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マンション売却

マンション査定の方法とは?査定価格の計算方法・査定の流れ・成功のポイントを解説【専門家監修】

マンション査定 方法
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自分が保有している中古マンションの市場価格を知りたいと思った時に、最も一般的なのは不動産会社に無料査定を依頼するやり方です。

不動産会社によるマンション査定がどのような仕組みでおこなわれるのかを知らないと、査定結果の見方を誤り、損をしてしまう可能性も高いです。

マンション査定方法の大前提

マンション査定は3つ(4つ)の査定方法【取引事例比較法・原価法・収益還元法(直接還元法・DCF法)】と、2つの依頼方法【机上査定(簡易査定)・訪問査定】がある

今回は、マンション査定を不動産会社はどのような方法でおこなうのか、売主が査定を依頼する方法や注意すべきポイントはどんなものがあるのかを詳しく解説していきます。

この記事の監修者
FP事務所 MoneySmith 吉野 裕一
監修者
FP事務所 MoneySmith
吉野 裕一さん

2級ファイナンシャルプランニング技能士/2級DCプランナー/住宅ローンアドバイザー

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Contents

マンションの査定を依頼する方法

マンションの査定を依頼する方法は、依頼のために使用するツールなどでいくつかに分かれます。

ここからは、実際にマンション査定を依頼する方法を1つずつ紹介していきます。

マンション査定サイトおすすめ25選!マンションのネット査定に人気のサービスを口コミ・使いやすさで徹底比較

方法1】不動産会社に直接依頼する(Web・電話・来店相談など)

1つ目は、不動産会社に査定の依頼を直接おこなう方法です。

大手の不動産会社などは上記のように、簡単な物件情報などをWeb上で記入するだけで査定を依頼できる仕組みを提供しているケースも少なくありません。

一方で、地方の中小規模の不動産会社などは、公式HP上に査定の依頼フォームがなく、代表電話に連絡する必要があることも多いです。

不動産会社に直接依頼するメリット
不動産会社に直接依頼するデメリット
  • じっくり悩みを聞いてもらいやすい
  • 契約したい不動産会社の目星がついているならスムーズ
  • 他社と比較がしにくい
  • 営業トークを受けてそのまま契約してしまうことも多い

不動産会社に直接依頼をすることで相談の時間も取ってもらいやすいですが、1社のみに個別で依頼をしても、他社と比較して査定結果が良いかどうかわかりにくく、損をしてしまいがちです。

また、査定結果が他社と比較して良くなかったとしても、営業トークでそのまま押し切られて契約を結んでしまうリスクもあります。

方法2】不動産一括査定サイトを使って複数社に依頼する

不動産一括査定サイトの仕組み

不動産一括査定サイトは、簡単な物件情報や個人情報を入力することで、エリアに対応しているサイト登録の不動産会社複数社に、一括で依頼ができるというツールです。

代表的な不動産一括査定サイトのHOME4Uは、下記のような手順で依頼を進めていきます。

HOME4Uで一括査定を依頼する流れ
【Step1】物件の詳細情報を入力
HOME4U 【Step1】物件の詳細情報を入力
【Step2】査定の理由・査定方法・要望を入力
HOME4U 【Step2】査定の理由・査定方法・要望を入力
【Step3】氏名・連絡先を入力
HOME4U 【Step3】氏名を入力
【Step4】依頼する不動産会社を選択
HOME4U 【Step4】依頼する不動産会社を選択

1社ずつアポを取っていくよりもスムーズに査定を進められるのはもちろんのこと、来店しなくても複数社の査定結果が届くので、内容を比較した上で気になる不動産会社にだけ来店相談の依頼などができ、時間的にも節約になります。

不動産一括査定サイトを使って依頼するメリット
不動産一括査定サイトを使って依頼するデメリット
  • 複数社を比較して、どこが一番良いかが分かりやすい
  • 査定結果を最初に見てから不動産会社を絞り込める
  • 査定に対応する不動産会社を1社ずつ探す手間がなくなる
  • 査定額を高く吊り上げるケースがある
  • 大手仲介業者は独自のサイト(すまいValue)があるため、他社サイトに登録していない

不動産一括査定サイトは便利なサービスですが、複数社の査定結果を比較した結果、どうしても査定額が一番高い業者に契約が集まりがちです。こうしたことを知っていて、あえて高めの査定額を提示する不動産会社も存在するので、注意が必要です。

不動産売却時の不動産会社選びで重視することは何ですか?(株式会社グローベルス調べ)不動産売却時の不動産会社選びで重視することは何ですか?(株式会社グローベルス調べ)
  • アンケート方法:インターネットによる無作為調査
  • アンケート実施日:2024年10月1日~10月8日
  • アンケート実施人数:1201人(男性:600人 女性:601人)
  • 回答者年齢:30代:213人、40代:438人、50代:511人、60代:39人

株式会社グローベルスが実施したアンケート調査によると、不動産売却時にどの不動産会社と契約するかの判断基準として、査定価格を挙げる方が最も多い(33.3%)という結果になりました。

方法3】不動産鑑定士に有料の鑑定を依頼する

表紙
不動産鑑定評価書-表紙
鑑定評価額
不動産鑑定評価書ー鑑定評価額
鑑定評価の基本的事項等
不動産鑑定評価書ー利害関係等の説明
個別分析
不動産鑑定評価書ー個別分析

中古マンションの見積もりは、不動産会社の他にも、不動産鑑定士による有料の鑑定があります。

不動産鑑定士は専門の不動産知識を持つ国家資格者であり、国土交通省が調査・公表する公示地価(土地の公的な価格)も、複数の不動産鑑定士による調査・評価によって算出されています。

不動産鑑定士に依頼するメリット
不動産鑑定士に依頼するデメリット
  • 正確(公的)なマンションの評価額が分かる
  • 鑑定結果は公的な書類への記載や、法的な手続き時に基準額として使える
  • 高額な依頼費用がかかる
  • 鑑定評価は市場価格(売買価格)とは異なる

鑑定評価は離婚による財産分与や、相続財産としての不動産の評価額を算出したい場合に有効ですが、マンションを売りたい時に売却価格の見積もりを依頼する相手としてはそぐわないと言って良いでしょう。

売却価格(成約価格)はマンションの売主と買主の合意によって決まる価格なので、最近はどのような物件の需要が高いのかだったり、属する学区の進学実績など、鑑定士が評価しない部分も価格に影響します。

こうした情報をより持っているのは近くに店舗を持つ不動産会社なので、こと売却目的の査定に関しては、不動産会社による査定のほうが良いケースも多いです。

マンション査定価格の調査方法

マンションの査定を依頼する際、机上査定と訪問査定の2種類の依頼方法から選ぶようになります。

一括査定サイトから依頼する時にもどちらか一方を選びますが、どの依頼方法を選ぶかで大きな違いが発生するので、状況に合わせて慎重に選びましょう。

査定依頼の方法 内容 メリット デメリット
机上査定 申込データ+業者の所有データで簡易査定
  • 結果がスピーディに算出できる
  • 複数社を比較しやすい
  • 査定も簡易でおこなわれるので精度が不足しがち
  • 現況を見た場合の査定評価と異なる場合も多い
訪問査定 机上査定に加えて、担当者が物件を実際に訪問して調査
  • 査定額の精度が高い
  • 担当者に対面相談できる
  • 机上査定より時間がかかる上、訪問日時のアポイントが必要

それぞれの方法をより詳しく見ていきましょう。

机上査定(簡易査定)

机上査定では査定したマンションの簡単な情報を依頼者が申告し、業者はその情報に加えて市況や所有データを組み合わせて査定額を算出します。

スピーディに査定結果を算出できる一方で、実際の不動産価値とのズレが生じがちです。

机上査定は一般的に、とにかく早く査定額を算出したい方に向いている方法です。

訪問査定

訪問査定は、不動産会社の担当者が実際に現地へ赴き、内装や接道状況、周辺エリアの状況などを調査します。

机上査定に比べて、より精度の高い査定額を算出することができます。また、担当者と相談する機会があるので、業者選びにも役立ちます。

机上査定と訪問査定のどちらか一方を選ぶようになりますが、訪問査定は実際には机上査定+訪問調査となるので、確実に精度は高くなります。

一方で、調査のために担当者が赴くので、受け入れる手間などに注意する必要があります。

また、プライバシー保護には徹底配慮してはくれますが、不動産会社が訪問することで、マンションを隠して売りたい人にとってはリスクになる可能性があります。

マンション査定価格の計算方法

マンションの査定は、3つの算出方法をいずれか使用するか、組み合わせで使用しておこなわれます。こちらがその3つの方法です。

マンション査定額の計算方法
  • 取引事例比較法
  • 原価法
  • 収益還元法

それぞれの方法をまとめると、以下のようになります。

査定方法 内容
取引事例比較法 近隣エリアの過去の取引事例と査定したいマンションを比較して査定額を算出
原価法 今のマンションを取り壊し後、そのまま建て直す際にかかるコストから査定額を算出
収益還元法(直接還元法・DCF法) 収益物件運用で得られる見込み利益から逆算して査定額を算出

ここからは、それぞれの査定方法を詳しく解説していきます。

計算方法1】取引事例比較法

取引事例比較法

特にお住まいとして使っていたマンションを査定する時は、取引事例比較法が重視されます。

これは、マンションの周辺地域で起きた過去の取引事例のデータを集め、それをもとに査定額を算出する方法です。

例えば、過去に成約したマンションA(60㎡)の成約価格が2,000万円、マンションB(70㎡)の成約価格が2,500万円として、マンションC(65㎡)の3つとの面積以外の条件が全て全く同じと仮定したら、マンションCの価格はAとBの間ということで2,250万円と査定することができます。

ただ、実際は査定したいマンションと全く同じものというのは無いので、下記のような補正をおこなった上で価格を算出します。

要因 詳細
事情補正 離婚や転勤、借金など、早期に売却が必要な理由がある場合など
時点修正 周辺環境が大きく変化しているケースや、経済状況の変化など
地域要因 過去の取引事例の時期に比べて、そのエリアがどう変化しているか
個別的要因 不動産そのもののキズ・凹みなどの劣化状況やリフォーム状況など

計算方法2】原価法

原価法

原価法は、今ある建物を立て壊して、そこに新しい建物を建てる時のコストを予測し、そこから物件価格を割り戻す方法です。

原価法では、以下の方法で査定額を算出します。

原価法の計算式
再調達原価(総面積×単価)÷耐用年数×残存年数(耐用年数-築年数)
原価法を用いた査定額の計算例

【計算式】
査定額【原価法】=再調達原価(総面積×単価)÷耐用年数×残存年数(耐用年数-築年数)

【条件】
建物の総面積:100㎡
建物の単価:20万円/㎡
耐用年数:40年(国税庁の耐用年数表を参考
築年数:10年

【計算例】
再調達原価:100㎡×20万円/㎡=2,000万円
残存年数:耐用年数40年-築年数10年=30年
査定額の計算:2,000万円×30年÷40年=1,500万円

以上より、査定額は1,500万円と計算されます。

計算方法3】収益還元法

収益還元法

収益還元法は、将来的な投資利益を予想し、それを参考に査定価格を算出する方法です。

収益還元法は、大きく直接還元法とDCF法の2通りがあります。

  • 直接還元法:一定期間の純利益を還元利回りで割り、不動産価格を算出
  • DCF法:所有期間全体の純利益と売却予想額を割り戻して算出

それぞれの具体的な計算事例をまとめると、下記の通りとなります。

直接還元法 DCF法
【計算式】
査定額【直接還元法】=一定期間の純利益(家賃収入-かかった費用)÷還元利回り

【条件】
年間賃料収入:300万円
運営経費:50万円(管理費や修繕費、税金など)
還元利回り:5%(想定)

【計算例】
純収益(NOI)の計算:年間賃料収入300万円-運営経費50万円=250万円
査定額の計算:純収益250万円÷還元利回り0.05(5%)=5,000万円

以上より、査定額は5,000万円と計算されます。

【計算式】
査定額【DCF法】=各年の純収益(NOI)÷(1 + 割引率)^年数+最終売却価格÷(1+割引率)^保有年数

【条件】
年間賃料収入:1年目300万円、2年目320万円、3年目340万円
運営経費:50万円/年(固定)
割引率:5%
保有期間:3年
最終売却価格:5,000万円

【計算例】
各年の純収益:1年目:300万円-50万円=250万円
       2年目:320万円50万円=270万円
3年目:340万円50万円=290万円
各年のキャッシュフローの現在価値:1年目:250万円 ÷ (1 + 0.05)^1=238万円
2年目:270万円 ÷ (1 + 0.05)^2=245万円
3年目:290万円 ÷ (1 + 0.05)^3=250万円
最終売却価格の現在価値:5,000万円÷(1+0.05)^3=4,319万円
査定額の計算:238万円+245万円+250万円+4,319万円=5,052万円

以上より、査定額は5,052万円と計算されます。

直接還元法やDCF法は、収益物件を査定する際に用いられます。

マンション査定で見られる主なポイント

マンションの査定価格を算出する際に、見られるポイントはいくつか存在します。

ここからは、マンションの査定で見られるポイントについて解説していきます。

ポイント1】築年数

現在の築年数の経過状況は、マンションの価格に大きく影響しやすいポイントです。

築年数が経過するほど、マンションの価格は下がっていきます。
築年数別のマンション売却相場

築年数 東京都 東京都(都区部) 東京都(多摩) 埼玉県 千葉県 神奈川県 横浜・川崎
~築5年 9,940万円 10,541万円 5,299万円 5,604万円 5,327万円 5,803万円 6,003万円
~築10年 8,472万円 8,997万円 5,510万円 4,688万円 4,694万円 5,955万円 6,173万円
~築15年 7,797万円 8,178万円 5,336万円 4,518万円 4,482万円 5,319万円 5,596万円
~築20年 6,973万円 7,513万円 4,299万円 3,594万円 3,862万円 5,454万円 5,799万円
~築25年 6,217万円 6,595万円 4,388万円 3,787万円 3,741万円 4,466万円 4,738万円
~築30年 5,246万円 5,877万円 3,336万円 2,722万円 2,376万円 3,429万円 3,709万円
築30年~ 3,296万円 3,637万円 1,838万円 1,306万円 1,346万円 2,010万円 2,150万円

出典:レインズ: 首都圏中古マンション・中古戸建住宅地域別・築年帯別成約状況【2024年4~6月】より

上記は首都圏の中古マンションの平均成約価格を築年数ごとにまとめたものです。実際の売買状況を見ても、築年数が経過するにつれて成約価格が下がっていることが分かります。

価格が下がっていくというのも勿論のことですが、購入希望者からの需要も築年数が経過するごとに、原則下がっていきます。

ポイント2】立地の良さ・周辺エリアの需要

マンションの立地が都市部に近い、最寄り駅からの徒歩分数が近いという部分も、マンションの評価を決定する上で重要なポイントです。

不動産の基本価格である公示地価は毎年国土交通省が特定のエリアごとに調査・算定する基準価格となりますが、立地が良いエリアほど地価は高く、それにともない査定価格も高くなる傾向にあります。

また、周辺地域の生活環境が優れているかどうかも、査定価格に影響するポイントです。

スーパーなどの買い物環境やドラッグストア、病院や学校などの施設の有無や地価さは、査定価格に大きく影響するポイントです。

ポイント3】部屋の階数・方角・位置

マンションの場合、部屋の階数が高ければ高いほど、査定価格は高くなる傾向にあります。

また、ベランダの向きも南向きなど、日当たりが良い部屋や眺めが良い部屋ほど査定価格は高くなります。

ポイント4】部屋の広さ・間取り

部屋の面積が広いほど、基本的に査定価格は高額になります。

一方、間取りに関しては、特定の間取りが高値で評価されるということはありません。

不動産会社に評価される間取りは、悪く言えば無難な、幅広い人にとって使い勝手が良い間取りになります。

一方で、リノベーションを行い部屋同士を繋げているようなケースは使い勝手が悪いため、査定評価がマイナスになることがあります。

ポイント5】備え付け設備

マンションの備え付け設備のグレードも、査定評価に影響を及ぼします。

キッチンやトイレ、お風呂、エアコンなどの設備のグレードが高く、問題なく機能していれば部屋自体の査定価格も高くなります。

一方で、備え付け設備が古く状態が悪いと、部屋の査定価格は低くなります。

取り外し可能な家具や家電は、引き渡し前に全て処分するか、元の所有者の新居に持っていくのが一般的です。ただし、買主との契約状況によっては、家具・家電付きで引き渡すケースもあります。

ポイント6】共用部分

マンションの共用部分のグレードや状態も、マンションの査定価格に影響するポイントです。

エントランスの管理状況やエレベーターの有無、これらの共用設備の管理度合いなどは、分譲マンションの部屋の評価にも加味されることがあります。

特にエレベーターに関しては、現行の建築基準法34条では高さ31m以下(6階以下相当)のマンションやビルには、エレベーターを必ず設置しないといけいない義務はないことになっています。※各階の高さによって相当する階数は異なる

ただし、例えば6階建てマンションにエレベーターがないのはかなり不便になるので、エレベーターがあるマンションとないマンションでは査定時の評価も変わる可能性が高いです。

ポイント7】管理状況

築年数や立地などの評価に大きく影響する部分は途中で変えることができませんが、管理が徹底されているマンションは同様の築年数や立地のマンションよりも査定時の価格が高くなりやすい傾向にあります。

管理状況が評価される要素【例】
  • 管理人の在籍頻度(常駐か否か)
  • 共有部分のメンテナンス具合
  • ごみ置き場の利用状況
  • マンシヨンそのものの劣化具合
  • 不要設備の有無

ただ、マンションの管理状況に関しては、マンションの敷地全体を含む部分がチェックされることが多く、分譲マンションの売却でも全体の管理状況が影響する可能性があります。

マンション査定の前に準備すべきこと

マンションの売却相場を調べる

マンションの現状の見積もり価格を調べたいと思ったら、不動産会社に査定を依頼するのが一番の近道です。

ただし、不動産会社の査定額は各社で金額が異なることもあり、中には相場にそぐわないケースもあります。

適切な価格査定をおこなってくれる不動産会社を絞り込むためには、事前に売却相場を調べておき、おおよその価格帯を知っておくことが大切です。

マンションの売却相場を調べる方法としては、下記などがあります。

  • レインズ(REINS Market Information)を利用する
  • 不動産情報ライブラリ(旧 土地総合情報システム)を利用する
  • 不動産ポータルサイト(SUUMOなど)を利用する

必要書類を揃える

前提として、マンション売却をまだ検討している段階であれば、査定前に用意が必要な書類は原則ありません。

ただし、マンションの査定を依頼する際に、マンションの状況をある程度知っておかなければ、査定を適切に依頼したり、査定価格を評価することはできません。

マンションの現況が確認できる書類としては、例えば以下があります。

マンションの現況が確認できる書類
  • 登記事項証明書(登記簿謄本)
  • 登記済権利書または登記識別情報
  • 固定資産税通知書
  • 固定資産税評価証明書
  • 固定資産税評価証明書
  • 建物の図面
  • 固定資産税評価証明書
  • ローン残高証明書

こうした書類を事前に集めておいた方が、結果的に売却もスムーズに進められます。

売却の理由や目的・目標額・期限を整理する

事前に整理しておきたいポイント
  • 売却の目的は何か
  • 売却後の手残りは最低いくら必要か
  • 売却後に最低いくらの資金が必要か
  • 売り出しから成約までは何か月(何年)後まで待てるか
  • 成約価格は最低いくらに設定するか
  • もし、上記条件に合わない場合はどうするか

マンション査定を依頼する段階では細かい条件を決めておく必要はありませんが、事前にある程度整理をしておいた方が、査定結果を見た時の理解は深まります。

事前に上記のようなポイントを整理しておくことで、売却し終わった後に後悔するリスクも減らすことができます。

査定前にマンションの清掃をしておく

査定を依頼する前にマンションの掃除をしておくことも検討すべきでしょう。

マンションの査定価格は買主と取引をする際の価格の見積もりですが、この段階では部屋内の家財道具や不要物は処分や新居への持ち出しが原則完了しているため、査定の段階で掃除をしているかどうかは、ダイレクトに評価へは影響しません。

ただ、大事な物件を今後預ける相手として、マナー的な意味でもある程度は綺麗にしておくことをおすすめします。

また、査定を行った上で、どのように売却をするかの戦略を売主と一緒に練っていく際に、マンションの現況を見えやすくするためにも掃除をしておいた方が良いでしょう。

マンションの査定を依頼する際の注意点

注意点1】不動産査定書の気になる部分は必ず確認する

マンションの査定を依頼すると、その結果は不動産査定書にまとめて共有されます。

不動産査定書では、各項目を評点という形で評価しています。(1.00が基準で、1.00未満がマイナス、1.00超がプラス)

評点の合計値を加味して、マンションの査定価格は調整されます。

項目ごとに不動産会社の評価が異なるケースもあるので、査定価格だけでなく、査定書の中身も細かくチェックしましょう。

眺めや日当たりといった部分は不動産会社ごとに評点が異なる可能性もあるので、なぜそのような評価になっているか疑問に思った時は、不動産会社に直接聞いてみるのがおすすめです。

注意点2】ローン残高と査定価格の金額差を確認する

マンションを売却する際に、住宅ローンの支払いが残っているケースも多数あります。

住宅ローンの残債はマンションの売却代金を使い、完済して抵当権を外した上で引き渡す必要が原則あります。

そのため、現在のローン残高を確認の上、査定価格と比較して、売却したらローンを完済できるかどうか確認する必要があります。

オーバーローン・アンダーローン

もし、売却代金がローン残債を下回る場合は、残りのローン残高は自己資金を使って返済する必要があります。

注意点3】査定結果は複数社のものを比較する

マンションを査定に出す時は、複数社に査定を依頼して、結果を比較するのがおすすめです。

仲介売却で注意したいのは、どんな物件も高値で査定をしてくれる評判の良い不動産会社というのは基本的にはないということです。

ネット上の口コミ評価が高い不動産会社Aと、そこまで高くない不動産会社Bがあったとして、マンションの条件によっては不動産会社Bの査定価格のほうが高額になるケースも多々あります。

損せずにマンション売却をおこなうためには、複数社の査定結果を比較することが必須となります。

注意点4】大手・中小どちらの査定結果が良いということはない

不動産会社には全国展開している大手の他に、長年地域密着で営業している街の不動産屋もあります。

大手のほうがしっかりしているイメージがありますが、実際は大手は営業マン1人が持つ案件数が多く自分の番が回ってこなかったり、担当者が転勤してきたばかりで地域事情を全く知らなかったりすることもあります。

【比較項目】 大手 地元中小
おすすめエリア 都市部・住宅地 地方・郊外
おすすめエリア 都市部・住宅地 地方・郊外
売却活動のコスト 高い 低い
集客力 高い 低い
ネットを使った宣伝 不得意 得意
不動産タイプごとの実績 タイプに関わらず平均的 得意・不得意がはっきりしている
地域の情報 持っていない 独自情報を持っている
担当者の対応 比較的ドライ 親身になってくれる
囲い込みの危険性
最新の市場動向 対応 未対応なことも多い
検査・保証 しっかりしている 対応が不十分な場合もある

大手と中小のどちらに依頼をすれば成功しやすいかは単純に言い切れないので、どちらにも査定を依頼して比較することをおすすめします。

不動産売却はどこがいい?おすすめ不動産会社ランキングと大手・中小の違い・売却に強い会社の選び方

マンション査定に関する良くある質問

ここでは、マンション査定を行う前に知っておきたいことや解決しておきたい疑問を解説して行きます。

マンション査定の流れは?

マンション査定の基本的な流れは以下の3ステップです。

①まず、不動産会社が実施している机上査定を利用します。

この時にマンションの所在地と築年数、間取りなどの基本情報を提供して、おおよその査定価格を把握します。

②次に、不動産会社がマンションを訪問して、物件の詳細な状態を確認する「訪問査定」を行います。

会社側は、部屋の状態や設備の劣化度合い、眺望などをチェックし、これらの情報を基に査定価格を最終的に算出します。

③査定結果は、数日後に不動産会社から提供されます。

ローンが残るマンションも査定してもらえる?

ローンが残っているマンションでも査定は受けられます。

しかし、売却時の収益がローン残高を下回る場合、その差額を補填する必要があります。
また、マンションを売却する際にはローンの残高を一括返済する必要があります。

このため、ローン残高と査定価格をしっかりと照らし合わせて、実際に売却する際の収支を計算することが重要です。

ローン残債があるマンションも売却できる?ローンが残る物件を売る流れ・注意点をケース別に解説

マンションの売出価格と査定額の価格差はどれくらいが相場?

マンションの売出価格は、査定結果を基に設定しますが、適切な価格帯の中であれば、少し高めに設定することも可能です。

価格を高く設定すれば売却利益は増えますが、売れにくくなるリスクがあります。

逆に低すぎる価格では、損をする可能性があります。

市場の動向や近隣の物件の取引実績などを参考にしながら、専門家と相談して最適な価格を設定することが重要です。

完了まで60秒!大手不動産会社の売却価格をスピード査定