません。
プロジェクトややりたい内容に共感して手助けしたい、自分にメリットのある内容だと判断して出資してくれます。
そのため対価をしっかり準備しておく必要があります。
先に説明もしましたが、直接利益分のお金を返す、クラウドファンディングをすることで得た報酬を共有するなどの方法があります。
進捗状況を説明する
クラウドファンディングを利用するなら、進捗状況を説明することが大切です。
クラウドファンディングはお金を集めた後に活動をすることがほとんどですが、実際に活動しているとき出資者は活動状況が見えません。
そのため、逐一出資者に対して連絡をすることが大切です。
貰ったお金をどのように使ったか、現在の進捗状況をできるだけ詳細に説明することが必須です。
特に期間が長く必要なものは不信感が募りやすいので注意が必要です。
自己利益を求めない
クラウドファンディングの基礎は「他人の利益」です。
自分が得をするためにお金を集めるのではなく、他人のために動かなければ乞食行為と指を刺される可能性が高いです。
「プロジェクトは私利私欲のためではないかどうか」を客観的に確認してからクラウドファンディングをするかどうか決めましょう。
他人に説明できる内容であれば、出資者が納得できる内容を詰めましょう。
他人に説明できない場合は、根本からクラウドファンディングが必要かどうかもう一度考えるべきです。
クラウドファンディングは乞食とは全く違う!
クラウドファンディングと乞食の違いは理解できたでしょうか?
特に自分の利益のためかどうか、リターンが準備できるかどうかを考えてみるとクラウドファンディングが必要かわかりやすいでしょう。
クラウドファンディングを始めて成功したとしても、紹介した事例のように炎上することもあります。
始める際は入念に準備してからにしましょう。
ただし、クラウドファンディングを上手く活用できれば、自分の目標や夢を達成できるケースも多いです。
他人の利益のために動く目標なら、ぜひクラウドファンディングを活用しましょう!

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