「毎月入る家賃収益がそのままあなたのモノになる」「税制優遇措置が利用できる」などのメリットを持つ不動産投資は、副業や1資産運用の方法として人気を高めています。

その裏で、不動産投資のカモに遭う被害報告が約400件以上も起きています。

ここでは、サラリーマンが不動産投資のカモにされる主な理由を３つ紹介します。

物件の管理・運用委託が可能

サラリーマンが不動産投資のカモにされやすい理由の1つ目として、本職が忙しくても不動産投資ができる点が挙げられます。

不動産投資を始めれば、物件の管理・運用、入居者の募集など、1経営者としてやるべきことが多々あります。

しかし、所有する不動産を会社側にお願いして資金を得ることが、不動産投資では可能です。

これなら本職に支障をきたすことなく、投資が行えると安堵する方が多いですが、管理委託をすれば、委託手数料が発生して、毎月納められる賃料から支払うこととなります。

つまり、不動産投資を始めて、管理委託を利用すれば、間接的に賃料が管理委託手数料という名目で差し引きされる運命が待っているということを指します。

住宅ローン審査の通過が容易

サラリーマンが不動産投資のカモにされやすい理由２つ目は、サラリーマンという属性が住宅ローンの審査通過を助長している点が挙げられます。

住宅ローンの審査を通過するためには、安定した収入・年収、勤続年数、借入状態、などの個人属性を見定めて融資してもいい人物かどうかを審査しています。

中でも、、安定した収入・年収、勤続年数の３項目においてサラリーマンは、抜群の安定性を誇っています。

その安定性を評価された結果、住宅ローンの審査通過が容易という理由から、不動産投資のカモにされやすいのです。

損益通算の利点

不動産投資を勧めてくる営業の常套句の中には、「節税に繋がりますよ」という言葉を使ってくる方がいます。

この節税部分には、不動産投資が持つ税制優遇措置、損益通算を利用した所得税・住民税の節税効果があることを指しています。

例えば、不動産所得で300万円の赤字を出したとしても、給与所得分で赤字分を相殺して黒字として算出された金額分を所得額として確定申告できます。

所得税は、年収が高くなればなるほど税率が高くなるため、毎月安定した収入が見込めるサラリーマンに対して、大きなメリットになることからカモにされやすいのです。

不動産投資のカモに遭うのは、必ずしもすべてのサラリーマンを対象にしているというわけではありません。

ここでは、不動産投資勧誘のカモにされやすい人やサラリーマンの特徴を3つ紹介します。

運用・管理を委託している方

1つ目は不動産の管理・運用をすべて会社側に委託して、投資を行っていこうという考えを持っている方です。

不動産投資は、会社側に管理委託できることから、副業として始められる方もいます。

しかし、賃料相場額や周辺エリアの地価格の変動を把握していなければ、知らず知らずのうちに損していることがあります。

例えば、地価が高騰した状態で物件を売却して利益が出る状況だと、不動産会社は管理手数料を失わずに済むことを考慮して「賃上げを行いましょう」と提案してくる可能性が高いです。

基本的に投資は、自己判断で行っていくものであり、成功をつかむためにも、本職の片手間に不動産の情勢や自身の所有物件の価値の確認を怠らずに行いましょう。

出なければ、自己資産を不動産会社のいいように使われて食いつぶされます。

不動産投資に関する知識が浅い

2つ目は、不動産投資に関する知識、経験が浅い方です。

不動産投資に関する知識は、その業界に関与しない限り独学で知識を得ていくしか手がありません。

知識がない分、専門家である部倒産会社のいうことがすべて正しく聞こえてしまう状態となり、最終的にはいい操り人形になってしまいます。

その結果、相場以上の高額物件を買わされたり、キャッシュフローが釣り合わない物件を購入するハメに遭うのです。

投資のプロだからこそ安心できると信頼を委ねていると、あなた自身をいいように使われてしまいます。

憧れだけで始める人

カモにされやすい方、サラリーマンの特徴3つ目は、憧れだけで投資を始めている方です。

近年、クラウドファンディングやFIRE、株・債券投資などの資産運用を始められる方が増加している傾向にあります。

始められる方の中には、周りが始めているからや憧れだけで始める方など、目的がなく始める方がいます。

中でも不動産投資被害に遭っているのが、20代の方が多いです。

若年層は社会人経験や知識不足、ましてや身近に投資を行っている方がいないことから、営業のカモにされる被害が多いです。

投資を憧れだけで始めると、間違いなく、会社側の言いなりになってしまいます。

前節で不動産投資のカモにされる理由と特徴を紹介してきました。

サラリーマンという好条件の属性は、不動産会社の営業にとっていいカモとして見られがちですが、カモられないための対策を打っておけば、会社の操り人形にならずに済みます。

ここでは、かもられないための秘訣を5つ紹介します。

投資に関する知識を身に着ける

カモられないための秘訣1つ目は、投資に関する知識を身に着けることです。

知識がない状態で投資を始めれば、自己判断ができないため、会社にとっては利益を生んでくれるいい操り人形として見られています。

中でも知識がない状態で、不動産会社を訪れる方は高確率でカモられます。

カモられないためにも、書籍やネット上の記事から不動産投資に関する知識を身に着けて、自分の中で整理を付けるのが一番です。

そのうえで会社を訪ねて、身につけた知識を武器に会社の営業に質疑・応答を行えば、カモられずに済みます。

また書籍やサイトの閲覧以外だと、定期的に開催されている投資セミナーに参加してみるのもおすすめです。

実際に投資を行っている方から成功談や失敗談が利けるほか、投資を行っていく上でのアドバイスが聞けます。

不動産投資の目的を明確にする

2つ目は、不動産投資を始める目的を明確にすることです。

不動産投資を始めるうえで、「投資をやってみたいから」という曖昧かつ漠然とした理由で始めると、高確率でカモられます。

投資を始めるときは、老後資金のために資産を増やしたいや眠っている資産を有効活用していきたいなど明確な目的をもって取り組むのがおすすめです。

不動産投資のメリット・デメリットに理解を深める

3つ目は、不動産投資のメリット・デメリットを理解することです。

不動産投資を始めれば、毎月振り込まれる賃料がそのまま収益になって、資産を増やすことができたり、損益通算が利用できるなど様々なメリットがある中で、デメリットやリスクも存在します。

悪質な不動産会社となれば、このメリットばかりを推して、リスクやデメリットの部分を包み隠して言いくるめてきます。

営業がいうメリットばかりを鵜呑みにせず、デメリットやリスク部分も理解したうえで不動産投資を行いましょう。

信頼できる会社を見繕う

4つ目は、信頼できる不動産会社を見繕うことです。

「信頼できる会社」というのも漠然としていますが、投資のメリットのみならず、デメリットや投資の利回りの考え方を熱心に説明してくれる会社こそ、信頼に足るところといえます。

また会社は1社に絞らず、複数の会社を見て回るようにしましょう。

まずは少額から始めてみる

5つ目は、少額から不動産投資を始めてみることです。

不動産投資には、現物不動産投資と不動産投資型クラウドファンディング・FEITの2種類に分けられます。

前者の現物不動産投資は、初期費用として数百万円～数千万円単位、あるいは億単位で物件をローン購入して行う投資です。

多額な初期費用が発生するということから、投資初心者にはハードルが高すぎます。

現に不動産投資のカモに遭っている方の多くは、この現物不動産投資を営業から勧められています。

しかし、不動産投資を始めるなら、初期費用が掛からず1口1万円～始められる不動産投資型クラウドファンディングやFEITといった少額投資がおすすめです。

個人では手が出せない物件に少額で投資が行えるうえ、ローリスクで投資が始められます。

ここでは、不動産投資のカモに遭遇してしまった時の相談窓口を3つ紹介します。

弁護士に相談する

会社営業にいいように丸め込まれて、相場よりも高額な物件を購入してしまっても、会社そのものを訴えることはできません。

理由は、適法な手続きで売買契約を締結しているからです。

しかし、購入後、物件に瑕疵と見られる欠陥や契約書にはない物件状態が発見した場合、相手側に損害賠償を求めることが可能です。

また条件に適合すれば、売主に対して損害賠償や契約解除を要求できます。

いずれも適切な法的処置が必要になるので、弁護士に相談してみましょう。

解約手続きを組んで会社を変える

物件管理を委託している会社にカモられている場合は、契約に則って解約手続きを組みましょう。

会社側と管理業務委託契約を締結している場合、原則３ヶ月前であれば解約が行えます。

ただし、サブリース契約を交わしている場合は、解約がやや複雑です。

サブリース契約は、借主であるサブリース会社が借地借家法で保護されているため、オーナーとの解約手続きが困難です。

サブリース契約の解約を行う場合は、内容を確認したのち、弁護士に相談しつつ解約手続きを組みましょう。

物件売却を行う

所有している不動産を売却してしまうのも１つの選択です。

一度物件を購入してしまったら、物件を活用して収益を得ていくしかありません。

しかし、収益化の目途が立たず、赤字経営が続くなら、損切と考えて売却してしまうのがベストです。

サラリーマンが不動産投資のカモにされる理由と、カモられやすいサラリーマンの特徴、カモられないための対策を紹介してきました。

サラリーマンという好条件の塊ともいえる属性を持っていると、不動産会社の営業にとっては、管理委託手数料を振り込んでくれる絶好のカモとして見られています。

また投資に関する知識・経験がない方も、属性を問わず、絶好のカモとして見られています。

メリットばかりを鵜呑みにして、後々泣き寝入りしないためにも、不動産投資が持つメリット・デメリット、不動産投資の仕組みを理解してから始めるようにしましょう。

投資に関する知識があるかないかで、状況が大きく変わってきます。