モルタルとコンクリートの違いは?費用や強度などの特徴を項目別に比較
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「モルタル」「コンクリート」という言葉は工事現場や、建設現場でよく耳にします。
皆さんはこの2つの違いを正しく理解できているでしょうか?
この記事ではモルタルとセメントの違いを様々な角度から比較します。
モルタルとコンクリートの原料を比較
ここではモルタルとコンクリートの原料を見ていきます。
この後も原料に基づいた特徴や比較がありますので、しっかり抑えておきましょう。
どちらも主原料はセメント
実はモルタルとコンクリートの原料は少し似ています。
どちらもセメントと呼ばれているものが含まれています。
セメントとは?
セメントとは一般的に、水や液剤などによって硬くなる粉末のことを言います。
一口にセメントといってもアスファルト、樹脂、石炭などや、これらを組み合わせた接着剤全般を指すため、細かく定義されている言葉ではありません。
この記事では、モルタルやセメントの原料となっている「ポルトランドセメント」をセメントと呼ぶことにします。
モルタルの原料は「セメント・砂・水」
モルタルの原料は「セメント・砂・水」の3つです。
基本的には「セメント、砂、水」を「2:1:6」の比率で練り合わせるのが良いとされています。
セメントの原料である「砂」には「細骨材」と呼ばれるものが使われます。
「細骨材」はその85%以上が直径5mm以下の砂です。
コンクリートの原料は「セメント・砂・水・砂利」
コンクリートの原料は「セメント・砂・水・砂利」の4つです。
基本的には「セメント、砂、砂利」を「1:3:6」の比率で混ぜ合わせ、水を加えながら調整します。
「砂」には「粗骨材」と呼ばれるものを使います。
「細骨材」はその85%以上が直径5mm以上の砂です。
モルタルとコンクリートの工事費用と値段を比較
モルタルとコンクリートの原料が違うことは先ほど説明した通りですが値段はどのように違っているのでしょうか。
ここではモルタルとコンクリートの工事費用とそのものの値段に分けて解説します。
モルタルの工事費用
モルタルの値段は工事費用を含めて、1㎡あたり1,500円から4,000円ほどです。
実際の塗料の種類や下地によっても差が生まれるため、金額は一概にはいえません。
コンクリートの工事費用
コンクリートの値段は工事費用を含めて、1㎡あたり4,500円から8,000円ほどです。
こちらもモルタル同様、様々な要因によって価格が変動するため一概には言えません。
結局モルタルとコンクリートはどちらの方が安い?
結論、モルタルとコンクリートではコンクリートの方が安いといえます。
砂利や砂の値段よりもセメントの価格の方が高い為、セメントの含有比率が多いモルタルの方が高価であるということになります。
モルタルとコンクリートの強度を比較
モルタルとコンクリートはどちらの方が頑丈でしょうか。
こちらではモルタルとコンクリートそれぞれの強度を比較していきます。
モルタルの強度
水の含有比率によっても違ってくるため確定的な強度というものはありませんが、一般的にモルタルの強度はコンクリートよりも高いです。
セメントの含有比率がコンクリートよりもたかい上、砂利が含まれていないということが要因になります。
コンクリートよりも頑丈なモルタルですが、ひび割れをしやすいという欠点がありますので、建物の基礎部分などには適していません。
コンクリートの強度
モルタルよりもセメントの含有比率が低いコンクリートですが、建物の基礎部分に使われるほどなので、頑丈さは十分といえるでしょう。
コンクリーにはモルタルのようにひび割れしやすいといった特徴はありませんが、張引力には弱いといった欠点があります。
ちなみに、張引力とはものを引っ張る力のことです。
反対に圧縮力には非常に強いとされています。
モルタルとコンクリートの装飾性を比較
建設現場や工事現場で用使われているモルタルとコンクリートですが、それぞれの装飾性はどうでしょうか。
ここでは装飾に使われる際の特徴について解説します。
モルタルの装飾性
コンクリートに比べ、モルタルの方が装飾性に優れています。
柔軟性が高くひび割れをしやすいという特徴から、建物の外壁などの表面部分に使われることが多いです。
コンクリートの装飾性
コンクリートの装飾性はモルタル程ではないものの、型に流し込んである程度の形を整えることは可能です。
性質上建物の基礎部分に使われることが多いです。
モルタルとコンクリートの手触りを比較
モルタルとコンクリートの手触りはどのように違うのでしょうか? ここでは実際に触ってみたときの手触りとその要因について解説します。
モルタルの手触り
モルタルの手触りを知っているという人はあまりいないかもしれませんが、つるつるしています。
先ほど説明した通り、モルタルに使われる「砂」は「細骨材」と言われ、粒の直径が5mm以下です。
そのことを考えるとつるつるした手触りであることは想像できそうです。
コンクリートの手触り
コンクリートの手触りはモルタルのつるつるに対してざらざらしているといったところです。
例えば、少し古い一戸建てのブロック塀などを触ったことがある人は多いでしょう。
要因はモルタル同様でコンクリートの原料にあります。
原料の「砂」に「粗骨材」という粒の直径が5mm以上の「砂」を使っていることに加えて「砂利」が含まれています。
ざらざらの手触りになる事は容易に想像がつきそうです。
モルタルとコンクリートのメリットとデメリットを比較
これまで様々な角度から、モルタルとコンクリートを比較してきました。
ここでは、これまでの内容をそれぞれのメリット・デメリットとして解説します。
モルタルのメリットとデメリット
モルタルのメリットは頑丈さと装飾性です。
建物の基礎に使われる程のコンクリートよりも頑丈なうえに建物の外壁などを自由にデザインできる装飾性はメリットと言わざるを得ません。
反対にデメリットについてはひび割れしやすいことと価格がコンクリートに比べ高いということです。
外壁の表面などがひび割れしても、特に大きな問題はありませんが外観が悪くなってしまうことは避けられません。
またひび割れが起こる度に塗り替えをしていては、価格が高いことはおのずとデメリットになってくるでしょう。
コンクリートのメリットとデメリット
コンクリートのメリットは価格の安さと頑丈さです。
モルタルのデメリットであるひび割れが起こりやすいという性質がないことに加え、建物の基礎に使えるほどの強度は十分なメリットといえます。
また価格が安いため、使用料が多くても問題ないでしょう。
次にデメリットですが、これは装飾性と張引力に対する耐性の低さです。
砂利が含まれていることもあり、モルタル程自由な形にデザインすることはできません。
また張引力に対する耐性の低さは、建物を作る際に鉄筋コンクリートにしなければならないなどの手間を生みます。
モルタルとコンクリートの使い道を比較
ここまでモルタルとコンクリートにはそれぞれ強みと弱みがあることを説明しました。
それではモルタルとコンクリートは実際どのような場面で使われているのでしょうか。
ここではモルタルとコンクリートの具体的な使い道について詳しく解説していきます。
モルタルの使い道
まずはモルタルの使い道です。
柔軟性が高く、頑丈なモルタルは下記のような用途で使われます。
- タイルの下地作り
- タイルを張る際の接着剤
- レンガやブロックの目地材
- 防水材を加えて、ベランダなどの防水仕上げ
- コンクリートと金属の隙間埋め
- 他の材料を加え、断熱効果のある材料にして利用
単体としても優秀なモルタルですが、他の材料を加えることで防水性や断熱性のある材料としての利用も可能です。
コンクリートの使い道
頑丈で価格の安いコンクリートは下記の用途で使われます。
- 鉄筋と合わせることで大型の建物の基礎に
- 他の材料と合わせて水中用のコンクリートとしてプールなどに
- 軽量コンクリートにして小規模建物の壁など
- 再生コンクリートにして裏込めコンクリートに
- 遮蔽用コンクリートとして、原子力発電所などに
コンクリートは上記にまとめた以外にも他の材料と合わせることで様々な場面に役立ちます。
鉄筋コンクリートのようにひと手間加えることでより優れた材料になりやすいのがコンクリートです。
モルタルとコンクリートの違いを事前に把握しておこう
この記事ではモルタルとコンクリートを様々な項目で比較しました。
今後、外壁の修繕やDIYでモルタルやコンクリートといった材料を使う方や、業者に依頼する際には、この記事の情報を知っておくと話がスムーズに進むこと間違いなしです。