家電購入時、現金やクレジットの利用限度額が申し分ないときは、各家電量販店が設けているショッピングローンという分割払いを利用するのがおすすめです。

ショッピングローンは、各家電量販店が提携を結んでいるJACCSやOricoなどの信販会社が家電代金を立て替え払いして、その時発生した立替分を購入者がローンとして支払っていく方法です。

ローンを組む時、必要になる書類は、主に本人確認書類と銀行口座情報が分かる書類、勤め先が分かる情報の3つがあれば問題ありません。

つまり、安定した収入があるなら、クレジットカードを持たない方でもローンを組むことができます。

またショッピングローンを利用する場合、住宅ローンやカーローンを組む場合同様、審査があります。

信用審査といえば、最低1週間ほどかかるものをイメージされる方が多いですが、ショッピングローンの審査時間は30分程度で完了するケースが多いです。

さらに購入した商品は、即日受け取り可能なのも大きなポイントです。

家電購入時に利用できるショッピングローンは、20歳以上で安定した収入があるなら、誰でもローン申し込みができる画期的方法です。

また分割払いといえば、ショッピングローンの他にもクレジットカード利用による分割払いがあります。

ここでは、クレジットカードの分割払いとの違いを解説します。

分割払いの代金範囲

ショッピングローンとクレジットカードが持つ分割払いの違いは、支払代金の範囲 です。

クレジットカードの分割払いは、家電購入時を含め、生活用品の購入や外食代金の支払いなど、限度額範囲内であれば、何回でも利用できます。

一方、ショッピングローンは、購入した物の代金のみで利用ができる分割払いです。

例えば、とある家電量販店で数十万円するカメラを購入する時にショッピングローンを利用した場合、分割払いが適用されているのは、とある家電量販店で数十万円するカメラのみに適用されるわけです。

キャッシング機能の有無

クレジットカードには、キャッシングという、カード会社に借金をする機能が備わっています。

キャッシング機能を利用すれば、買い物以外の用途で使用できますが、高額な利息が発生します。

対して、ショッピングローンは、買い物専用ローンなので、キャッシング機能は備わっておりません。

申し込み審査の基準

クレジットには、2種類あります。

ショッピングローンのように、商品を1品購入するたびに審査が実施されて、分割払いの利用ができる個別クレジットと、限度額範囲までなら、いくらでも借り入れや買い物ができる包括クレジットがあります。

ショッピングローンを利用する時に受ける審査の基準は、クレジットカード申し込み時に受ける審査よりも緩く設定されているケースが多いため、カード利用による分割よりもショッピングローンの方が利用しやすいです。

ここからは、大手家電量販店と言われるヨドバシカメラ、ビックカメラ、ヤマダ電機、ケーズデンキの4社が取り扱っているショッピングローンの特徴と金利値を紹介します。

ヨドバシカメラの家電分割払いの特徴

ヨドバシカメラが用意しているショッピングローンは、実店舗のみでの利用ができ、ネットショッピング「ヨドバシ.com」での利用はできません。

利用条件は高校生を除く18歳以上で本人確認書類、金融機関の印鑑の2点があれば申し込みができます。

ショッピングローン利用にあたって得られる特典はなく、自社のクレジットカード「ゴールドポイントカード・プラス」利用による分割払いを選択すると、低金利で支払いが行えます。

ビックカメラの家電分割払いの特徴

ビックカメラが設けているショッピングローンは、実店舗とネットショッピング「ビックカメラ.com」の両方で申込利用ができます。

合計購入金額が15,000円以上でショッピングローンを最長36回まで利用した場合、発生した金利・手数料の2つをビックカメラ側が負担してくれる無金利キャンペーンを実施しています。

またビックカメラのグループに属するコジマ電気も、ビックカメラと同じ条件下で利用できますが、金利がお得になるキャンペーンの実施を行っておりません。

ヤマダ電機の家電分割払いの特徴

ヤマダ電機が設けているショッピングローン「JACCSショッピングクレジット「WeBBy」は、実店舗及びネットショッピングの両方で利用できます。

最大60回まで支払い回数が選べるうえ、一部家電を対象に最大60回まで分割払い設定しても無金利で支払いができるお得なサービスを提供しています。

無金利サービスは、商品指定がある分、同じ無金利キャンペーンをやっているビックカメラに比べるとやや劣る側面を持っていますが、適用商品となれば、ヤマダ電機の無金利サービスに分があります。

ケーズデンキの家電分割払いの特徴

ケーズデンキが設けているショッピングローンは、実店舗のみでの利用ができ、ネットショッピングでの利用はできません。

金利・手数料が0になる無金利キャンペーンの開催はなく、指定商品の値段が最大何万円安くなるキャンペーン開催が多いです。

前節で大手家電量販店4社が提供しているショッピングローンの特徴・金利値をまとめて紹介してきました。

ショッピングローンは各店舗で設けられているので、条件さえ満たして入れば、誰でも気軽に利用できます。

とはいえ、利用していく上で気を付けねばならないことが多々あります。

ここでは、ショッピングローンを利用する上で気を付けることを7つ紹介します。

ローン審査が実施される

条件さえ満たしていれば誰でも気軽に利用できるショッピングローンにも、申込の過程で審査が実施され、個人ステータスが審査基準に満たなければ、審査落ちを期すこともあります。

ローン審査は、クレジットカードの申し込み審査や住宅ローンなどの各種借入時に設けられている審査よりも緩い基準で審査が実施されます。

とはいえ、公共料金の未払いやカード延滞などの金融事故があると、審査通過は難しいでしょう。

書類の持参が必須

ショッピングローンを申し込む際には、必ず本人確認ができる書類を持参する必要があります。

そのほか、店舗によっては、金融機関に提出している銀行印の持参や勤務先の情報が分かるものなどの書類を持ってくるように言われる場合があります。

家電購入時にショッピングローンを組む考えでいるなら、事前に何が必要なのかを調べておきましょう。

常に無金利というわけじゃない

各家電量販店が実施している無金利キャンペーンは、常時開催のモノや指定商品のみに適用されるモノ、あるいは期間限定キャンペーンのモノだったりと、店舗によってキャンペーンの内容が異なります。

またビックカメラのように、「最大36回まで無金利」といった回数範囲内で発生した金利・手数料を0円にするキャンペーンもありますので、無金利でショッピングローンの利用を検討されているなら、内容を理解したうえで購入を行いましょう。

信販会社が決まっている

各家電量販電でショッピングローンを利用する場合、提携している信販会社が店舗によって決まっているので、選択することができません。

もし利用したい信販会社があるなら、そこと提携を組んでいる家電量販店で商品を購入しましょう。

購入完了まで時間がかかる

実店舗でショッピングローンを組む場合、即日審査完了とはいえ、申込書の記入から審査申し込み、完了に至るまでトータル30分以上もの時間を要します。

店舗が混みあっていれば、それ以上の時間を要することとなりますので、実店舗で購入を行う場合は、時間に余裕を持ってから行うようにしましょう。

分割払い対象・非対象商品がある

店舗によって、ショッピングローンが組める商品と組めない商品があります。

店舗によっては、商品のカテゴリーで対象・非対象にしているところもあれば、ビックカメラやヤマダ電機のように、合計購入金額何万円以上と、金額で利用可否を出しているところもあります。

返済延滞で金融事故につながる

ショッピングローンも、住宅ローンやカートローン同様、1つのローンである以上、月々の支払いを怠ってはなりません。

もし延滞や未払いなどの金融事故を引き起こせば、信用情報に傷がつき、最悪ブラックリストに掲載されることもあります。

低額で支払いができるメリットがあるとはいえ、過度な利用は自陣の首を絞めることとなりますので、気を付けて利用しましょう。

高額な家電を現金一括で購入するとなれば、貯金の切り崩しは免れないうえ、生活に大きな支障をきたす可能性があります。

そんな問題を解決してくれるのが、ショッピングローンです。

クレジットカード払いとは違い、購入対象の商品にのみ利用ができ、条件さえ満たしていれば誰でも気軽に利用ができます。

ただし、公共料金や住宅ローンなどの借り入れ同様、毎月指定された金額を納めなければならず、延滞や滞納を行えば、信用情報に傷がつきます。

ショッピングローンを利用する際は、生活費に支障をきたさない範囲で支払いが行える回数で契約を交わすようにしましょう。